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エゴイスト上下

エゴイスト上下

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著者 ジョージ・メレディス
出版社 岩波書店
ジャンル 文芸書
ISBNコード 9784003223512 9784003223529
登録日 2003/04/30
リクエストNo. 16113
リクエスト内容
「意識は病気である」と『地下生活者の手記』でドストエフスキイは書いた。二十歳前後の何年か、私もこの病に取り憑かれ、An Accumulation of Auto-Accusation(「自責観念の堆積」)などと名づけたノート数冊に、その症状を書き続けたこともある。今でも、時々その後遺症に悩んでいる。
自意識に対する治療法は見付からなかったが、症例だけは本の中に散見された。サリンジャーの「ホールデン・コールフィールド」、原口統三、キェルケゴールの『死に至る病』、ル・カレの「スマイリー」、銭鍾書の「懐」、ソール・ベローの「ハーツォグ」、ハクスリーの『恋愛対位法』、フォースターの「レナード・バスト」。彼らの症状の類似に、同情もし、私は大いに慰められもした。
なかでも、本書『エゴイスト』におけるメレディスのウィロビーに対する解剖は、最も峻烈詳細を極め、彼の文章の一句一句がその患部を暴きたて、三島を真似すれば、一種倒錯した快感に酔い痴れたものだ。
この欄は、内容の紹介だと言うが、内容の紹介など、言うに及ばない。小説の真髄は、内面の表現だ。物や形、表情や発話に一切表現されない、心の働きを語るのが、私にとっての小説だ。
主人公ウィロビーが財産、美貌、健康、頭脳、若さに恵まれた英国貴族というのが気に入らない、その彼が、「競走用快速帆船」と形容される美貌のダラム嬢との婚約を破棄し、彼の崇拝者且つ可憐なリチシアを傍らに、「陶磁器製の優雅ないたずらっ子」クレアラと新たに婚約、などとおよそ現実の我々と程遠い境遇だから、感情移入できない、読み進めないなどと、狭量な了見を言ってはいけない。そういう了見は、幸福は外的条件のみによって成立するという、小説の世界では太古に死語となった前提を真とするということを、あなたは知っているはずだ。
そうは言っても、現実の世界は金と力だなどと、敢えて反論しようとする人は、その外面からは窺えないサー・ウィロビーの内面を、メレディスの肩越しに覗いてみよ。彼の喜劇を、そして我々の、喜劇の自意識を。

投票コメント (全3件)

発端は、河竹・柳田の『坪内逍遥』(昭和十四年・冨山房)だった。その399pに「シェークスピアの諸作が逍遥の初期の史劇に著しく影響しており、メレディスの諸作が夏目漱石の諸作に影響しているということは、敢...

2003/04/30

ぜひ読みたい本です。

2016/05/31

なにか、とんでもなく、限りなく、重そう。 でも、読んでみた い。

2003/04/30

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ニュース

2008/03/13
『エゴイスト 上』販売開始しました!
2003/04/30
『エゴイスト上下』(ジョージ・メレディス)の復刊リクエスト受付を開始しました。

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