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著者 | 明恵 |
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出版社 | 岩波書店 |
ジャンル | 専門書 |
ISBNコード | 9784000090636 9784000700153 9784007306723 9784124003451 9784124003956 9784804619606 |
登録日 | 2020/09/06 |
リクエストNo. | 70135 |
リクエスト内容
三巻。具名を『於一向専修宗選択集中摧邪輪』という。明恵撰。建暦二年(一二一二)成立。『選択集』に対する批判の書。撰述の動機は、『選択集』を被見し、当時見聞していた専修念仏ならびに善導に対する解釈等の誤りの元は『選択集』にあったとし、そのことを専修の門人に対して示し糺ただそうとしたことである。(WEB版新纂浄土宗大辞典より引用)
法然の『選択本願念仏集(選択集)』に対する批判書であり、著者は華厳宗中興の祖・明恵。また翌年に補巻である『摧邪輪荘厳記』一巻が書かれます。
当然のことながら法然門下ら浄土宗から反論にさらされ、一説には親鸞の『教行信証』も本書に対する反論であったといわれています。
日本思想史において重要な著作と考えられますが、岩波書店刊『鎌倉旧仏教』に上巻、中央公論新社刊『日本の名著 法然・明恵』に抄訳は収録されるのみです。
投票コメント
全4件
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名前は知られているのに実際は読む機会がない。是非とも復刊してほしい (2022/10/18)GOOD!1
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浄土宗に対する批判の書として、浄土宗徒で明恵上人が好きな立場で読んでみたいです。 (2020/09/09)GOOD!1
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多くの思想が批判にさらされながら洗練・深化していくことは否定できません。『選択集』は複数の現代語訳・研究書が存在しますが、『摧邪輪』は過去に抜粋や抄訳が存在するのみです(リクエストのISBNコードはそれらのものです)。GOOD!1
2つの著作を比較することで思想の理解が進みますし、復刊できれば『荘厳記』を含め完訳を望みます。 (2020/09/06) -
他の方のレビューを読んで読みたくなった (2020/09/07)GOOD!0
読後レビュー
全2件
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信と行
岩波書店刊『日本思想体系 鎌倉旧仏教』収録の「摧邪輪」のレビューです。本書には全3巻の原文が収録されていますが、書き下しは上巻のみです。しかし明恵房高弁の批判の要旨は書かれていると思いますので、参考にしていただければと思います。
さて高弁の批判を一言で申せば「菩提心(利他心、信仰)の伴わない行(念仏)に意味はあるのか」に尽きると思います。この点について浄土教側の主張は「信仰があるから念仏を唱えるのだ」となるでしょう。
しかし高弁の主張も浄土教側の経典である浄土三部経を根拠に展開されます。どちらが勝者か読者に判断を委ねますが、法然の高弟であり高弁と同年代であった親鸞にとって自らの存在意義を懸けた戦い出会ったでしょう。
親鸞は後に『教行信証』を著し、題名からも「“教”えがあり、“行”となり、“信”仰を育み、“証”(さとり)を得る」と示しました。『教行信証』と同様『摧邪輪』も現代語訳する価値があると考えます。 (2021/11/25) -
摧邪輪
法然上人入滅後、開版された選択本願念仏集を読んだ明恵上人が批判する為に書いた本として存在は知っていても、注付きの読み下しで刊行されたら読んでみたい。 (2021/11/14)
NEWS
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2020/09/06
『摧邪輪』(明恵)の復刊リクエスト受付を開始しました。
復刊実現の投票はあなたの投票から。
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リュウセイ