大絶画さんのページ
レビュー
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不動明王(岩波現代文庫 学術285)
不動明王とは何者か
不動明王とは何者か。著者はインド文化に即しながら論じています。
その過程で日本文化に根付いた不動信仰、真言密教の豊穣さが余す所なく理解できるはずです。(2024/02/28) -
弥勒信仰 もう一つの浄土信仰
弥勒の浄土から弥陀の浄土へ
日本で「浄土」といえば阿弥陀如来の西方浄土を思い浮かべる方がほとんどだろう。しかしかつては弥勒菩薩の上生・下生思想(釈迦入滅後、56億7千万年後に弥勒が下天する)から生まれた弥勒の浄土信仰が存在した。
本書ではインドで発生し中国・朝鮮から日本に弥勒信仰が伝わったか、いかなる変遷を経て、法然・親鸞の阿弥陀信仰に取って代わられたかが手堅くまとめられている。
現代の信仰についてはまとめられていないが、その点は著者も述べるように宮田登著『ミロク信仰の研究』などでカバーできる。
厭離穢土(現世否定)とは異なる現世肯定を説いた弥勒信仰の魅力を堪能してほしい。(2024/02/26) -
道徳的人間と非道徳的社会
良心と権力
昨年(2023年)は10年に一度あるいは100年の一度の不祥事が次々と明らかになりました。
このような企業の不祥事が起こる度、成員の知識や権限が問題にされます。いわく「マニュアルが徹底されていなかった」「監査部門の機能していなかった」などです。そして「コンプライアンス教育を徹底する」「監査部門を強化する」など対策が行われます。しかしそのようなことで防止はできるのか。
そしてニーバーは個人は自分と同じように相手を理解できないし配慮もできない。また組織の強制力(権力)は個人の良心を容易く凌駕する。さらに指導者の良心が成員に暴力的に働くことがあると明らかにします。
ニーバーの分析に容赦はありません。しかし改善する努力そのものは評価しています。
ニーバーが1960年の序文でいうように本作には古くなった部分が多々あります。しかしその分析は古びておらず、もしかしたら個人と社会の相剋はいっそう強くなっているかもしれません。いま一度ニーバーの言葉に耳を傾けましょう。(2024/02/25) -
暮らしのなかの仏教語小辞典
日本語に溶け込む仏教語
同著者『仏教語入門』の新装版です。
覚悟や我慢など有名ですが、旗や瓦も仏教語由来で驚きます。
一単語が1ぺーじにまとめられておりますのでペラペラとめくっているだけで楽しめます。
日本語に根付く仏教の精神を学びましょう。(2024/02/11) -
コーラン 全三冊 (中)
コーランを読むなら
イスラームの影響は日に日に強くなっていますから「コーランを読みたい」と考える方は多いでしょうね。
アラビア語との対訳も出ていますが、日本語で読みたければ岩波文庫の井筒訳をおすすめします。とくに井筒氏は『「コーラン」を読む』という最良の副読本を著わしていますから日本人にもイスラーム文化を理解できるはずです。(2024/01/21)
復刊リクエスト投票
フロイトと人間の魂(叢書・ウニベルシタス)
【著者】ブルーノ・ベテルハイム 著 藤瀬恭子 訳
フロイトの受容を通して人間理解を深めたいです。(2024/03/26)
中国古典文学大系43 儒林外史
【著者】呉敬梓 作 稲田孝 訳
できれば平凡社ライブラリーに収録してほしいです。(2024/03/22)
憲法の本質・労働者綱領
【著者】F.ラサール 著 森田勉 訳
なお『労働者綱領』の補巻『間接税と労働者階級』も登録されておりますので、合せて投票をお願いします。(2024/02/24)
間接税と労働者階級
【著者】ラサール(Lassale)/著 大内力/訳
『労働者綱領』を補完する本書の復刊を望みます。(2024/02/24)
ジュネーブ教会信仰問答 -翻訳・解題・釈義・関連資料-
【著者】J.カルヴァン 著 渡辺信夫 編訳
渡辺氏は主著『キリスト教綱要』も担当されているので内容は申し分ないと思います。(2024/02/23)
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