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著者 | ヘルムート・プレスナー (松本道介/訳) |
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出版社 | 講談社 |
ジャンル | 専門書 |
ISBNコード | 9784061591752 9784815801687 |
登録日 | 2006/04/29 |
リクエストNo. | 33679 |
リクエスト内容
哲学者と詩人と音楽家の国ドイツが、なぜナチスを生んだのか。
著者はドイツ第三帝国のイデオロギーの根源を1930年代からルターの宗教改革までさかのぼり明らかにしようとする。
信仰の世俗化は、ドイツにおいては哲学や文化のかたちをとり、ロマン主義がドイツ固有のものの一切の実現であり最高の、刻印であると定義。
ナチス的なものへの批判を含みつつドイツ精神の本質に迫る文庫オリジナル。
目次
1 大戦のあとに 西ヨーロッパの政治的ヒューマニズムに対するドイツの抗議
2 ビスマルクの帝国、国家理念なき大国
3 国家でなくして民族。ローマ帝国以来のコンプレックス
4 信仰分裂と福音派国教会のぎくしゃくした関係に発した世俗信仰の起源
5 ドイツ文化の宗教的機能 ルター精神とこの精神が啓蒙主義及びカトリックに示した反抗
6 ドイツ市民階級の非政治的姿勢に対する産業革命の影響
7 伝統の欠如と生の歴史的正当化への要求
8 キリスト教的時間意識の衰弱段階。歴史的世界像の変容と解体
9 カントからマルクスに至るイデオロギー懐疑の進展に見られる神という超世俗的権威の動揺
10 イデオロギー懐疑が一般化して理性という世俗的権威が動揺したこと、ニヒリズムという地盤の上で生きることの難しさ
11 失われた使命を再び探りつつある哲学、生物学が権威を持つ持代
12 意識の決定の場としての哲学のマルクス、キルケゴール、ニーチェによる破壊、そして善悪の此岸への脱出、つまりは政治への屈服
投票コメント
全8件
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ナチズムの系譜学として古典的な名著。GOOD!1
原著の初版が出版されたのは1935年。
もちろん、直ちに禁書に指定されてしまったという。
ナチズムにおける民族(Volk)主義の起源を、ルターの宗教改革における反カトリック・反啓蒙主義に求め、ドイツ民族のアイデンティティがフランスの啓蒙主義的ヒューマニズムに対する反動として構築されてきた過程を明らかにしている。
巻末の訳者による解説も大変力がこもっている。
こうした先駆的著作が文庫で読めるようになった、と思ったら、いつの間にか入手不可能に…
こんな時代だからこそ、復刊を強く希望します。 (2006/04/29) -
関心があります。 (2011/03/06)GOOD!0
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近現代史理解のための必携書。 (2009/03/23)GOOD!0
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ほしい。 (2008/12/24)GOOD!0
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つねに常備すべき古典です。 (2007/12/24)GOOD!0
読後レビュー
NEWS
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2011/03/06
『ドイツロマン主義とナチズム 遅れてきた国民』が10票に到達しました。 -
2006/04/29
『ドイツロマン主義とナチズム 遅れてきた国民』(ヘルムート・プレスナー (松本道介/訳))の復刊リクエスト受付を開始しました。
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