大絶画さんのページ
レビュー
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原典復刊 ほうれんそうが会社を強くする
"ほうれんそう"を育てよう
「ほうれんそう(報告・連絡・相談)は大事だ」と1度ならず指導や研修を受けたでしょう。しかし元々社員でなく経営者の指針だったと知る人は少ないでしょう。
著者によれば「自分は浅才な経営者であり、経営を円滑に進める上で社員の叡智を結集する必要があった」と開発経緯を述べています。
さすがに初版が40年前のこともあり事例が古かったり終身雇用を前提とし現代に合わない部分はあります。しかし非正規労働者が増えた現代だからこそ社員の情報共有、"ほうれんそう"がスムーズに行える風通しのいい環境作りは必須と言えます。
最後に出版社の前書きからもわかるようにハラスメントやコンプライアンス違反など企業不祥事は後を絶ちません。とくに2023年は50・100年に1度レベルの不祥事が次々と明らかになりました。いま一度、土壌(企業風土)を見直して下さい。このままでは"ほうれんそう"どころかあなたの会社が立ち枯れてしまうかもしれません。(2024/09/07) -
お地蔵さま
南無、地蔵願王尊
本書では地蔵歎偈から地蔵三部経をはじめとした経典、そして霊験記や地蔵和讃と原典に忠実にそれでいてレベルを下げすぎず地蔵菩薩の偉大さを描いています。
読み進めていくうちに願王(悲願の王)と呼ばれる由縁が理解でき、お地蔵さまへの感謝も深まるはずです。
どうかお地蔵さまを見かけたら「南無地蔵菩薩」または「おん・かかか・びさんまえい・そわか」と唱えて下さい。六道の衆生を救うお地蔵さまにとって何よりの供養となります。(2024/09/05) -
普勧坐禅儀講話
とにかく坐禅しろ
坐禅の神髄を謳った文章は多々ありますが、白隠の「坐禅和讃」と道元の「普勧坐禅儀」が二大巨頭でしょう。
とくに「普勧坐禅儀」が道元が帰朝して初めて明らかにした文章であり、日本の坐禅はここから始まるといっていいのかもしれません。内容は人間の本質から、仏教(禅宗)の歴史、坐禅のやり方・心構えなど多岐に渡ります。しかし日本を代表する曹洞宗の僧であった著者が簡潔に説いておりますので、読み通せると思います。
最後に道元は「只管打坐(ただ坐禅せよ)」を唱えました。この「タダ」の奥深さ・難しさは本書の中で何度となく書かれています。しかしそれに臆することなく1日5分や10分でも、ぜひ坐禅を取り入れていただきたいです。道元の地平へ必ずたどり着けるはずです。(2024/08/07) -
慈経/宝経/吉祥経 祝福や息災祈願に唱える3つの「護経(パリッタ)」を読む
仏教の修行・実践
護経(パリッタ)は大乗仏教の真言(陀羅尼)や念仏に相当するものです。仏教の実践が具体的に説かれています。
内容は「正しく観察しよう」とか「生きとし生けるものを慈しみましょう」など単純です。人によっては「きれい事」「理想論」と切り捨ててしまうかもしれません。ただ「素直に現状を受け止め、いまできることをしましょう」とも書かれています。
本書では1節(偈)ずつパーリ語原文・カタカナ表記・日本語訳が付き、さらに解説もされています。また巻末には対訳で経文が乗っています。単純ではありますが奥深い。1日1日読み進め実践していきましょう。(2024/08/04) -
大乗仏典 15 世親論集
まず識より始めよ
龍樹をはじめとする中観派が言語(既成概念)の解体を通して執着からの解放(覚り)を目指したとするならば、世親たち瑜伽行唯識派は覚りや修行段階の言語化を目指したといえるでしょう。
彼らが取った手法は唯識すなわち「物事を認識している私はとりえず存在する」と認めることでした。それはデカルトの「コギト(我考える)」やフッサールの「判断中止(エポケー)」に通じる部分があります。
さて本書には世親による他派への反論である『唯識二十論』、『唯識三十頌』のスティマティ(安慧)の注釈『唯識三十論(釈)』、『三性論』と訳者・長尾氏の注釈と唯識の代表的な論書が収録されています。とくに中観と唯識の止揚を目指した『中辺分別論』が重要です。
講談社学術文庫『世親』と合せて読むことで唯識への理解が深まるはずです。(2024/07/27)
復刊リクエスト投票
超電磁大戦ビクトリーファイブ全2巻
【著者】長谷川裕一
なお続編の『ゴッドバード』もリクエストしましたのでご協力をお願いします。(2024/10/24)
ゴッドバード 全7巻
【著者】長谷川裕一
コン・バトラーVボルテスVダイモスダルタニアス大全 長浜忠夫ロマンロボットアニメの世界
【著者】岩佐陽一 編
できれば『ダルタニアス』の加筆に加え(名称不明のツインボーグが多かったので)『ライディーン』を加えた(ライターは氷川竜介氏がいいと思います)改訂版でお願いします。(2024/10/21)
驢鞍橋(岩波文庫 青334-1)
【著者】鈴木正三 著 鈴木大拙 校訂
できれば現代語訳を付けた新装版でほしいです。(2024/10/20)
サトゥラェ 諷刺詩
【著者】ユウェナーリス(ユウェナリス) 著 藤井昇 訳
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