50 票
著者 | E.H.カー |
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出版社 | 岩波文庫 |
ジャンル | 専門書 |
ISBNコード | 9784003402214 |
登録日 | 2003/10/16 |
リクエストNo. | 20160 |
リクエスト内容
国際政治学が独立した学問として形成されたのは20世紀初頭のことである*1。そしてその20世紀初頭最大の巨人がこのカーである。歴史学者としての豊富な知識に加え、哲学的なバックグラウンドも加わり、戦間期の国際政治情勢を深くえぐっている。そしてこの20年こそが将来の平和建設を担当する人たちによって勉強されねばならない時期であると指摘した彼の洞察は卓見というほかない。また、国際政治理論的には彼はいわゆる"First Debate"に決着をつけたといえよう*2。しかし扉に書かれたF・ベーコンの引用からも明らかな通り、彼の関心は努めて経験論的である。(一部省略)第3部で検討される政治における道義と権力との二項対立も、結局はこれまで述べられた理想主義と現実主義との対立を別の言葉で表現したものである。
彼はその経験論的な立場ゆえにリアリストと目されるかもしれないが、このように現実主義、理想主義のどちらもが等しく必要だと主張している。そのどちらが欠けても国際社会の秩序は保たれないのである。
因みに、利益は調和するのか衝突するのか、という論点は、80年代にネオリベラリスト対ネオリアリストの論争("Neo-Neo Debate")として、形を変えて論じられることとなる。(http://plaza15.mbn.or.jp/~Haigyou/mainbody/books.htmlからの引用)
投票コメント
全50件
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BRICSの台頭により、国際政治のバランスが変化し、日本を含む欧米経済先進国の利益調和が国際社会のコンセンサスを得られなくなった現状において、本書で展開される「危機」の発生要因について振り返ることが大切だと思われる。 (2010/08/13)GOOD!1
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国際政治学の古典です。この本は、今でも勿論、様々な論文で引用されている賞味期限の切れていない良書です。今でも需要が多いのは古本で定価以上の値段がついていることからも分かるでしょう。このまま絶版になるのは、非常に残念です!!!!! (2006/06/17)GOOD!1
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モーゲンソーの『国際政治』と並ぶ、国際政治学の古典的名著です。それを文庫という手ごろな価格で買える本書は貴重です。GOOD!1
ただ、以前出ていたのは誤訳が非常に多いので、そのままの復刊ではなく、政治経済分野の翻訳で高い評価を受けている山岡洋一氏による新訳での復刊を希望します。 (2006/01/04) -
まさに国際政治の古典。この本が復刊しないと、これから国際政治を学ぶ学生の教養レベルが著しく低下してしまいます。カーの著書は、絶対に読まなければならない古典であるのに、最近絶版が多くなっています。GOOD!1
ぜひとも、新しい訳者による新訳のうえで、再び書店に並ぶのをおおいに期待しています。 (2004/06/05) -
国際政治の古典的名著として定評のある本書です。私も学生時代に読み、「理想」と「現実」の微妙なバランスで成り立つ国際社会の姿に強い印象を受けました。GOOD!1
但し、この邦訳版にはいくつかの誤訳があるとの指摘もあるので、出来ればそうした問題を克服した上での復刊を求めたいと思います。 (2003/12/16)
読後レビュー
タイトル | 価格 | サイト |
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危機の二十年 理想と現実 | 1,210円 | アマゾン |
NEWS
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2011/12/02
『危機の二十年 理想と現実』復刊決定! -
2003/10/16
『危機の二十年 1919-1939』(E.H.カー)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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