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occam's razorさんの公開ページ 復刊投票コメント一覧 3ページ

復刊リクエスト投票

  • 盲いたるオリオン

    【著者】クロード・シモン

    絶版だったシモンの 『三枚つづきの絵』 と 『歴史』 が、白水社より復刊されました。 『ファルサロスの戦い』 や 『路面電車』 も出たし、シモン全滅の昨日がウソのような賑わい。で、ついでにこれも、というわけです。世界最高の作家の呼び声も高いシモンですから。
    “叢書創造の小径” は、新潮社の持つ財産のひとつです。
    コンパクトな版型に組み直すなどして出せるはずです。需要は大アリです。(2003/09/27)
  • 世界終末戦争

    【著者】マリオ・バルガス=リョサ

    当時、あの分厚さ(と値段)にひるんだのがいけなかった. .
    リョサの主要な小説のうちでこれだけ未読。けっこう気になっている。(2003/09/27)
  • モラヴィア傑作選・全10巻

    【著者】アルベルト・モラヴィア

    20世紀後半のイタリア文学は、イタロ・カルヴィーノやウンベルト・エーコばかりではない。心理の襞にまで分けいる描写で、物語性豊かな小説世界を次々に繰り出したモラヴィアの存在を忘れてはいけないと思います。あれだけ翻訳されたモラヴィアも、現在入手可能なものは、わずかです。
    それにしても、この選集は意欲的な企画でした。だからこそ、復刊にも値すると思います。モラヴィアを読まずしてイタリア文学は語れません。(2003/09/19)
  • サセックスのフランケンシュタイン

    【著者】H・C・アルトマン

    理屈抜きで楽しめます。最近、文庫で続々と復刊作業を行なっている河出さん。こいつもリストに入れてくださいね。
    1972年当時のカバー画は、強烈かつオシャレ。今でも使えます。(2003/09/13)
  • 宇宙播種計画

    【著者】ジェイムズ・ブリッシュ

    人間に都合がいいように環境を作り変えるのではなく環境に合わせて自ら変容してゆく、という本書で描かれる人類の姿は、ブルース・スターリングの《工作者シリーズ》にも較べられます ― 。その〈汎趨勢工学(パントロピー)〉という概念を打ち出したのは本書が最初です。 ブリッシュの良いところは、数十年先を見越した独創的な自然科学的アイディアに、心理学的・社会学的に的確な分析、付け焼刃じゃない文学的教養、などをうまくマッチングさせるところです。「ビープ」、「コモン・タイム」、「暗夜航路」、「芸術作品」、「恒星への抜け道」、“Get Out Of My Sky”、など短編に傑作が多かったと思いますね。
    本書はその得意の中短編四つから成るオムニバス長編です。なかでもいちばん有名な「表面張力」は、かつてSFマガジンと世界SF全集に収録されたことがありますが、完全版は本書にしか入っていません。この形でしか感動を呼ばないはずです。第二部「屋根裏の物」もオールディスの『地球の長い午後』に与えた影響が感じられる重要な一篇です。なにげに復刊の価値ありですよ。改訳のうえ是非。(2003/09/11)
  • ヒューマノイド

    【著者】ジャック・ウィリアムスン

    ジャック・ウィリアムスンの中では一番良く出来た作品だと思うのに文庫化もされず、40年ちかく放置されたままになっていますね。
    この作品との最初のなれそめは、子供向けの『なぞの宇宙ロボット』でした。赤い照り返しに鈍く輝く漆黒のヒューマノイド…人類の「福祉」を約束するため、星々の向こうから突如大挙し、われわれを拘束し、自由を剥奪する …そんなSFっぽさがたまらなかった。『ヒューマノイド』 はその完訳版で、姉妹篇「組み合わされた手」(これも翻訳がある)とともに入手しづらい状態です。
    1908年生れで「生ける伝説」ともいうべき現役作家ウィリアムスン。ヒューゴー/ネビュラ両賞受賞作を組み込んだ『テラフォーミング・アース』の原書も、つい購入してしまいました。
    ちなみに、『ヒューマノイド』にはいくつか続編もあり(未訳ですが、『ヒューマノイド・タッチ』など)、それらとまとめて出して欲しいものです。
    ※2006年11月10日、ウィリアムスン氏が永眠されました。享年98歳。(2003/09/09)
  • 偉大なる幻影

    【著者】D・ブッツァーティ

    本書には「偉大なる幻影」「スカラ座の恐怖」「戦艦“死”」の3篇が収録されており、「偉大なる幻影」じたいは、現在、河出書房新社『石の幻影』で購入可です。でも、他2篇はこの中でしか読めないしブッツァーティの作品は貴重ですからね。
    代表作『タタール人の砂漠』も最近書店であまり見かけなくなってるなあ。(2003/09/08)
  • クラカチット

    【著者】カレル・チャペック(作)、田才益夫(訳)

    図書館にはあるのですが、手許に置いておきたいので。
    『山椒魚戦争』や『RUR(ロボット)』のようなチャペック作
    品が好きな人ならきっと気に入るはずです。(2003/09/04)
  • ある生涯の七つの場所 全8巻 (文庫では全7巻)

