「新青年」版 黒死館殺人事件
小栗虫太郎 著 / 松野一夫 挿絵
7,480円(税込)
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- 黒死館殺人事件
著者 | 小栗虫太郎 著 / 松野一夫 挿絵 |
---|---|
出版社 | 作品社 |
判型 | A5・上製 |
頁数 | 488 頁 |
ジャンル | 文芸書 |
ISBNコード | 9784861826467 |
商品内容
日本探偵小説史上に燦然と輝く大作の「新青年」連載版を初めて単行本化!
「新青年の顔」として知られた松野一夫による初出時の挿絵もすべて収録!
2,000項目におよぶ語註により、衒学趣味(ペダントリー)に彩られた全貌を精緻に読み解く!
世田谷文学館所蔵の虫太郎自身の手稿と雑誌掲載時の異同も綿密に調査!
ミステリマニア驚愕の一冊!
▼『黒死館殺人事件』とは
小栗虫太郎の小説『黒死館殺人事件』は、雑誌「新青年」1934年4月号~12月号に連載され、翌年5月に単行本が刊行された。「著者之序」によれば、本作の主題はゲーテの『ファウスト』であり、また、着想の起点として「モッツアルトの埋葬」が挙げられているが、全体は、作中にも言及されているS・S・ヴァン=ダインの『グリーン家殺人事件』の影響が瞭然である。基本的な筋は、名探偵・法水麟太郎が、黒死館で起こる奇怪な連続殺人事件に挑む、というもの。
黒死館に住まうのは、天正遣欧少年使節千々石ミゲルと、カテリナ・ディ・メディチの隠し子といわれる妖妃ビアンカ・カペルロとが密通して生まれた私生児を祖とする神聖家族・降矢木一族である。黒死館の名は、かつて黒死病の死者を詰め込んだ城館に似ている嘲られたのが由来。館の建設者・降矢木算哲は昨年自殺し、遺児の降矢木旗太郎が後を継いでいる。算哲は欧州で医学と魔術を極めて帰国したが、何が目的か、西洋人の幼児4人を日本に連れてきて何十年も館内に閉じ込め、門外不出の弦楽四重奏団として育て上げていたが、算哲が死んだのち、もともと漂っていた「悪疫のような空気」がいよいよ高まり、ついにファウストの呪文が示されるごとに奇怪な殺人劇が繰り広げられる事態となった。
自動人形、『ウイチグス呪法典』、カバラの暗号、アインシュタインとド・ジッターの無限宇宙論争、図書室を埋め尽くす奇書、倍音を鳴らす鐘鳴器など次々と意外な道具立てが登場し、神秘的、抽象的な超論理の推理と捜査、犯人と探偵法水との戦いが展開される。
▼目次
序章 降矢木一族釈義
第一篇 屍体と二つの扉を繞って
第二篇 ファウストの呪文
第三篇 黒死館精神病理学
第四篇 詩と甲冑と幻影造型
第五篇 第三の惨劇
第六篇 法水は遂に逸せり
第七篇 法水は遂に逸せり!?
第八篇 降矢木家の壊崩
資料1 「猟奇耽異博物館」の驚くべき魅力について 江戸川乱歩
資料2 昂奮を覚える 甲賀三郎
校異 山口雄也
解題 山口雄也
解説 黒死館愛憎 新保博久
▼著者プロフィール
1901年東京生まれ。本名・小栗栄次郎。1927年、「或る検事の遺書」を、「探偵趣味」10月号に発表(織田清七名義)。1933年、「完全犯罪」を「新青年」7月号に発表。「新青年」10月号に掲載された「後光殺人事件」に法水麟太郎が初めて登場する。1934年、『黒死館殺人事件』を「新青年」4~12月号に連載。他の著書に、『オフエリヤ殺し』『白蟻』『二十世紀鉄仮面』『地中海』『爆撃鑑査写真七号』『紅殻駱駝の秘密』『有尾人』『成層圏の遺書』『女人果』『海螺斎沿海州先占記』などがある。1946年没。
「新青年の顔」として知られた松野一夫による初出時の挿絵もすべて収録!
2,000項目におよぶ語註により、衒学趣味(ペダントリー)に彩られた全貌を精緻に読み解く!
世田谷文学館所蔵の虫太郎自身の手稿と雑誌掲載時の異同も綿密に調査!
ミステリマニア驚愕の一冊!
