メイドになる少女のためのハンドブック(19世紀メイドマニュアル) 英国メイドの暮らし VOL.3
久我真樹
著者 | 久我真樹 |
---|---|
出版社 | SPQR |
判型 | A5 |
頁数 | 184 頁 |
ジャンル | エンタメ |
商品内容
この同人誌は「技術マニュアル」として、19世紀に刊行された3冊の英国メイドに関するマニュアル・ガイド本を翻訳・掲載しています。「メイドになる少女のため」に書かれた本が2冊、雇用主となる人たち向けに弁護士が書いた、雇用関係に関わる法律の助言をする本が1冊です。この3冊を端的に言えば、次のような紹介となります。
「メイドマナー指導本」
「メイドの業務マニュアル本」
「女主人向け法律ガイド」
▼内容
第1章:翻訳『使用人の振る舞いの書 小さな家政の女性使用人のためのマナーと服装のヒント集』
翻訳一冊目のこの本は、主に「立ち居振る舞い」のガイド本です。女主人が自身のマネジメント経験や出会ってきたメイドの失敗事例などを軸に、どのように主人たちと接するべきか、その適切な距離感をアドバイスする内容です。
本書は6章構成で、「声と話し方」「敬称」「立ち居振る舞い」「テーブルでの給仕」「様々な指示」「服装」を解説します。学生に向けた校則のように思える内容も多くあります。家事使用人となる少女たちが働く職場は、それまでと異なる礼儀作法や様式が支配する世界であり、そのルールを、具体例を交えながら丁寧に教えてくれる一冊です。
「使用人はこれをしてはならない」という当時の規則リストも後世に伝わっていますが、本書は、なぜそうなのか、そういう振る舞いが何を招くなどの解説もあり、よりわかりやすくなっています。
第2章:『家事の手引き または若い少女が使用人になるためのガイド』
翻訳二冊目のこの本は、家事で実際に必要となる掃除方法や食器類の扱い方、料理方法など、具体的な手順やレシピなどが記されています。上述の本が「どのように振る舞うか」という「主人との関係性」にフォーカスするのに対して、こちらは「家事をどう行うのか」という「業務マニュアル」になっています。
内容を分類すると、「家事使用人の義務」「掃除全般」「給仕」「料理」「ナースメイド(育児)」「看護」「良いマナー」「服装」、それに四人のメイドの実録エピソードが載っています。
この本の読者が働くと想定される職場は、「同僚がほとんどいない」という、水準としては最低限ですが、雇用主の規模としては最大の職場環境です。こうした家庭では女主人から直接家事の指示をされる可能性が高いものの、女主人が適切な水準の訓練を行えるかは微妙でもありました。中流階級の女主人は家事をするべきではないとの規範があり、適切な訓練を受けていないからです。勤務経験がない少女がそうした環境でも働けるよう、いつでも仕事の知識を得られる業務マニュアルとして本書は書かれています。
本書固有の点で言えば、キリスト教的価値観を反映する「聖書の教え」をあちこちに盛り込み、「(従順な)良き使用人」であることを求める点です。実録エピソードも真面目に働けば報われ、不真面目な行動をすれば悪い結果になるという道徳的訓話もあり、精神修養・道徳の書という側面があります。
第3章:『家事使用人、その主人および女主人の権利、義務および関係』
最後の翻訳本は主に「雇用主」に向けて書かれた、メイド雇用に関する法律ガイド本で、弁護士が著者です。家事使用人は奴隷ではなく、転職も自由に行える労働者で、本書は労働者として保護されるべき事項が解説されています。
内容は、採用から始まり、賃金の発生、紹介状、使用人の犯罪、雇用主や使用人が果たすべき義務などが挙げられます。
「メイドマナー指導本」
「メイドの業務マニュアル本」
「女主人向け法律ガイド」
▼内容
第1章:翻訳『使用人の振る舞いの書 小さな家政の女性使用人のためのマナーと服装のヒント集』
翻訳一冊目のこの本は、主に「立ち居振る舞い」のガイド本です。女主人が自身のマネジメント経験や出会ってきたメイドの失敗事例などを軸に、どのように主人たちと接するべきか、その適切な距離感をアドバイスする内容です。
本書は6章構成で、「声と話し方」「敬称」「立ち居振る舞い」「テーブルでの給仕」「様々な指示」「服装」を解説します。学生に向けた校則のように思える内容も多くあります。家事使用人となる少女たちが働く職場は、それまでと異なる礼儀作法や様式が支配する世界であり、そのルールを、具体例を交えながら丁寧に教えてくれる一冊です。
「使用人はこれをしてはならない」という当時の規則リストも後世に伝わっていますが、本書は、なぜそうなのか、そういう振る舞いが何を招くなどの解説もあり、よりわかりやすくなっています。
第2章:『家事の手引き または若い少女が使用人になるためのガイド』
翻訳二冊目のこの本は、家事で実際に必要となる掃除方法や食器類の扱い方、料理方法など、具体的な手順やレシピなどが記されています。上述の本が「どのように振る舞うか」という「主人との関係性」にフォーカスするのに対して、こちらは「家事をどう行うのか」という「業務マニュアル」になっています。
内容を分類すると、「家事使用人の義務」「掃除全般」「給仕」「料理」「ナースメイド(育児)」「看護」「良いマナー」「服装」、それに四人のメイドの実録エピソードが載っています。
この本の読者が働くと想定される職場は、「同僚がほとんどいない」という、水準としては最低限ですが、雇用主の規模としては最大の職場環境です。こうした家庭では女主人から直接家事の指示をされる可能性が高いものの、女主人が適切な水準の訓練を行えるかは微妙でもありました。中流階級の女主人は家事をするべきではないとの規範があり、適切な訓練を受けていないからです。勤務経験がない少女がそうした環境でも働けるよう、いつでも仕事の知識を得られる業務マニュアルとして本書は書かれています。
本書固有の点で言えば、キリスト教的価値観を反映する「聖書の教え」をあちこちに盛り込み、「(従順な)良き使用人」であることを求める点です。実録エピソードも真面目に働けば報われ、不真面目な行動をすれば悪い結果になるという道徳的訓話もあり、精神修養・道徳の書という側面があります。
第3章:『家事使用人、その主人および女主人の権利、義務および関係』
最後の翻訳本は主に「雇用主」に向けて書かれた、メイド雇用に関する法律ガイド本で、弁護士が著者です。家事使用人は奴隷ではなく、転職も自由に行える労働者で、本書は労働者として保護されるべき事項が解説されています。
内容は、採用から始まり、賃金の発生、紹介状、使用人の犯罪、雇用主や使用人が果たすべき義務などが挙げられます。
読後レビュー
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