無名の葉山嘉樹（1894‐1945）を一躍文壇の新進作家たらしめたのは，大正12年，獄中で書かれた「淫売婦」である．彼は初期プロレタリア文学の平板なリアリズムを破った風変りな作風をもって，その特異な地位...

手を下さなければ殺人ではない。私は何もしていないのだ。一瞬の悪意から、「殺人」 を引き起こした少女たち。「危険区域」 ほか、全4編を収録する、幻の短編集が初文庫化。

伊勢物語ほか，平安朝文学に材をとった作品を集めた．哀しいまでの美しさを後代に曳く遙か王朝の女性たち．その情感の糸にふれ，人間の魂の奥底を恐ろしいほどに照らし出した詩人犀星ならではの小説世界．「姫たちばな...

両親を失った後も、愛猫と幼馴染に護られ逞しく生きる星玲子。初恋の思い出と祖父の遺産を巡る策謀が少女を翻弄する。少女たちの運命を描いた〈孤児〉四部作の掉尾を飾る、感動の終幕。

少女たちの心を撃ちぬいた幻の名作が、待望の復刊!! 進学校の女子高で、自らを「僕」と称する文芸部員たち。17歳の魂のゆらぎを鮮烈に活写し、センター試験出題時に話題騒然となった「僕はかぐや姫」。無機質な...

夜が明けても叔母は帰らなかった。愛する従兄は何を知っているのか？　夏の終わり、少女時代の終わり。気怠い空気の向こうに、次第に浮かび上がる真実を描く青春恋愛ミステリ。