集平さんの公開ページ 復刊投票コメント一覧

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復刊リクエスト投票

児童書・絵本
長谷川集平
19票

描いた本人です。『はせがわくんきらいや』を描き終えてヘトヘ
トになりながら、まだ足りないものがあると一気に描いたもので
す。だから、実は『はせがわくん……』とこの絵本でワンセット
です。ここには、その後ぼくの作品世界の背景になっていく風景
が描き連ねられています。実際に見たことのない、いわば心象風
景ですが、十数年後にぼくは同じ風景を発見して泣きました。な
んと、それはぼくの祖父が生まれ育った福岡県の田舎の風景だっ
たのです。それも昔の景色にそっくりだとそこの人は言うので
す。なぜぼくはそんなものを描き得たのか。その辺から、絵本は
自己表現だというぼくの確信がぐらつきはじめます。表現は自己
なんてちっぽけなものを超えてしまうことがある。かなしい疾走
感とともに、ものすごく大事なぼくのもうひとつの原点がこの絵
本です。

2003/11/28

児童書・絵本
長谷川集平
22票

描いた本人です。この絵本は難しく言えば、他者の存在を認識す
ること、想像力の限界を知る、その上に人と人の出会いがあると
いう考えに基づいています。が、お話はきわめてマンガチックに
展開します。ここに出てくる犬(のようなもの)はぼくの『青い
ドッグフーズ』に出てくる犬(のようなもの)と同じで、どこま
でもぼくらにつきまとうアレに似ています。阪神ファン時代に描
いたもので(編集者も虎キチでした)タイガースネタのコマ割り
マンガが挿入されています。今読むとまた別の味わいがあります
ね。ラストの夕焼けが美しい。これも出しといてね。

2003/11/28

文芸書
長谷川集平
18票

書いた本人です。この物語にはぼくの青春の喜怒哀楽が結晶して
います。絵を描き始めたころのヒリヒリした心の機微がなぞられ
ています。ぼくらはあのころ、名古屋の寒風吹きすさぶ路上を永
島慎二さんの漫画の登場人物になったようなフーテンな気分で歩
きました。挿絵を永島さんに描いてもらえて光栄です。ヒトと
違った道を行きたい、なのに決心がつかないという若者にプレゼ
ントしたい本です。本や映画や音楽の中にしか自分に似た人を見
つけられない、そういう若者はいつもいるでしょうから、この本
もいつも手にとれるようにしておいてください。

2003/10/21

児童書・絵本
長谷川集平
21票

書いた本人です。いまだに子どもの本とロックはミスマッチと考
えている「お上品」な人がいますが、ぼくはこの小説でロックこ
そ小さい人たち(子ども・おとなに限らず)のものだということ
をある程度書き得たと思っています。ここに出てくるなさけない
父親と息子の関係が愛おしい。タイトルは言わずもがな映画「灰
とダイヤモンド」から来ています。路傍の石文学賞にぴったりの
タイトルになりました。悩み多き、小さい人たちの手の届くとこ
ろに、いつも置いておいてほしい本です。

2003/10/21

文芸書
長谷川集平
22票

これは『絵本宣言序走』で試みた自作の断片のコラージュを、さ
らに綿密にしたものです。あちこちで発表した文章やイラストを
散りばめ、コラージュというよりもモンタージュして、それぞれ
の小品にフィードバックをかけるような作業になりました。
タイトルの「隣」という表記を「隣り」にしろと編集者に言われ
て、どうしてもそれはしたくない、キリッと三文字で行きたいん
だと電話で延々と粘ったのをきのうのことのように覚えていま
す。表紙のチンドン屋の絵がそうですが、このころのぼくは
「粋」とはどういうことかなんてことを考えていました。キザに
ならない粋ってどうやったらできるだろうかなどと。
ぼくは本気で夢の隣に引っ越したいと思い始めていました。
これまた、ちゃんと印税をもらわなかった作品です。児童文学か
らも文学からもはぐれているのですけれど、それがまあ「夢の
隣」と称するゆえんでもあります。

