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ヨーロッパ・静止した時間 Where Time Has Stopped

奈良原一高

16,500円(税込)

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ヨーロッパ・静止した時間
著者 奈良原一高
出版社 復刊ドットコム
判型 A4・上製
頁数 204 頁
ジャンル 専門書
ISBNコード 9784835458786

商品内容

戦後日本を代表する写真家・奈良原一高。
その最高傑作と名高い伝説の写真集「ヨーロッパ・静止した時間」。
55年の時を超え、このたび新装版の刊行が決定!


巨匠・奈良原一高の最初の写真集となる『ヨーロッパ・静止した時間』は、いまから55年前の1967年5月に鹿島研究所出版会より刊行されました。
デザインは杉浦康平。協力には勝井三雄の名もクレジットされています。

1962年に初めて渡欧した奈良原が、約3年間におよぶ欧州滞在中に撮影した写真には、ハイコントラスト、魚眼レンズ、コラージュ、長時間露光、特殊加工など、当時は正統なものと認められていなかった様々な技法が駆使されています。

奈良原を一躍時の人とした1956年5月銀座・松島ギャラリーでの初個展『人間の土地』では、長崎半島沖に浮かぶ人口の島・端島(通称:軍艦島)と、灰で埋もれた鹿児島・桜島にある黒神村を舞台に、互いに拮抗しあった「人間」と「土地」を、続く1958年9月の銀座・富士フォトサロンでの『王国』展では、北海道のトラピスト男子修道院を取材した「沈黙の園」と、和歌山の婦人刑務所を舞台とした「壁の中」という、それぞれ外部と隔絶された2つの空間を写し、自らも「パーソナル・ドキュメント」と呼んだ手法により誕生したこれらの作品は、斬新かつユニークなドキュメンタリー写真の傑作として高い評価を得ました。

これら初期の代表作により着実に写真家としての評価を得た奈良原が、【初めての写真集】として発表したのが本作の元にもなった『ヨーロッパ・静止した時間』です。
モノクロームとカラー、総135点によって編まれたこの写真集は、いわゆる欧州紀行といった類とは一線を画し、奈良原独自の視点で、目の前のヨーロッパを現実の存在としてだけでなく、日本人の心象風景と捉え撮影しています。
当時の本のあとがきには、以下のような文章が著されています。



人間はまぎれもなく死ぬことによって人生を完成させるのだ。
死こそ人生の重要な一部分としての役割を果たすのだと…… その時ぼくは死をひとつの存在として信ずることができた。
たち現われては消えてゆく彼らの歩みは、沈黙の中に現実的な時間を失っているようだった。
まるで一枚一枚の写真が近づいて来るみたいに、彼等はあまりにも遠い時間の吹き抜ける瞬間に落ちこんでしまっているようだった。
僕はこのようなよみがえるべき大きな時間の一点を、〈静止した時間〉と呼んだ。

著者あとがきより


時代の趨勢、撮影技法など、発表当時には賛否両論を呼んだと言われるこの写真集によって、芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞、日本写真批評家協会作家賞、と名だたる賞を受賞。名実ともに奈良原一高の代表作になったと言えます。
しかしその後は、今日まで絶版の状態が続き、展覧会等で収録作品の一部を鑑賞することはできても、特殊とも言える造本もあるためか【本】の形として今日まで再販されることはありませんでした。
古書市場でも常に十数万円の売値が付き、それでも入手ができれば幸運という状態が長らく続いたため、その希少性も相まって伝説的な写真集となっていきます。

今回、奈良原一高氏の著作権管理を行う奈良原一高アーカイブズ協力のもと、当時のページネーションを生かした新たなページ構成、また写真集としての開きやすさ、手に取りやすさにこだわった造本による新装版としてまとめ直すのが、このたびの『ヨーロッパ・静止した時間 Where Time Has Stopped』になります。

特に、作品の流れとして大切な位置づけとなっている横位置で構成されたダイナミックな写真群を、観音開きという特殊製本により俯瞰して見ることのできるようレイアウト(下記参照/計6ヵ所) 。


芸術的とも呼ばれるその写真表現、構成力を存分に味わえるように工夫しました。
巻末には、東京国立近代美術館 美術課 主任研究員を務める・増田玲氏による作品解説も収録。ブックデザインは、『王国 Domains』に続きグラフィックデザイナー・佐野裕哉氏が務めます。

