著者 | ジョン・ロールズ |
---|---|
出版社 | みすず書房 |
判型 | A5 |
頁数 | 256 頁 |
ジャンル | 専門書 |
商品内容
「自由の要請はいっそう根本的なものである。それはわたしたちの理性が自然の秩序から独立であることを、またしたがって純粋理性の自発性を、前提することだからである。そのようなものとして、自由の要請は、自己の行為にたいして責任能力と弁明能力があると見なされるわたしたちの存在の基盤なのである。」(「カント VIII」より)
ロールズ教授によるハーバード大学名講義の下巻は、カント講義の後半から、終章のヘーゲル講義にいたる。真なる前提と正しい推論によって妥当するカントの道徳的構成主義。わたしたちの思考と判断の最高権威である道徳法則。そして、絶対的に自発的である純粋実践理性による自由の理念。こうしてカントの道徳的構想は、自由で平等な人格としての全員による貴族制を望見する。いっぽうヘーゲルにとって、諸個人は独力では自由でありえない。家族、市民社会、国家という合理的な社会的諸制度が、公民の自由を可能にし、そして実現する。ここから道徳哲学をめぐるロールズの議論は、ヘーゲルにおける人倫とリベラリズム、理性の狡知と精神へ移行していく。
『実践理性批判』や『宗教論』、『法哲学綱要』をおもなテキストに、自由な個人から社会契約へ、そして国家論へと展開していく、ロールズ版哲学史のクライマックス。
ロールズ教授によるハーバード大学名講義の下巻は、カント講義の後半から、終章のヘーゲル講義にいたる。真なる前提と正しい推論によって妥当するカントの道徳的構成主義。わたしたちの思考と判断の最高権威である道徳法則。そして、絶対的に自発的である純粋実践理性による自由の理念。こうしてカントの道徳的構想は、自由で平等な人格としての全員による貴族制を望見する。いっぽうヘーゲルにとって、諸個人は独力では自由でありえない。家族、市民社会、国家という合理的な社会的諸制度が、公民の自由を可能にし、そして実現する。ここから道徳哲学をめぐるロールズの議論は、ヘーゲルにおける人倫とリベラリズム、理性の狡知と精神へ移行していく。
『実践理性批判』や『宗教論』、『法哲学綱要』をおもなテキストに、自由な個人から社会契約へ、そして国家論へと展開していく、ロールズ版哲学史のクライマックス。
読後レビュー
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