2003/09/09

文芸書
長谷川集平
23票

教師の中にある暴力性をこんな形で描いた子どもの本は他にない
でしょう。人間の中にある無意識的な狂気と悪意に目をつぶら
ず、それでも素敵な時間を生きたいのだという渇望が『夜の三角
形』にあり、救いの手はやがて『見えない絵本』で暗示されま
す。そしてまた迷い、そしてまた気を取り直す……ぼくの作品は
絵本、児童文学、評論、音楽、すべてがコール・アンド・レスポ
ンスをくり返しているので、すべてを古いものから新しいものに
たどって見てくださると、おのずとひとつの世界が浮かび上がっ
てくると思います。その世界が閉ざされ、途絶えてしまわないた
めにも、ひとつひとつの作品を生かしておいてほしい。
やはり3や6や12という数字にこだわったバッハの音楽が哲学で
あったように、ぼくの作品群も(どんくさいですが)哲学であっ
たと思います。今はそこから脱しようとしているのですけれど、
その必然性は哲学の森をさまよったからこそ出てきたものです。
本はやはり紙の、そして製本して綴じられた本がいいですね。

2003/09/09

児童書・絵本
長谷川集平
33票

描いた本人です。この絵本は共著の竹内敏晴さんにとっても重要
作なので、ぜひ復刊をと心から望みます。
もともとは谷川俊太郎さん企画の教材のひとつで、竹内さんとぼ
くを組み合わせたのは谷川さんです。子どもに基本的な動詞の意
味を一冊一冊の絵本で教えようというコンセプトのもとに描いた
ものです。「はなす」という言葉を掘り下げる作業になりまし
た。演劇指導を通して言葉をひらく実践をしておられる竹内さん
とぼくの真剣勝負の末、やさしい物語が生まれました。その過程
で、アイヌに伝わる「クサレマナイタ」の伝説を竹内さんにうか
がい、ぼくは言葉、そしてコミュニケーションに対する認識をあ
らたにしました。シリーズでしか買えなかったものを温羅書房で
単行本化、タイトルも『はなす』から『たんぽぽのこと』に換
え、装丁をリニューアルしました。温羅書房の倒産と同時に絶版
になった、惜しい惜しい絵本です。
ちなみに、言葉をしゃべるのが遅かったぼくが最初に覚えた単語
が「たんぽぽ」だったそうです。青空が似合う、希望に満ちた絵
本になったのではないかと思います。

2003/09/04

児童書・絵本
長谷川集平
103票

書いた本人です。ヨット3部作はみっつとも絶版です。在庫がある
うちは売るのでしょうが、出版社は増刷を打ち切っています。ぼ
くはよくわからないのですが、出版社がその本に見切りをつける
理由は何なのでしょうか。この大切な3部作を「もう出さない」と
いう理由は何なのでしょうか。これらの作品をなくしてもいいよ
うな本、代わりになる本をその出版社が出しているでしょうか。
そうやって切り捨てられた本が、ぼくのものだけでもこんなにあ
ります。リストを見て、あらためてびっくりしてます。いや、中
にはたしかに出版社そのものがつぶれて本も道連れにされちゃっ
た場合もたしかにありますがね。このリストはもっと増えていく
はずです。あれも、そしてあれも絶版なんですから。
絵を描いた村上康成とぼくの、かけがえのない、胸を張って言い
ましょう、大傑作です。

2003/09/03

児童書・絵本
長谷川集平
35票

描いた本人です。高田渡さんの歌詞に「見えるものは人のものだ
よ。見えないものはぼくらのものだよ」というのがあります。こ
の絵本は、ぼくの興味が見えるものから見えないものに移行して
いく曲がり角を示しています。それは同時に、日常から非日常
へ、意識から無意識への移行でもありました。でも結局、絵本は
見えることを頼りに成立しているし、日常の中で読まれるし、無
意識的な領域は見て見ぬふりされるんですよね。それで、ぼくは
この作品の後、「絵本とは何か」という問題を一から考え直す思
索の段階に入り、長い間絵本を描けなくなってしまいました。そ
の間ぼくに起きたことは『見えない絵本』という、絵本ならぬ小
説にいったん結実します。

