この本では物理数学の微分方程式に対する古典的限定問題を扱う。しかし従来の叙述方法ではなく、超関数解という概念を幅広く用いる。（諸言より）
目次；
第一章　物理数学における限定問題の設定
点集合、関数および作用素に関する基本概念と諸定理
物理数学における基本的な方程式
二階線形微分方程式の分類
二階微分方程式の基本的限定問題の設定

第二章　超関数
基礎関数と超関数
超関数の微分
超関数の直積とたたみこみ
緩増加超関数
緩増加超関数のフーリエ変換

第三章　コーシー問題
線形微分作用素の基本解
遅延ポテンシャル
波動方程式のコーシー問題
波動の伝搬
熱伝導方程式に対するコーシー問題

第四章　積分方程式
逐次近似法
フレドホルムの定理
エルミート核積分方程式
ヒルベルト・シュミットの定理とそれからの帰結

第五章　楕円型方程式の境界値問題
固有値問題
スツルム・リュービルの問題
調和関数
ニュートン・ポテンシャル
ラプラス方程式、ポアッソン方程式の境界値問題
ディリクレ問題のグリーン関数
球関数
平面におけるラプラス方程式の境界値問題
ヘルムホルツ方程式

第六章　混合問題
フーリエの方法
双曲型方程式の混合問題
放物型方程式の混合問題