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著者 | 海軍兵学校教育参考館編(宇佐美定行著) |
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出版社 | 合名会社双文館 |
ジャンル | 専門書 |
登録日 | 2007/03/25 |
リクエストNo. | 38175 |
リクエスト内容
武經要略/全(越後流武經要略・本文並訳註)昭和13年初版 武経要略は越後流兵法書の代表的著作であるが、偽書とも言われている。天下泰平の江戸時代、軍学の主流は、武田信玄の甲州流であり、主著の「甲陽軍鑑」は岩波文庫等で、容易に入手可能であるが、その有名な甲州流の向こうを張った、越後流なる流派も江戸期には存在した。甲州流は、戦国時代に、本当の実戦を繰り返した中で編み出された兵学であり実学であるが、越後流は、家伝に於いては「宇佐美定行」なる架空の人物を、さも上杉謙信の軍師であったかの様に称して、その定行が編み出した兵法なりと喧伝し、大名家に売り込み隆盛を誇った。似非軍学等と批判される由縁であるが、定行が書いたとされる兵法書は、当然戦乱の世ではなく江戸期に書かれたものであった。そも江戸期の武士は、島原以降、幕末迄、合戦が無く、一度も刀で人を切ったり、槍で刺したりしたことの無いのが当たり前であり、侍と云うより役人であった。その様な中、こちらも泰平の世の中、実戦経験の全く無い軍学者が、勿体を付けて、あたかも「合戦の心構えとはこうなり」と講釈を垂れ、それに平伏するのであるから、実に虚構に満ちた興味深い世界である。当書も、所詮贋物なので、読んでも得るものは少ない(格式ばった儀式用の「マクガフィン」なので内容は無くても別段構わないのかも)が、その様な書を宝典としたのであるから、江戸の武士の心理を知る為にも是非とも復刻して欲しい。尚、日本の軍学・兵法は、幕末海防期、これといって何の役にも立たず、幕末から明治期に入り、西洋流の軍事技術に取って代わられてしまったのも自明の理かも知れない。ところが、昭和に入り、何故かハッタリともいえる「越後流兵法」のインチキ精神論を帝国海軍が参考にしたと云うのも実に不思議である。(軍事史料多数登録中:優生学、骨相学、ルイセンコ説、捏造された前期旧石器考古学etc多数登録中) ※ 古書店での入手難易度 ★★★★★
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読後レビュー
NEWS
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2007/03/25
『武経要略』(海軍兵学校教育参考館編(宇佐美定行著))の復刊リクエスト受付を開始しました。
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伊部星鈴