陸軍大将 乃木希典伝
長南政義
著者 | 長南政義 |
---|---|
出版社 | 作品社 |
判型 | 四六判・上製 |
頁数 | 368 頁 |
ジャンル | 専門書 |
ISBNコード | 9784861829482 |
商品内容
旅順要塞、二〇三高地、奉天会戦……
ウクライナ戦争から118年前、ロシア軍と果敢に戦い勝利した“軍神”がいた。日記や手紙など、膨大な量の新たな史資料をもとに、名将と愚将の間で評価の分かれる“軍神”の通説を覆し、その実像を浮かび上がらせる。日露戦争陸戦史・軍人乃木研究の第一人者による、数多あるの乃木希典伝のなかでも群を抜く、没後110年を記念した決定版評伝。
軍人としての評価が、名将から愚将、そして再び名将へと、乃木ほど大きな振幅を見せた軍人は日本近代軍事史上、稀である。今日では名将としての評価が揺るがないようであるが、乃木はほかの陸軍軍人と比べ、どのような点で卓越していたのだろうか? また、乃木は軍歴の大半を部隊指揮官として終始し、軍司令官・師団長・旅団長・聯隊長の各レヴェルで実戦を経験した軍人である。では、どのレヴェルでも、また平時・戦時の双方で成功を収めたのだろうか? 本書は、野戦軍司令官、教育者、忠臣、台湾総督など複数の顔を持つ乃木の生涯を、膨大な量の新史料を駆使して、通説を修正しつつ、これまで軽視されがちであった政治史的側面にも注意しながら、戦史・軍事学的視点を中心に、描き切る。
乃木希典(のぎ まれすけ)
陸軍大将。嘉永2年(1849)11月11日、長府藩士乃木希次の三男として江戸藩邸に生まれる。吉田松陰の師で松下村塾創始者・玉木文之進に学んだ後、第二次幕長戦争では報国隊に属し北九州を転戦。維新後、フランス式軍事教育を受け、明治4年(1871)、陸軍少佐となる。西南戦争に歩兵第十四聯隊長として従軍し薩軍に軍旗を奪われる。日清戦争では歩兵第一旅団長として蓋平の戦いで清国軍を撃破。第三代台湾総督、初代第十一弾長を経た後、日露戦争に第三軍司令官として出征、旅順を苦戦のすえに攻略、奉天会戦ではロシア軍の退路に迫り、日本の戦勝に寄与。明治40年(1907)には学習院長を兼任、伯爵を授けられる。大正元年(1912)9月13日、明治天皇の大喪義当日、妻静子と自刃した。
▼著者プロフィール
長南政義(ちょうなん まさよし)
戦史学者。國學院大學法学研究科博士課程後期単位取得退学。国会図書館調査及び立法考査局、靖国神社遊就館楷行文庫室などを経て現職。明治期陸軍史や日露戦争の第一人者として知られ、防衛省防衛研究所研究会講師(2017年)、防衛大学校部外講師(2018年)と日露戦争をテーマとした講演を行う。著書に、学会誌などの書評で「画期的労作」(日本歴史学会編『日本歴史』)、「軍人乃木を批判するには本書以上の研究所を書かねばならない」(帝京大学教授・筒井清忠『明治史抗議【人物篇】筑摩書房』)と評された『新史料による日露戦争陸戦史』(並木書房、2015年)、『日露戦争第三軍関係史料集 大庭二郎日記・井上幾太郎日記でみる旅順・奉天戦』(国書刊行会、2014年)、「優れた児玉研究」(防衛大学校名誉教授・戸部良一、軍事史学会編『軍事史学』)と評された『児玉源太郎』(作品社、2019年)などがある。
ウクライナ戦争から118年前、ロシア軍と果敢に戦い勝利した“軍神”がいた。日記や手紙など、膨大な量の新たな史資料をもとに、名将と愚将の間で評価の分かれる“軍神”の通説を覆し、その実像を浮かび上がらせる。日露戦争陸戦史・軍人乃木研究の第一人者による、数多あるの乃木希典伝のなかでも群を抜く、没後110年を記念した決定版評伝。
軍人としての評価が、名将から愚将、そして再び名将へと、乃木ほど大きな振幅を見せた軍人は日本近代軍事史上、稀である。今日では名将としての評価が揺るがないようであるが、乃木はほかの陸軍軍人と比べ、どのような点で卓越していたのだろうか? また、乃木は軍歴の大半を部隊指揮官として終始し、軍司令官・師団長・旅団長・聯隊長の各レヴェルで実戦を経験した軍人である。では、どのレヴェルでも、また平時・戦時の双方で成功を収めたのだろうか? 本書は、野戦軍司令官、教育者、忠臣、台湾総督など複数の顔を持つ乃木の生涯を、膨大な量の新史料を駆使して、通説を修正しつつ、これまで軽視されがちであった政治史的側面にも注意しながら、戦史・軍事学的視点を中心に、描き切る。
乃木希典(のぎ まれすけ)
陸軍大将。嘉永2年(1849)11月11日、長府藩士乃木希次の三男として江戸藩邸に生まれる。吉田松陰の師で松下村塾創始者・玉木文之進に学んだ後、第二次幕長戦争では報国隊に属し北九州を転戦。維新後、フランス式軍事教育を受け、明治4年(1871)、陸軍少佐となる。西南戦争に歩兵第十四聯隊長として従軍し薩軍に軍旗を奪われる。日清戦争では歩兵第一旅団長として蓋平の戦いで清国軍を撃破。第三代台湾総督、初代第十一弾長を経た後、日露戦争に第三軍司令官として出征、旅順を苦戦のすえに攻略、奉天会戦ではロシア軍の退路に迫り、日本の戦勝に寄与。明治40年(1907)には学習院長を兼任、伯爵を授けられる。大正元年(1912)9月13日、明治天皇の大喪義当日、妻静子と自刃した。
▼著者プロフィール
長南政義(ちょうなん まさよし)
戦史学者。國學院大學法学研究科博士課程後期単位取得退学。国会図書館調査及び立法考査局、靖国神社遊就館楷行文庫室などを経て現職。明治期陸軍史や日露戦争の第一人者として知られ、防衛省防衛研究所研究会講師(2017年)、防衛大学校部外講師(2018年)と日露戦争をテーマとした講演を行う。著書に、学会誌などの書評で「画期的労作」(日本歴史学会編『日本歴史』)、「軍人乃木を批判するには本書以上の研究所を書かねばならない」(帝京大学教授・筒井清忠『明治史抗議【人物篇】筑摩書房』)と評された『新史料による日露戦争陸戦史』(並木書房、2015年)、『日露戦争第三軍関係史料集 大庭二郎日記・井上幾太郎日記でみる旅順・奉天戦』(国書刊行会、2014年)、「優れた児玉研究」(防衛大学校名誉教授・戸部良一、軍事史学会編『軍事史学』)と評された『児玉源太郎』(作品社、2019年)などがある。
読後レビュー
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