55年という年月を経て新たな形でよみがえる奈良原一高・伝説の写真集にして最高傑作を、ぜひお手にとって存分にご堪能ください。

※本書は初版限定での刊行形態になり、現段階では再販の予定はありません。



【奈良原一高アーカイブズより】


大変お待たせいたしました。
今日現在まで奈良原一高アーカイブズへ再販等 沢山のご要望をお問い合わせ頂きました。
復刊ドットコム様により熟慮に熟慮の上 新たに<ヨーロッパ・静止した時間>の発行に至りました。
晩年 奈良原一高は写真集を出版するに当たり作家として作品を読者の方々にご覧頂く為に見開きページはなるべくのりしろを作らぬ様に構成致しました。
この度の<新・ヨーロッパ・静止した時間>ではその意向を汲み編集致しました。
55年間の時空を超え改めてお手元にお届け出来ることに喜びを禁じ得ません。
近代のテクノロジーを駆使したより美しい映像をご覧頂ければ幸いです。

奈良原一高アーカイブズ 代表 新美虎夫


★本書の特長
1.世界的な写真家・奈良原一高の最高傑作と名高い「ヨーロッパ・静止した時間」を新たにまとめた豪華作品集が待望の新装刊!
2.観音開きによるページを6ヵ所配置。圧倒的なその写真構成力を存分に味わえる工夫に!
3.作品解説は東京国立近代美術館 主任研究員の増田玲氏が執筆。
4.復刊ドットコムで予約した方を対象に、先着で特製オリジナルポストカード(絵柄未定)をプレゼント。

▼著者プロフィール
奈良原一高(IKKO NARAHARA)
1931年福岡生まれ。
1959年早稲田大学大学院(芸術学専攻)修士課程修了。
在学中の1956年に、初めての個展「人間の土地」が大きな反響を呼び、写真家としての活動を始める。
1959年、東松照明、細江英公、川田喜久治らとセルフ・エイジェンシィ「VIVO」を結成(1961解散)。その後、パリ(1962-1964)、ニューヨーク(1970-1974)と拠点を移しながら活動。1974年帰国後も世界各地を取材し、多数の展覧会を開催。写真集も数多く出版し、国際的にも高い評価を受ける。2020年1月19日、逝去。
主な個展に、「Ikko Narahara」ヨーロッパ写真美術館、パリ(2002-2003)、「時空の鏡:シンクロニシティー」東京都写真美術館(2004)、「手のなかの空 -奈良原一高1954-2004」島根県立美術館(2010)、「王国」東京国立近代美術館(2014-2015)など多数。
写真集に、『静止した時間』(1967)、『スペイン・偉大なる午後』(1969)、『ジャパネスク』(1970)、『消滅した時間』(1975)、『人間の土地』(1987)、『ヴェネツィアの夜』(1985)、『時空の鏡』(2004)、『太陽の肖像』(2016)など。主な受賞に、日本写真批評家協会新人賞(1958)、芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞(1968)、日本写真協会年度賞(1986)、紫綬褒章(1996)、旭日小綬章受賞(2006)など。

NARAHARA IKKO ARCHIVES
協力:奈良原一高アーカイブズ

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復刊投稿時のコメント

全9件

  • 写真の素晴らしさがここまで出ている本は珍しい。絶版後に随分探し回りましたが、古書も極めて少ないうえに、えらく値段が高くて手が出ませんでした。そんな経験を続けてもう半世紀以上たちますが、できればぜひ復刊してもらいたい。ぼくの中ではこの写真集は奈良原一高の最高傑作だと思いますので。 (2022/08/08)
    GOOD!1
  • 「消滅した時間」は新たに刊行されましたので、こちらもぜひ。 (2009/12/22)
    GOOD!1
  • 古書で手にはいるようですが、プレミア価格になっていてとても購入できる価格ではありません。
    是非復刊を希望します。 (2007/11/30)
    GOOD!1
  • 一人でも多くの若い方にぜひ観ていただきたいです。 (2007/06/13)
    GOOD!1
  • 奈良原一高のこの作品で、ちょっと変わった写真少年になりました。
    最近まで、近くの図書館にあって、ときどき見に行くのを楽しみにしていたのですが、ボロボロになってしまったせいか、処分されてしまったようです。
    今や写真少年ならぬ写真中高年となりましたが、この本への思いは変わりません。 (2006/08/19)
    GOOD!2

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