2003/09/03

児童書・絵本
長谷川集平
26票

描いた本人です。これはぼくの宛名なしのボトルメールです。受
け取ってくださいますか。ここに出てくる長谷川君は『はせがわ
くんきらいや』の長谷川君と同一人物とは言えないまでも、どこ
かダブっています。その長谷川君を好きな女の子が主人公。その
子の誕生日が7月12日。ぼくの女房の誕生日です。もし、復刊が実
現するなら、一カ所描き直したいところがある。どこだろう?
なんて興味を持ってくださるとうれしいです。

2003/09/03

児童書・絵本
長谷川集平
40票

描いた本人です。これは初めは今江祥智さんに言われて児童文学
叢書のために書き下ろしたもので、後に理論社で絵本化されまし
た。ぼくにとって反戦とはこういうことじゃないか。つまり、親
の世代から無意識的に受け継がれた暴力性がこの身にも宿ってい
るのだけれど、それはほのぼのとした無邪気なものでもあって、
人間性とも言えるものであって、そういう自分を差し置いて「反
戦」を唱えることは偽善なのではないか。好戦的でもあるぼくら
のいとおしい日常と反戦の姿勢がどう折り合えるのか。走る少年
たちの永遠性はどこにたどり着くのか。そういうジレンマが夏の
おわりの蝉の声とともにひとつの物語になっています。この問い
かけに、まだ納得できる答えは返ってきていない、とぼくは思い
ます。何度もくりかえして読んでほしい絵本です。

2003/09/03

専門書
長谷川集平
26票

書いた本人です。デビュー3年目に早くも出たオフィシャル・ブー
トレグという感じの、ぼくがあちこちに残した仕事のスクラップ
ブック的な寄せ集めです。構成・編集をぼく自身がやったので、
個人雑誌のような出来です。この本を知っていてリクエストして
くれた人、心からありがとう。どこに発表するという当てもなく
描いた裸の自画像をさりげなく入れといたんだけど、まさに裸の
20歳そこそこのぼくのいろんな側面がスクラップされています。
これは「序章」じゃなくて「序走」なんだと言いたい何かがあっ
たんです。

2003/08/27

エンタメ
長谷川集平
31票

書いた本人です。雑誌「キネマ旬報」の連載ですから月に2回書い
ていた、日記に近いです。日本人が急速に自惚れていくバブル期
のまっただ中でこんなことを考えていたやつがいたんだという、
それだけでもめずらしい記録かもしれない。故・辻邦生さんはぼ
くのこの連載を見て「日本もまだ捨てたもんじゃない」と言って
くださった。彼はぼくに影響されて大瀧詠一のCDを気に入って聴
いていたそうです。一緒にフランスの田舎の教会めぐりをしよう
と誘ってくださって間もなく亡くなった。……あんまりそういう
楽屋話を書きたくはないんですけれど、ぼくはこの連載の中でガ
チンコ状態で刻々と変貌し、連載をうち切って東京人種をリタイ
アし、長崎に引っ越したのです。その落とし前は、オンデマンド
で出している『こんちりさんのりやく・ロザリオ』でつけたつも
りなんですが、つまりキーワードは「痛悔と改心(回心)」で
す。ここを経なければ今のぼくはありません。重くて嫌いで、そ
れでいて大事な本です。

2003/08/25

児童書・絵本
長谷川集平
40票

書いた本人です。ぼくの作る「料理」に深入りしたとしましょ
う。あのダシはどうやって作っているのか……その秘密がこの本
の中に書いてあります。そしてその秘密を知れば、あなたは他の
料理も作れます。本書と『絵本づくりトレーニング』『絵本づく
りサブミッション』は忍者の秘伝書のごときものです。しかし、
敷居は高くない。その気にさえなれば、だれにでもひもとける秘
伝書、ぼくはこの本が長く絶版だということを、ほとんど冗談だ
としか受け取れません。なんとかしてくださいませんか……。

