| 著者 | ピエール・クロソウスキー |
|---|---|
| 出版社 | 河出書房新社 |
| ジャンル | 文芸書 |
| ISBNコード | 9784309201047 |
| 登録日 | 2003/04/29 |
| リクエストNo. | 16098 |
― ピエールとはお目にかかったことがあります。インタヴューをしました。
バルテュス いつ、どこで?
― 1970年、パリの兄上のアパルトマンです。グラシエール街の庶民的な大きな建物の中にありました。その後、偶然、ローマで、お兄さまの個展のどれかのときにもう一度お目にかかっています。
バルテュス そのインタヴューで、兄はどんな話をしましたか?
― 早口の低い声で、まるでサイレンサーをつけた機関銃のように言葉を吐き出しながら、お話になりました。わたしの顔は一度も見ずに、いまにも頭の上に崩れ落ちてきそうな書物の山の下で空中の一点をじっと見つめ、次から次へとタバコを吸われた。ジャン=ポール・サルトルのように、ジターンかゴロワーズか、左翼プロレタリアートのタバコでした。
バルテュス で、なんの話をしました?
― 『歓待の掟』について長時間話されました。オクターヴはロベルトを他人に提供することによって、ロベルトに春をひさがせているのではなく、ロベルトを女=オブジェから唯一絶対の資産へと変化させることによって、その価値のなかにふたたび取り込むのだ。また、アイデンティティと伝達不可能性についても語られました。『ロベルトは今夜』では、同じ人間が他人の視線によって異なるフォルムと外観をとりえるかを示すことによって、アイデンティティの原則を問いなおしたかったのだとおっしゃっていました。
バルテュス おそらくこの点については、兄は正しかったのでしょう。
― 伝達不可能性については、記号は幻想であり、意味されたものすべては強さを失い、意味されないものだけがその本来の強さを保つ、と。
バルテュス この点についてもまた、おそらく兄は正しいのです。
コンスタンツォ・コンスタンティーニ『バルテュスとの対話』
バルテュス いつ、どこで?
― 1970年、パリの兄上のアパルトマンです。グラシエール街の庶民的な大きな建物の中にありました。その後、偶然、ローマで、お兄さまの個展のどれかのときにもう一度お目にかかっています。
バルテュス そのインタヴューで、兄はどんな話をしましたか?
― 早口の低い声で、まるでサイレンサーをつけた機関銃のように言葉を吐き出しながら、お話になりました。わたしの顔は一度も見ずに、いまにも頭の上に崩れ落ちてきそうな書物の山の下で空中の一点をじっと見つめ、次から次へとタバコを吸われた。ジャン=ポール・サルトルのように、ジターンかゴロワーズか、左翼プロレタリアートのタバコでした。
バルテュス で、なんの話をしました?
― 『歓待の掟』について長時間話されました。オクターヴはロベルトを他人に提供することによって、ロベルトに春をひさがせているのではなく、ロベルトを女=オブジェから唯一絶対の資産へと変化させることによって、その価値のなかにふたたび取り込むのだ。また、アイデンティティと伝達不可能性についても語られました。『ロベルトは今夜』では、同じ人間が他人の視線によって異なるフォルムと外観をとりえるかを示すことによって、アイデンティティの原則を問いなおしたかったのだとおっしゃっていました。
バルテュス おそらくこの点については、兄は正しかったのでしょう。
― 伝達不可能性については、記号は幻想であり、意味されたものすべては強さを失い、意味されないものだけがその本来の強さを保つ、と。
バルテュス この点についてもまた、おそらく兄は正しいのです。
コンスタンツォ・コンスタンティーニ『バルテュスとの対話』
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2003/11/20
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2003/04/29
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2021/09/13
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2008/10/31
2008/10/31
2006/11/01
2006/11/01