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復刊リクエスト投票

  • カフカ全集 全12巻

    【著者】カフカ

    リアリズムでもファンタジーでもマジック・リアリズムでもない、現実のなかに夢を導入したカフカの特異な作風は、ひとたび読んだら忘れられない強烈な印象をもたらす。新潮社が1980年に刊行した決定版カフカ全集全12巻は、長短編の小説に加え、ノートや日記、さらに膨大な手紙を余すところなく収録している。各巻を収める函のデザイン(カフカの肖像とプラハの街並みの多重露光)や本体のライトグレーのクロス装が素敵だし、川村二郎、圓子修平、前田敬作、中野孝次、吉田仙太郎、城山良彦など翻訳陣も申し分がない。カフカは好きになると一生の友になるので、全集を手に入れた人が手放さず、古書店で目にすることは滅多にない。ブロート版の底本で問題はないので、復刊により多くの日本人に読まれてほしいと思う。(2020/04/07)
  • モンテ=クリスト伯

    【著者】アレクサンドル・デュマ

    この長大な傑作大衆小説は、コンパクトな文庫本でどこにでも持ち歩いて読み進めるのが望ましい。最近、大矢タカヤスの新訳が1巻本で出版されたが、あまりに分厚くて書斎で読むほかはない。それではこの本の魅力が損なわれるおそれがある。集英社文庫での復刊を希望する理由である。(2018/02/15)
  • 収容所群島

    【著者】ソルジェニーツィン

    ソビエト共産主義体制が崩壊してすでに四半世紀が過ぎた。単なる体制告発の書にとどまるのであれば、この時の流れのなかで本書はすでに忘れ去られていたはずである。しかし、いまだ復刊要望の声が衰えようとはしていない。文学作品が時代の荒波に揉まれつつも古典としてその命脈を保ち続けているのは、いつの時代においても変わることのない人間の真実を捉えているという証左である。自らに振りかかった苦難をユーモアで笑い飛ばすこの作家の強靭な精神のありようをこそ見るべきであろう。『収容所群島』はアレクサンドル・ソルジェニーツィンがロシアの再生を、そして人間の再生を願ってやまなかった希望の書である。日本語版の再生を願わずにはいられない。(2016/03/15)
  • 重力の虹

    【著者】ピンチョン

    現在新潮社から別訳が出版されており、取りあえず日本の読者がピンチョンのこの代表作を読むことができないという不幸な事態は回避されている。しかし、新潮社版の訳者はかなりくせが強く、その日本語が合わないという読者も少なくない。その点、国書刊行会版の邦訳はオーソドックスで読みやすい。わたしはいつも手許に置いて、好きな時に読みたい箇所を読み返している。世界に冠たるアメリカを強烈に風刺してやまない反米アナーキスト作家によるめくるめく知の冒険に驚倒するばかりである。(2015/10/15)
  • ドストエフスキイ前期短篇集、後期短篇集

    【著者】ドストエフスキー

    最近、講談社文芸文庫から「鰐」や「やさしい女」が刊行されたが、それでもこの2冊の短篇集の貴重さは失われていない。特に、後期短篇集は貴重であり、『作家の日記』のあちこちに隠れ潜んでいる短篇をかき集めたもので、1冊でまとめて読めるのはこの本だけである。なかでも「宣告」という作品が気に入っている。長篇とは異なる味をこれらの短篇で大いに愉しむことができる。(2010/08/27)

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