読後レビュー
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生命の肯定
仏教とくに本経を含む般若経典には虚無主義・厭世主義という印象を持たれる方が多いと思います。しかし否定の否定(二重否定)が強い肯定を表わすように『理趣経』は密教の精神である生命の肯定を表わしています。
さて『理趣経』には「セックスを肯定したお経である」という印象を持つ方がいます。それは経文の表面をただ眺めるからで本質は世俗の欲望を超えた大楽の道を示しています。
本書では『理趣経』の歴史的な背景そして深層を解説し、ありのままの生命を肯定する密教の精神が説かれています。
現代では個人の欲望が肯定されます。しかし多くの人は我欲に振り回されることに疲れているはずです。いま一度『理趣経』に説かれている大楽(欲望を超えた欲望)を見直す時なのかもしれません。 (2025/02/28)
復刊投稿時のコメント
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密教を学ぶのに必ず通らねばならない道のひとつが理趣経です。それを文庫で読めるなんて、金銭に余裕がなく、大学も卒業して図書館に行かれず、専門書を手にしづらくなった身としてはとても有難いアイテムです。GOOD!1
そうでなくても空海らを入り口に密教の人気は高く、しかし多くの人はごく簡単で安価な入門書で全てを済ませ「あー密教ってこういうのなんだ、ふーん」と思ってしまうことが多いと思います。
簡単な入門書か、大きくまとまった全書の類の両極端しか選択肢がない、というのは仏教を学ぶにあたり、あまり好ましい状況ではないと思います。
そういった中で、比較的安価でもあり、専門的な典籍の解釈などを得られる本はとても重宝するものです。
専門外の方に向けた本とは、えてしてその内容から本来の意味は抜け落ちてしまいがちです。そういった心配のない、著名な先生の本で、それがしかも文庫という値段も可搬性も申し分ない形で手に入れば、特に仏教を学ぶ学生たちにはとても有難がられると思います。 (2011/04/03) -
理趣経の中で説かれている煩悩即菩提という概念は、煩悩に塗れた現代社会に必要だと思う。その概念のさわりだけでも知りたい。 (2011/01/30)GOOD!0
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私の実家の宗派が真言宗のため、真言密教について学ぼうと思い、この著者の本が良いと聞いて本屋に走ったのですが、時すでに遅く、この本は書店から姿を消しておりました。GOOD!1
般若理趣経は他の出版社からも出ており、他の物は既に読んだのですが、やはり評判の良いこの著者の理趣経の本を一度読んでみたいと思いますので、復刊してくださると一ブッディストとして大変ありがたいです。 (2010/09/15)
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