    【著者】辻邦生

    『廻廊にて』を過去に読んだことはあるのですが(生前の辻さんと親しかった編集者の方から譲っていただいた署名本でしたが…)、その後自分の興味からはずれていたため、この作品のことは全く知りませんでした。いま、「内容紹介」と投票された方々のコメントを読み、非常に強い興味を覚えているところです。かなり壮大な企てのようで、復刊の要ありですね!(2003/09/02)
  • 新しいSF

    【著者】ラングドン・ジョーンズ

    どの作品にも愛着があるのですが、「心のオランダ」は '60年代ニュー・ウェーヴSFの生み出した最良の作品のひとつです。ゾリーンは作品を二編しか発表しなかった寡作家なので(この作品と「宇宙の熱死」のみ)ほとんど誰も問題にしませんが。
    D・M・トマスの詩「適合する臓器提供者を求めて」には泣きました。いま読み返しても泣けます。
    読みにくい翻訳だと言う人もいましたが、自分は気に入ってます。必ずしも翻訳のせいとばかりは言えない。もともと原文が解り易く書かれていませんから。(2003/08/30)
  • わが夢の女

    【著者】マッシモ・ボンテンペルリ

    「イタリア人は陽気であけっぴろげ」という公式イメージがあるとすれば、「見栄っぱりで人間関係に敏感」というのがイタリア人の本質。みんながある異常なものを目撃しているのに、変人と思われるのがイヤでそのことを誰も言い出せず、見て見ぬふりををしているうちに、とんでもない大惨事になってしまう…といったようなパターンは、ボンテンペルリ、ブッツァーティ、チェーヴァ、ピランデッロなどによく見受けられます。その中でもボンテンペルリは、多くを心得た大人の眼でモダニスムのオブラートにくるんだ心地よい小品(ポール・モーランに似ている)をたくさん書きましたね。この本はそんな短編を満載しています。マイベストは「瞑想の機械」「恋人のように」「バーで会った男」「海の寛大さ」です。
    因みに、「信じやすい少女の心」がフィリップ・K・ディックのある短編にそっくりで、ビックリすること請け合いです。書かれたのは、もちろんボンテンペルリのほうが先です。(2003/08/29)
  • 地球最後の砦

    【著者】A・E・ヴァン・ヴォークト

    ハヤカワ文庫の「白背」で出た3冊のヴォークトのうち、
    『宇宙嵐のかなた』は何年か前にいちど復刊されましたけ
    ど、どうせならこの『地球最後の砦』を出さなきゃ。
    もし復刊されたら、どこかの駅前で、ティッシュ配りみたい
    に大量にこの本を配ってみたい。…ヴォークトの謎めいた
    登場人物のように。(2003/08/26)
  • 貧乏学入門(貧しさをどう楽しむか)

    【著者】ジョージ・マイクス(ジョージ・ミケッシュ)

    カエルっていうのは生きて飛んでいるムシしか食べないから、自分の横に死んだムシがあっても餓死しちゃうんだって ―という話を昔友人にしたことがあります。すると、「それは間抜けというよりエライ生き方だ」という答えが返ってきたものです。彼は家があまり豊かでないことを常に意識している人でしたが、そういうこだわりがある人は結構います。
    “貧乏を楽しむ”ことができるかどうかは疑問ですが、貧乏ゆえの「潔癖さ」など持たなくたって別にいいのではないか。金持ち同様、欲深で、ズルくて、余裕をかましていていいのだ。そして貧乏生活ではなくて人生を楽しむのだ。そうでないと自分がつぶれる。
    そのへん、ミケシュのウィットに富んだ警句を期待しているのですが。つまり、人生へのヒントを。(2003/08/23)
  • 金持学入門(豊かさにどう耐えるか)

    【著者】ジョージ・マイクス(ジョルジュ・ミケッシュ)

    あり余るほどのお金を持ってもその「使い方」を知らなかったり、(お金を持ったゆえに)殺されたり、殺される心配をしたりと、お金持ちって結構大変そうですね。縁がないのであまり気の毒という気はしませんが、仮に自分が巨万の富を得たらと考えると、少し心配にはなります。
    食う心配がなくなったとして、問題はどうするかです。おそらくは、お金の使い途や生活設計、人生や人間一般や人類の“目的”についてのあらかじめ考え抜いた哲学の差がそこに出るんでしょうね。
    個人レベルというよりも、企業、自治体、政治(広く言って文化)のレベルで如実に現れるような気がします。かつての金持国イギリスのミケシュ(出身はハンガリー)がそのへん皮肉たっぷりに語ってくれていそうで、是非読みたいと思います。(2003/08/23)
  • テスケレ

