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平安貴族の夢分析

倉本一宏

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平安貴族の夢分析
著者 倉本一宏
出版社 KADOKAWA
判型 文庫
頁数 416 頁
ジャンル 専門書
ISBNコード 9784044008475

商品内容

平安時代の貴族は夢を神や仏のお告げと信じ、加持祈祷や陰陽道にすがったとされてきた。目に見えない「物」を怖れ、迷信や禁忌に囲まれていたと考えられていたのである。
しかし、古記録からは、自らの利益実現のために夢を巧妙に利用した強かな姿が浮かび上がってくる。行成の『権記』では昇進要求に。道長の『御堂関白記』では政務や儀式をサボる口実として。
彼らは夢をどのように捉えていたのか。知られざる精神性に迫る。

▼目次
夢とは何か -はじめに
一 平安朝文学に見える夢

--1 和歌文学と夢
--2 歌物語と夢
--3 作り物語と夢
 --『源氏物語』の夢
--4 「歴史物語」と夢
 --『栄花物語』の夢
 --『大鏡』の夢
--5 日記文学と夢
 --『蜻蛉日記』の夢
 --『更級日記』の夢
--6 説話文学と夢
 --『日本霊異記』の夢
 --『今昔物語集』の夢
二 平安貴族の古記録と夢
--1 古記録の夢
--2 藤原忠平と『貞信公記』
--3 藤原師輔と『九暦』
--4 重明親王と『吏部王記』
三 摂関期貴族の古記録と夢
--1 藤原行成と『権記』
 --(1)政務と人事
 --(2)宗教的な夢
 --(3)天皇と王権
 --(4)家族や個人
 --(5)他の古記録に見える行成の夢
 --(6)能吏の夢
--2 藤原道長と『御堂関白記』
 --(1)口実としての夢
 --(2)その他の夢
 --(3)他の古記録に見える道長の夢
 --(4)サボりの口実の夢
--3 藤原実資と『小右記』
 --(1)宗教的な夢
 --(2)人事の夢
 --(3)政務と儀式
 --(4)天皇と王権
 --(5)家族と個人
 --(6)秘事伝承の夢
四 後期摂関期貴族の古記録と夢
--1 源経頼と『左経記』
 --(1)関寺の仏牛をめぐって
 --(2)その他の夢
 --(3)実務官人の夢
--2 藤原資房と『春記』
 --(1)王権の夢
 --(2)人事の夢
 --(3)宗教的な夢
 --(4)天皇側近の夢
平安貴族は何を夢みたのか -おわりに

▼著者プロフィール
倉本一宏(くらもと かずひろ)
1958年、三重県津市生まれ。東京大学文学部国史学専修課程卒業、同大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学。博士(文学、東京大学)。国際日本文化研究センター名誉教授。専門は日本古代政治史、古記録学。主著に『平安朝 皇位継承の闇』(角川ソフィア文庫)、『皇子たちの悲劇』(角川選書)、『一条天皇』(吉川弘文館)、『蘇我氏』『藤原氏』『公家源氏』(中公新書)、『藤原道長「御堂関白記」全現代語訳』(講談社学術文庫)、『藤原道長の日常生活』(講談社現代新書)などがある。

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復刊投稿時のコメント

全1件

  • 平安貴族の夢を扱った研究であり、他に類似の研究として吉川弘文館では酒井紀美氏の『夢語り・夢解きの中世』が 読みなおす日本史において再出版されており、勉誠出版からも同じ著者による『夢の日本史』が出版されている。
     しかし、酒井氏は中世史がご専門であり、平安時代を専門とする倉本氏の本書はその中世の夢に対する認識を深めるうえで必須の文献となるはずである。
     大河ドラマで平安時代が注目を集めつつある中で、平安時代の藤原道長に興味が集まり、ドラマの中でも夢というものに注目が集まるはずであり、今後研究を志していく人だけでなく、ドラマを見て興味を持った人に詠んでほしい一冊である。 (2023/01/23)
    GOOD!1

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