▼『黒死館殺人事件』とは
小栗虫太郎の小説『黒死館殺人事件』は、雑誌「新青年」1934年4月号~12月号に連載され、翌年5月に単行本が刊行された。「著者之序」によれば、本作の主題はゲーテの『ファウスト』であり、また、着想の起点として「モッツアルトの埋葬」が挙げられているが、全体は、作中にも言及されているS・S・ヴァン=ダインの『グリーン家殺人事件』の影響が瞭然である。基本的な筋は、名探偵・法水麟太郎が、黒死館で起こる奇怪な連続殺人事件に挑む、というもの。
黒死館に住まうのは、天正遣欧少年使節千々石ミゲルと、カテリナ・ディ・メディチの隠し子といわれる妖妃ビアンカ・カペルロとが密通して生まれた私生児を祖とする神聖家族・降矢木一族である。黒死館の名は、かつて黒死病の死者を詰め込んだ城館に似ている嘲られたのが由来。館の建設者・降矢木算哲は昨年自殺し、遺児の降矢木旗太郎が後を継いでいる。算哲は欧州で医学と魔術を極めて帰国したが、何が目的か、西洋人の幼児4人を日本に連れてきて何十年も館内に閉じ込め、門外不出の弦楽四重奏団として育て上げていたが、算哲が死んだのち、もともと漂っていた「悪疫のような空気」がいよいよ高まり、ついにファウストの呪文が示されるごとに奇怪な殺人劇が繰り広げられる事態となった。
自動人形、『ウイチグス呪法典』、カバラの暗号、アインシュタインとド・ジッターの無限宇宙論争、図書室を埋め尽くす奇書、倍音を鳴らす鐘鳴器など次々と意外な道具立てが登場し、神秘的、抽象的な超論理の推理と捜査、犯人と探偵法水との戦いが展開される。
▼目次
序章 降矢木一族釈義
第一篇 屍体と二つの扉を繞って
第二篇 ファウストの呪文
第三篇 黒死館精神病理学
第四篇 詩と甲冑と幻影造型
第五篇 第三の惨劇
第六篇 法水は遂に逸せり
第七篇 法水は遂に逸せり!?
第八篇 降矢木家の壊崩
資料1 「猟奇耽異博物館」の驚くべき魅力について 江戸川乱歩
資料2 昂奮を覚える 甲賀三郎
校異 山口雄也
解題 山口雄也
解説 黒死館愛憎 新保博久
▼著者プロフィール
1901年東京生まれ。本名・小栗栄次郎。1927年、「或る検事の遺書」を、「探偵趣味」10月号に発表(織田清七名義)。1933年、「完全犯罪」を「新青年」7月号に発表。「新青年」10月号に掲載された「後光殺人事件」に法水麟太郎が初めて登場する。1934年、『黒死館殺人事件』を「新青年」4~12月号に連載。他の著書に、『オフエリヤ殺し』『白蟻』『二十世紀鉄仮面』『地中海』『爆撃鑑査写真七号』『紅殻駱駝の秘密』『有尾人』『成層圏の遺書』『女人果』『海螺斎沿海州先占記』などがある。1946年没。
読後レビュー
全2件
復刊投稿時のコメント
全10件
-
黒死館殺人事件は衒学小説の金字塔であり、三大奇書の中でも最も読みにくいとされる作品であるため敬遠されがちだ。しかし、ドグラ・マグラの多重な解釈の余地、虚無への供物のアンチミステリ、それらとは異なり、深遠な知識を予感させる、まるで学術書のような本作は、読者を作品に没入させ、まるで獲物を捉えた獣のようにそこで息づき、そして他の奇書を上回る快楽を与える。GOOD!2
そのような書籍を今は電子書籍で手軽に読めるようになり、幾分か距離は縮まったものの、(私は電子書籍で本作に初めて触れた)その分紙書籍を手に持ち、その感触や香りに触れながら本を読むという事ができなくなり、あの頃の密接な、作品と私達の世界がまさに紙一重となっている錯覚は全く覚えなくなってしまった。
是非本作を復刊していただき、紙書籍で作品に触れる悦楽を体験したいと思う。 (2015/08/18) -
小栗虫太郎は私の人生観を変えた偉大なる作家GOOD!0
後世に残して欲しい (2013/04/05) -
ぜひ読みたい (2012/09/09)GOOD!0
-
復刊希望 (2008/02/18)GOOD!0
-
もうこの際、出版社はどこでもいいので、何とかして欲しいです。GOOD!0
読みたくて探しているんでいるんですがなかなか見つからない。 (2008/02/07)
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