    【著者】ルーチョ・チェーヴァ

    一見、幻想味が強いようでいながら、全編これ諷刺という理知的傾向の強い作品集です。集中の「テスケレ」は、20世紀前半の革命トルコが舞台ですが、身分証明書(テスケレ)の有効期間が2時間しかない! そんな奇想をブチ込んだ小説です。とはいえ、主眼は “ヨーロッパ” 対 “非ヨーロッパ” の価値観の対立についての諷刺にあり、多少の古さは否めません。一方、「プレネスティノの方位」は、息つく間もない恐ろしい作品で、これを読むためだけでも復刊の価値がありますよ。「金持ち向けのスナック・バーを開く計画」に描かれる非現実的なまでの官僚制諷刺も…こんな不思議な作品はちょっと他に思い当たらない。「七面鳥」「メナンドロスに関する学術講演」も同様。「幽霊の悟性」はオカルト好きの人にはたまらないでしょうね。
    あと、復刊には改訳が必要な気がします。(2003/08/13)
  • 目的地アルファ・ケンタウリ

    【著者】A・E・ヴァン・ヴォークト

    「3倍速」か「5倍速」ぐらいの速さで、あれよあれよという間に語られる
    目まぐるしい快作。“世代宇宙船”、恒星間飛行、異星種族とのコンタクト、
    …ありとあらゆる要素が詰めこまれた作品で、どことなくオラフ・ステー
    プルドンを思い出させます。乗組員がみんなクリンゴン人のような性格な
    ので愉しかったものです。
    ― 「おい! 宇宙の本質をつきとめたぞ」
    レズビー五世がどうやってつきとめたか知りたければ、是非御投票を。(2003/08/13)
  • 迷宮都市

    【著者】デヴィッド・ブルックス

    ボルヘスに似ているかというと、う~ん…という感じ。カルヴィーノに似ているかというと、これも、う~ん…という感じ。
    トリを飾る作品 「SEIの本」 、これはオクタビオ・パスの散文詩(詩的短編小説)に似ているかも知れない。詩的意匠において匹敵する仕上がりになっています。 ― 変転・転身・流転についての、新しい知識を与えてくれますよ、これはイイ。現代文学に付け加わる新しい「何か」でした。恐るべし、オーストラリア文学!(2003/08/09)
  • 太古の呼び声 (原題 『アダム以前』)

    【著者】ジャック・ロンドン

    邦題が、同著者の『荒野の呼び声』(または『野性の呼び声』)に似せてあるため、混同している人も多いのではないかと思います。わたしも最初は、これが『アダム以前』とは気付かずにいましたから。(それまで邦訳が出ることをひたすら待ち望んでいたにも拘らず)
    翻訳は本当に読み易い。読み出したら、あっという間に読んでしまいましたね。ヒロイック・ファンタジーの元祖的要素もあるし、ユング的なものもちらついています。これ読むと、ジャック・ロンドンは天才って感じです。(2003/08/08)
  • 後継者たち

    【著者】ウィリアム・ゴールディング

    通常どんな研究書でも、本書の成り立ちをH・G・ウェルズの 『世界史概観』 および短篇「不気味な種族」 に求めているようです。でもその間にもうひとつ、クリーヴ・カートミルという作家の「連環」“The Link”というSF短編 が挟まっていることを指摘したい。「連環」 のなかでも、『後継者たち』 と同様 、旧人類ネアンデルタールは残酷狡猾なホモ・サピエンスによって皆殺しにされる。「連環」 の語り手「ロク 」は残酷なホモ・サピエンスだが、『後継者たち』 の主人公「ロク」はネアンデルタール人に設定されている。「連環」はヒーリイ&マッコーマス編 『時間と空間の冒険』(1946年)に収録され(過去に早川書房から翻訳あり)、ゴールディングが読んでいた可能性は高い。『蠅の王』 で 『珊瑚島』 そっくりの“本歌取り”をやってのけた“ 前歴 ” があるので、この推測もあながち的外れとは言えないと考えています。なんせそっくり。まだ誰も指摘していないと思われるのであえて書いた次第です。
    尚本書は、別の長篇『自由な転落』と共に中央公論社の世界文学全集に収められたこともあります。(2003/08/08)
  • 帰郷ノート 植民地主義論

    【著者】エメ・セゼール

    20歳のころ、別の本でエメ・セゼールの長詩「故国復帰へのノート」(だったかな?)の抄訳を読み、大きな衝撃を受けました。それが、ここでリクエストされている「帰郷ノート」だと思うのですが…詳しいことは知りません。どちらにしてもセゼールの書いたものなら何でも読みたいです。
    あの詩で謳われた、カリブともアフリカとも判別がつかないシュル・レアリスティックな情景、ハイタカの化身となったかのような激情、ほとんどオブジェとなって石のように投げつけられる暗喩と直喩…壮大で、しかも直かに心臓をつかむ、今までに読んだことがないような文学の可能性を、今もって忘れることは出来ません。
    隆盛を極めるカリブ海文学にまずセゼールがあった、ということをもっと広く知らしめても良いのではないかと思います。
    因みに映画『マルチニックの少年』のモデルはセゼールじゃないかなあと長年考えているのですが、どうでしょう。(2003/08/08)

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