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江戸時代はとかく三味線音楽や当道座の箏曲(生田流や山田流が代表格)の存在ばかりにスポットがあたりがちであるが、上流階級が古代中世から大切にしてきた芸能、音楽もさかんに行われた時代であった。唐よりきた七絃の琴(きん)のコトは、奈良平安の貴族、僧、学者達に好まれたが絶えていたものを室町時代以降再び明より移入、僧や知識人達に広く愛された。その流れは昭和初期まで続く(戦後より平成令和の世にも)音楽史だけでなく学問や思想、文人墨客の文化史の貴重な資料として。女性琴人や夫婦の琴人の章からは、江戸時代の女性の知識教養会得の状況をも知れるかと。 (2020/02/28)GOOD!4
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日本でもかつて広まっていた古楽器を詳しく解説した本は貴重です。GOOD!2
源氏物語など有名な古典を読むと必ず「琴に種類が?」と現代の感覚では不思議になるところだと思います。
ぜひ復刊して和の古楽器を知る人が増えて欲しいです。 (2023/03/12) -
「江戸音楽観」は20世紀に作り直されて、俗として聴くに足らぬとされたものの価値がようやく理解されてよかったものの、「楽しき遊郭の江戸」に収まらない部分が無視された反面があります。この本はまさにその忘れがちの反面を丁寧に説明していくものであり、日本音楽史を理解するには必読なのに、(かつ、図書館で必要な情報だけ調べて帰るような内容でもないのに)、どの値段でも手に入らないという状態は嘆かわしいかぎりです。 (2021/05/25)GOOD!2
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最近江戸時代の琴の受容について興味を持ったところで、この本を知りましたが、既に絶版。GOOD!2
日本の音楽史の研究にも必要な文献だと思います。 (2015/04/12) -
“西洋の古楽”には触れる機会も多く、情報も豊富な現代にあって、自分たちの国の、それもほんの数世代前の文化が、殆ど未知の世界と化している現状をもどかしく思います。GOOD!2
「琴」と「箏」の区別さえも、日本では広くは知れ渡っていないようです。
私は専門の者ではありませんし、この書籍を手にとったこともないのですが、近代の“音楽”との 在りようの違いを始め、ぜひ学ばせていただきたく思います。 (2014/06/25)
読後レビュー
NEWS
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2011/05/09
『江戸時代の琴士物語』(岸辺成雄)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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さつき。