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ブロフェルドのネコさんの公開ページ 復刊投票コメント一覧

復刊リクエスト投票

  • 殺しの標的

    【著者】ドナルド・ハミルトン

    フタバ・ノベルズ版では「非情!拳銃アクション」と謳われていましたが、実際、硝煙の香りが感じ取れるほど臨場感にあふれ、銃の知識に乏しい者でも読んでいる間はいっぱしのプロになったような気にさせるほど、その語り口は冴えています。のちのマット・ヘルム・シリーズに通じるシニシズム、伏線の妙味、章割りの巧妙さがここでは既に完成されています。
    惹句通りの非情系ハードボイルドではあるものの、その読後感には大変さわやかですばらしい物があり、特に稲見一良ファンはぜひ手にしてもらいたいと思います。
    (エッセイでも特に言及されてないため実際のところは不明ですが、稲見氏はきっとハミルトンの愛読者だったにちがいないと確信しています。律儀で誠実でストイックな氏の姿勢には共通するところがあり、また、マット・ヘルム・シリーズをヒントにしたようなシチュエーションの作品もあるからです。ってゆーか、ネタを借りちゃったから、言及を避けたのかな?)(2010/04/28)
  • ネバー・セイ・ネバーおいでやす

    【著者】東郷隆

    雑誌連載から15年以上たっても単行本化されないことに業を煮やしてリクエストしようとしたのですが、同じ想いをなさってたみなさん既にいらしたのですね。
    でも、連載が打ち切られていたのは初めて知りました。舞台設定、敵役の変更で企画を完成させてもらいたいものです。
    このタイトル、映画「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」同様に物語のラストを飾るセリフと想像しますが、どいうシチュエーションで「ネバー・セイ・ネバーおいでやす」っ言うのか、この15年間ずーっと気になって仕方ありません。
    きっちりオチをつけてもらおうじゃありませんか。(2010/04/25)
  • 12人の囚人兵

    【著者】E・M・ナサンソン

    講談社ウイークエンド・ブックス収録作品。
    12人の囚人をかき集めて恩赦を餌に特殊部隊を編成するという発想が面白く、まとまる筈のない男たちをまとめていくライズマン少佐の手腕が映画ではみどころのひとつでした。
    再映画化の話が進んでいるため、公開に際して復刊される可能性はあるのでしょうが、リー・マーヴィン以外の俳優が演じるライズマン少佐なんて私には全く想像がつきません。彼の惚れ惚れするほど見事な醜男顔をドアップしたDVDのジャケットと同デザインの表紙で刊行してもらいたいもので、これが上下2巻書店で平積みされている光景は、思い描いてみるだけでも実に壮観でワクワクさせられます。
    原題は'The Dirty Dozen'。ある種、襲撃物語でもあり、リー・マーヴィン自身、「悪党パーカー/人狩り」の映画化(邦題「ポイント・ブランク 殺しの分け前」)で主役を演じていることから、「悪党パーカー/汚れた7人」を7割増量した密度の濃い物語と思えばよいのかもしれません。(そんな訳ないですね。失礼)(2010/03/24)
  • 飛べ!フェニックス

    【著者】エルストン・トレヴァー

    講談社ウィークエンド・ブックスからもエルストン・トレーバー著「飛べ!フェニックス号」の表記で出版あり(1968年)。
    2004年の再映画化で当然に復刊を期待していたのですが、これほどの名作がどこからも出版されなかったことが不思議でなりません。
    エルストン・トレヴァー名義で書かれた本書およびアダム・ホール名義で書かれた「不死鳥を殪せ」はそれぞれのジャンルで共に金字塔の地位にあり、双方の復刊を望みます。(2010/03/23)
  • 忍者部隊

    【著者】ドナルド・ハミルトン

    このシリーズは第1作「誘拐部隊」から発表順に読むべき作品群です。
    そして、大方は第6作「待伏部隊」をシリーズ最高傑作とみなすでしょう。
    従って「忍者部隊」は「待伏部隊」の次に配置されているというだけの理由で投票されても構わない1冊です。
    (これに票を投じたことで「待伏部隊」の得票数がシリーズ最下位になってしまったのが泣き所なのだが。。。)(2010/03/23)
  • 007は二度死ぬ

    【著者】イアン・フレミング

    物語は、愛妻を殺された「女王陛下の007」の後日譚として始まります。
    ノイローゼで零落したボンドに衝撃を受けました。
    同僚たちの戸惑い、心遣い、愛情、親心に胸を打たれました。
    ブロフェルドの企みの怪異さに驚愕しました。
    ウラジオストックへの旅立ちに切なさを覚えました。
    日本が舞台であるということを別にしても、病めるヒーローの何もかもが気にかかってしまって、シリーズ中もっとも多く読み返しました。
    異色中の異色作で、映画と小説で物語の乖離が著しく、フレミングのファンより圧倒的に映画ファンの方が多い以上、これを万人にお勧めできないのが残念なのですが、もっともっと愛されてほしい一冊です。(2010/03/23)
  • 不死鳥を倒せ