2003/08/25

文芸書
長谷川集平
38票

書いた本人です。ぼくは音楽に生かされています。だから、この
本はぼくの音楽へのラブレターです。このころ、ぼくはもう一
度、絵をデッサンからやり直そうとしていたので、イラストの新
境地が見られます。長谷川集平という謎を解くための基本資料で
す。これが今読者の手に届かないということは、たとえば梯子の
上で(下と言った方がいいかな)「こっちにおいでよ」と声をか
けても途中の三段ぐらいが抜けていて、だれもこっちに来られな
い、そんな感じがあります。順を追って見てもらわないと、今の
表現があまりに唐突なものになってしまってないか、不安です。
今のぼくはもっと遠くまで来てしまってますが、とりあえずこれ
と『映画未満』『絵本未満』という、いわば砂時計の一番細い部
分を形成する未満三部作が抜け落ちている現状では、あらゆるシ
チュエーションでぼく自身、くり返し一から説明しなければなら
ないもどかしさがつきまといます。ぜひ復刊を。

2003/08/25

コミック・漫画
長谷川集平
51票

描いた本人です。ぼくは「絵本は子どもだけのものじゃない」
と、まあこれはぼくが言い出しっぺじゃなくて絵本ブームのころ
の決まり文句みたいなものであったのですが、よく言ってまし
た。なら自作で示さなきゃいけないというので、モンタージュと
キュビズムの影響下に思いっきりオトナ向けに描いた。林静一や
つげ義春や上村一夫の残り香もありますね。もとになったのは雑
誌「話の特集」のグラビアページに載せた短編です。ところが出
してみると、書店の子どもの本棚に置かれている。アブナイアブ
ナイ。絵本は子どもの本としてしか流通してないという、限界点
を見たような気がしました。貧乏新婚時代だったのだけど、印税
をもらえず現物支給、なんかかわいそうな作品です。いつかは
ちゃんとオトナ扱いしてやってほしい。

2003/08/25

文芸書
長谷川集平
33票

書いた本人です。「長谷川集平は『こじこじ映画館』の後半で長
谷川集平になった」と評してくれた人がいます。ぼくは「その通
り」と思います。生々しいドキュメントです。精確かつ自省的な
読者を得て、本人すらこの時点ではよくわからなかった意味を見
出してもらえることを願って。

2003/08/24

児童書・絵本
長谷川集平
61票

描いた本人です。この作品はイギリス初の日本の絵本原画展で注
目された時点ですでに絶版でした。売れないからか、売ろうとし
ないからか……。イギリスでは子どもの本としては実験的すぎて
出版不可能と判断されたようですが、だとしたら、日本の絵本は
ここまで来てるんだぞというマイルストーンとして残してもらっ
てもいいんじゃないでしょうか。「痛切」という言葉でしか説明
できないラブストーリーです。二度と描けない絵と言葉に不思議
な力がこもっています。

2003/08/24

児童書・絵本
長谷川集平
56票

描いた本人です。これはね、出版にこぎつけるまで、なかなか理
解を得られなかった作品です。出した後もなかなかわかってもら
えない。極めつけは、パロッた本家『あおくんときいろちゃん』
の作者レオ・レオニが「バカにしとんかぁ!」と激怒して、その
場に居合わせた人が「集平さん、詫びを入れた方がいいんじゃな
い?」と言ってきた。ぼくは詫びなかったです。レオニ先生に敬
意を表したつもりですから。6~70年代的ヒューマニズムの限界が
明らかになってきた今こそ受けてほしい、変化球であります。

2003/08/24

児童書・絵本
長谷川集平
52票

描いた本人です。この絵本が長らく消されちゃってるためにぼく
はずいぶん誤解されているところがあるような気がします。こう
いう、のほほんとしたところもあるんですけどね。印刷を昔「赤
胴鈴之介」のカラー製版をした職人さんがやってくれたこともこ
の絵本の特徴になっています。小型で、駄菓子屋さんに売って
る、それとも床屋さんで読みながら散髪してもらう、そんな絵
本にしたかったんです。

2003/08/24