厳格な史料批判と実証的論証法、朝鮮史研究に多大な業績を残したその著作を集大成

１．新羅の政治と社会（上）
朝鮮史研究に多大な業績を遺した末松博士の代表的著作『新羅史の諸問題』の第６編まで収録。独自の時代区分法を掲示し、新羅の政治と社会を各方面から検証する。実証的論法により新羅史の古典的名著として評価が高い。

２．新羅の政治と社会（下）
末松博士の体系的な新羅史研究の全容は、前巻を引き継ぎ、『新羅史の諸問題』の残り３編・附録と、新たに補論２編を集成して完結する。著者が原本に注記した加筆・訂正を採用。また、付編として先学の追憶文を収録する。

３．高句麗と朝鮮古代史
朝鮮古代史に関連して、晩年病床の末松博士は、北方大国の高句麗の研究に力を注いだ。本巻はその核心をなす好太王碑文の研究を中心に、高句麗史と朝鮮古代史の論考10編を収め、また広い視野からの東アジア史概論を収録。

４．古代の日本と朝鮮
今日、伽耶史の再構想を必須の課題とする古代の対外関係史が見直されている。『任那興亡史』は語源学、歴史地理学などの先行業績を踏まえた名著として、『日本上代史管見』他の諸論考とともに今日的課題の出発点となる。

５．高麗朝史と朝鮮朝史
私家版『青丘史草』第一の７編に、高麗・朝鮮朝（李朝）初期の論文を収録して、高麗から朝鮮に至る歴史を構成。政治社会の基底に存する両班、北方問題に対する兵権の運用に視点をすえて王朝交替の政治社会を展望した。

６．朝鮮史と史料
私家版『青丘史草』第二の書誌関連の14編に他の４編を加え、古代から朝鮮朝（李朝）に至る歴史、法制、言語、仏教、地理等の諸史料を、書誌、解題、目録、索引など印刷文化の視点から解明した論考で構成。史料学を学ぶ者必読。
（以上吉川弘文館ホームページより）