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著者 | ロジェ・カイヨワ |
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出版社 | 講談社学術文庫 |
ジャンル | 専門書 |
ISBNコード | 9784062922098 |
登録日 | 2025/02/06 |
リクエストNo. | 77282 |
リクエスト内容
本書は、サブタイトルにある「対角線の科学」について、フランスの碩学カイヨワが論じたものです。対角線の科学とは、「既得の知識をいろいろな形で横方向に切断することによって、時として危険なまでに細分化してしまっている様々な探究分野の区分を補修する」という目的をもっています。
たとえば、蝶の翅、岩石の文様、絵画、神話になんらかの共通する構造を探り出そうとします。人間界と自然界の両方の現象の背後に潜む法則・原理を取り出しうるという方にカイヨワは賭けるのです。神話学、宗教学、社会学、人類学、動物学、鉱物学、数学、物理学などの広範な知見を統合し、「類推の極致」ともいうべき想像力の洞察に、正しさを求める営みとしての哲学を試みます。
投票コメント
全1件
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現代の要素還元主義的発想による学問分野の細分化により、学術的「総合知」が機能不全に陥りつつある現代において、その不全に対抗する先駆者として挙げられるのがこのカイヨワによる「対角線の科学」である。GOOD!1
その手段としては、学術分野の壁を取り払うことによって自由に事象を観察し、論じることによってあらゆる学問分野を結び付けて思想を展開し、打破しようとするものである。
しかしながら専門性を是とし、自らの専門分野に閉じこもりそれのみを権威とする専門家にとっては専門分野に対するプレイボーイのような人間があれこれ論ずるのを推奨されることに不快感を感じたこと、かつカイヨワという思想家自体の知名度の低さによって絶版になったと考えられる。
だがしかし中高、時には小学生のころより「進路」という一種の専門性を当然のように要求され、囚われている学生に対しても、専門性のみが是でなく、横断的思考という可能性が存在するということを知ってもらうためにも重要な一冊である。
ゆえに私は本書の復刊を希望する (2025/02/06)
読後レビュー
NEWS
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2025/02/06
『斜線 方法としての対角線の科学』(ロジェ・カイヨワ)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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千夜千読