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著者 | 宇野弘蔵 |
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出版社 | 講談社(講談社学術文庫) |
ジャンル | 専門書 |
ISBNコード | 9784061581463 |
登録日 | 2008/03/31 |
リクエストNo. | 41650 |
リクエスト内容
【内容】
日本のマルクス経済学研究の最高峰に位置する著者の業績は、
宇野経済学の名の下に、科学とイデオロギーの峻別、
原理論・段階論・現状分析の三段階論の方法、
『資本論』の独自な解釈、などの特色をもつ体系として結実した。
このマルクス経済学の泰斗が、『資本論』の構成と内容を論じた本書は、
単なる解説的入門書ではなく、創造的研究に基づいてその解明を試みたものであり、
『資本論』を深く学ぼうとする人にとって不可欠の名著である。
【目次】
Ⅰ 『資本論』の出るまで
Ⅱ 『資本論』第一巻の解説
一 商品・貨幣の形態規定
二 貨幣の資本への転化
三 資本の生産過程
四 労働力の価値(または価格)の労働賃金への転化
五 資本の蓄積過程
Ⅲ 『資本論』の構成
一 第一巻の構成
二 第二巻の対象と構成
三 第三巻の対象と構成
【著者】
1897年岡山県倉敷生まれ。
東京帝国大学経済学部卒業。
東北大学助教授、東京大学、
法政大学各教授を歴任。
1977年没。
主著に『資本論の研究』『経済原論』『恐慌論』
『経済政策論』『経済学方法論』『資本論五十年』等。
ほかに『宇野弘蔵著作集』(全10巻、別巻1)。
投票コメント
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読後レビュー
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資本論を科学書として読む
宇野弘蔵は冒頭、『資本論』を何の疑問の余地なく理解することはできなかった、疑問を解明したい、と本書の目的を述べている。また、資本論を「科学書」として読むことの重要性も指摘している。しかし、『資本論』などを聖典として政敵攻撃の手段と化したスターリンの呪縛から宇野自身が完全に逃れているとは言えず、科学書に対する時に必要な批判的視点を十分にとれているとは言えない。
宇野は本書の大半を第1巻の解説に当てている。『資本論』全体の理解のためには第1巻なかでも第一編が「きわめて重要な基礎的部分」であるという指摘は慧眼であるが、宇野の抱く疑問が実はマルクス自身の不適切な表現、論理的矛盾、誤りから生じているのではないかという視点をついに持つことができなかった。このため宇野の解説は、『資本論』そのものと比べても神学的難解さに満ちている。
一例を挙げよう。マルクスは、価値と使用価値を非対称的な用語として使用している。価値は商品の持つ属性だが、使用価値は有用性という属性を持つという視点から見た商品そのものだ。この点を常に意識して読まないがゆえに「使用価値と価値の二面性」とか「商品は交換価値として互いに交換せられてはじめて価値として実現せられる」などという、価値、使用価値、交換価値をめぐる大混乱が放置されてしまうのだ。 (2016/07/08)
NEWS
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2008/03/31
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nick22