「サイレンサー・シリーズ」の第1作目だから、やはり復刊して欲しい。巻き込まれ型で、派手な舞台設定はないが、それだけに目の詰んだ、シャープな文章がじっくりと読ませる。主人公マシュー(マット)・ヘルムのものの考え方もきっちりと書き込まれ、多くのスーパーマン型スパイが本当に女々しく感じられる。一般市民として暮らしていた主人公が殺人事件、戦友スパイの訪問と日常から切り離され、陰謀の匂いの中、追いつめられていく。その中で揺るがず自己を見失わなず、アウトローの自覚とともに敵に向かっていく男っぽさは、最近の小説に見られない歯ごたえあり。原題"DEATH OF A CITIZEN"。非情、アンモラル、アンチ・ヒーロー型スパイとよく書かれるが、論理を重視し、道徳を盲信せず、自らが信じるに足るとしたモラルは、そこらのヒーロー型スパイより確固としている、知的でアウトドア派の現代的なヒーロー。復刊の価値は十分にあると考える。シリーズものは全作の登場人物の名前が次作以降に出てくるのも楽しみだから、できれば本作からシリーズの復刊を希望。(2005/08/19)
復刊リクエスト投票
殺しの標的
【著者】ドナルド・ハミルトン
蹂躙部隊
【著者】ドナルド・ハミルトン
忍者部隊
【著者】ドナルド・ハミルトン
誘拐部隊
【著者】ドナルド・ハミルトン
待伏部隊(マット・ヘルム・シリーズ第6作)
【著者】ドナルド・ハミルトン
エンターテーメントとしての質の高さ。シリーズ全て復刊が無理なら、せめてこの第6作だけでも復刊して欲しい。大人のためのスパイ小説。
キリッと締まった文章で、適度な厚さながら中味の濃さ、もたれない読後感、こんな小説がほかにあるだろうか?(2005/08/13)
悪党パーカーシリーズ
【著者】リチャード・スターク
海外SF傑作選
【著者】福島正実
「大当たりの年」や「豚の交配と飼育について」、何に入っていたのか忘れたけど「壁の中」が好きですね。短編なのにまるで長編を1冊読んだ気にさせられて、ロマンティックでかつウイットに富んでいる。こういうのがなかなか、見つからないんですよね。書かれた時代背景も関係あるのかも知れませんね。復刊を希望します。(2003/09/29)
「悪党パーカー」シリーズ
【著者】リチャード・スターク
さもなくば喪服を
【著者】D.ラピエール、L.コリンズ