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著者 | 本田正次、飛田廣 |
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出版社 | 恒星社厚生閣 |
ジャンル | 専門書 |
登録日 | 2004/05/12 |
リクエストNo. | 24083 |
リクエスト内容
ニッコウキスゲの大群落で有名な霧ヶ峰の生態美観について、地元諏訪中
学飛田廣と東京大学本田正次(専門植物分類学)が学術的な考察に基づき、
一般に分かり安く解説した霧ヶ峰の歴史に残る名著。
霧ヶ峰が天然記念物に指定された経緯、高層湿原、霧ヶ峰植物の生態美観
に加え、霧ヶ峰の展望、貴重種のリストからなる。
特に、霧ヶ峰植物の生態美観については、著者等の熱心な観察に基づき、
季節、生育場所、植物毎に生態などを分かりやすく客観的かつ感動的に既述
されてている。解説されている植物はニッコウキスゲ、レンゲツツジ、マツ
ムシソウなど代表的な植物に限らず、霧ヶ峰に訪れた人の目にとまりやすい
植物、注目すべき植物について100種以上にわたる。
冬の霧ヶ峰など現在比較的目に触れることが少ない生態美観についても解
説しており、霧ヶ峰の魅力を再発見できる名著であるとともに、学術書とし
ても当時の最高水準の学識に基づく物であり非常に貴重な資料でもある。唯
一の欠点は旧字体であることと写真が多くないことであるが、内容の面白さ
からほとんど気にならなず読み進むことができる。
(昭和16年出版)
投票コメント
全2件
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一応、1票入れておきますが。GOOD!1
確か、信濃毎日新聞社から「美ヶ原・霧ケ峰の植物」として、諏訪で教員をされていた今井先生が書かれた写真図鑑が出ていたはずです。本書を昔、研究室で見たことがありますが、非常に面白い本でしたが、植物分類学上の記載がいささか古かったように記憶しております。長野の植生について詳しく知りたい方は、長野県植物研究会の「長野県植物誌」(信濃毎日新聞社)をご覧下さい。 (2005/08/16) -
著者の一人である飛田廣氏は非常に熱心な教師で昭和初期に1年に何度も霧ヶ峰に登り調査をつづけた。氏が作成した植物分類目録はのちの1981年に発表された目録の基礎ともなっている。GOOD!1
この著書の行間にそういった飛田廣氏の霧ヶ峰への深い思い委入れが感じられ、霧ヶ峰の持つ魅力を再認識させてくれる。また、著者は霧ヶ峰の植物の生態に加え、その美観のとらえ方までを提示してくれているので、霧ヶ峰もその当時とは違った姿となっているものの読んだあとには全く違った視点で霧ヶ峰を見ることができる。霧ヶ峰は美しさを文学の立場から表現した島木赤彦、尾崎喜八に比較するなら、この著書は学術的な立場から表現した物である。しかしながら、その客観的説明力はほとんど残っていない当時の写真より、その情景を彷彿とさせる点では他に勝る良さを感じる。私は戦後までの霧ヶ峰を知らないが、その当時を知る人にとっては懐かしさを感じるものだろう。
もし復刊されれば、年間300万人訪れる来訪者にとっても、地元市民にとっても大きな喜びとなると思われる。 (2004/05/12)
読後レビュー
NEWS
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2004/05/12
『霧ヶ峯の植物』(本田正次、飛田廣)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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