    【著者】アダム・ホール

    映画「さらばベルリンの灯」(1966)の原作。
    スパイ小説の妙味をスパイ個々人間における駆け引きに求める向きには、米国のマット・ヘルム・シリーズおよび英国のクィラー・シリーズが最高峰にあると思います。趣向上の好みから個人的にはマット・ヘルムに軍配を上げますが、最上のスパイ小説を1冊だけ選べと言われたら『不死鳥を倒せ』を選びかねなかったりします。
    ガチガチに硬質な語り口がとても心地よく、『不死鳥を殪せ』と表記されたポケミス版は古本屋でタイトルを目にするたびゾクリとさせられます。
    余談ですが、映画化にあたってはノーベル文学賞を受賞したハロルド・ピンターが脚本を書きました。(2010/03/23)
  • 蹂躙部隊

    【著者】ドナルド・ハミルトン

    20回ぐらい読み返しましたが、正直なところ、シリーズ中いちばん魅力を感じません。
    とはいっても、それは訳文に負うところが多く、いくらなんでも酷すぎ、日本語として理解できないところが多すぎます。
    原文を推測し、再度日本語へ置き換える作業を何度も繰り返し、さらには舞台となるイギリス各地を訪れてようやく、これがシリーズ中でさほど低レベルではないことが飲み込めました。
    改訳を望む。という意味で1票投じます。(2005/12/29)
  • 待伏部隊(マット・ヘルム・シリーズ第6作)

    【著者】ドナルド・ハミルトン

    味読・再読に耐え得る本シリーズは多くの逆説と警句に溢れ、どの1冊も総てこの25年間で20回ぐらい読み返しました。
    簡潔な語り口で180ページ(ポケミス単位)程度の軽さを装っているものの、伏線の巧みさと含蓄のあるこの文章には、読み返す都度、いまだ掘り起こされる宝が残っているものだから、ため息が出てきます。
    本作についていえば、逆説の愉悦は他に一歩譲るもののシリーズ中いちばんストレートな面白さをそなえた最も熱くてカッコいい一冊といえるでしょう。
    冒頭で革命軍の統領を狙撃するエピソードはS・ハンターのファンにも一読してもらいたい。

    【以下、冒頭からの引用】
    土地の人びとは、山羊の河”リオ・デ・ラス・カブラス”と呼んでいる。私がそこにいたあいだ、山羊なんぞ一頭も見当たらなかった。だからどうということはない。私は山羊を狩りに来たのではなく、人間を狩りに来たのだ。ともあれ、河を数マイルさかのぼると、ジャングルが河岸からせまってきて、水の上に黒々とおおいかぶさってきた。
    (ドキッとさせられる書き出しですが、内容ばかりでなく、この語調にどことなく心地よさを感じないでしょうか?)(2005/08/15)
  • 誘拐部隊

    【著者】ドナルド・ハミルトン

    スパイ戦のリアリティを何に感じるかは人それぞれなのですが、頭脳戦というより腹の探り合いとして繰り広げられる駆け引きが特徴のこのシリーズは、フォーサイスやル・カレを凌ぐ生々しい魅力を有していると思います。
    描かれる世界はタフにして非情、任務は時として感動的なまでにダーティーで、スパイ小説界のハメットともいうべきこの作家の文章表現は、一旦その味わいに目覚めると一生まとわりついてくるほど一字一句が素晴らしい。
    【追記】スピルバーグ製作により”Death Of An Ordinary Citizen”というタイトルで2010年に映画化されるという話もあります。(2005/08/07)
  • 悪党パーカーシリーズ

    【著者】リチャード・スターク

    たかだか二百数十ページの物語でさらりと読み流せてしまえるものの、それでも読み終える都度、ひと仕事終えたような、でっかい事をやりとげたような、とてもいい気分にさせてくれるのです。この達成感は本当に貴重です。(2005/01/30)
  • 「悪党パーカー」シリーズ

    【著者】リチャード・スターク

    ハードボイルドを非情の文芸作品として味わう向きには、D・ハミルトンのマット・ヘルム・シリーズと、R・スタークの悪党パーカーはハメットに次ぐ位置に並べるべき大傑作だと思っています。
    20年近く前、小鷹信光さんが「マルタの鷹」を訳出したことによっていろんなものがつながり、この3人の作家は私にとって神様になりました。
    そして、読めないバイブルがあるというのはとてもつらいものなのです。(2004/10/02)

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