江戸の絵本読解マニュアル
叢の会 編
著者 | 叢の会 編 |
---|---|
出版社 | 文学通信 |
判型 | A5 |
ジャンル | 児童書・絵本 |
ISBNコード | 9784867660072 |
商品内容
桃太郎のライバル柿太郎! 漢方薬のラブストーリー!
今の「絵本」の形式をもった、子どもから大人まで楽しんだ草双紙(くさぞうし)が創り出されたのは、十八~十九世紀。京都・大坂の上方を追いかけ、文化を発展させてきた江戸で、絵と文の総合的な表現による大衆読み物が登場しました。
本書は、その草双紙がどのようなものか、どのような作品があるのか、草双紙から何が読み取れるのか、その世界を味わうための、読解マニュアルです。
全体は4部構成。
「I 江戸の絵本=草双紙 -本の形と表現方法を知る」では本の形と、草双紙を読むうえで基本となる表現方法を説明。
「II 絵入り読み物の歴史を知る」では、絵と文の総合的な表現の歴史を解説。草双紙にいたるまで、また草双紙以後の歴史もわかります。
「III 草双紙作品の作り方・読み方」では、キャラクターや生活・文化などなど、様々な切り口で草双紙がどう作られてきたか、どう読めばいいのかをレクチャー。
最後に「IV 草双紙と現在」。ここでは現在のマンガ・アニメとのつながりや、小学校で草双紙を扱った実践例などを紹介します。
本書一冊で、江戸の絵本の楽しみ方がわかります。
執筆は、黒石陽子、石田智也、内ケ﨑有里子、奥田粋ノ介、加藤康子、佐藤智子、杉本紀子、瀬川結美、手塚翔斗、檜山裕子、細谷敦仁、森節男。
▼目次
【口絵】おかしく、ほほえましい場面、大集合!
1 桃太郞にはライバル柿太郎がいた?
2 漢方薬たちのラブストーリー
3 猫の怖いおはなし
本書の読み方-草双紙の世界へようこそ!
草双紙の世界へようこそ!
本書の読み方
--(1)絵を読み解いてみる
--(2)表現の特徴をつかむ-約束事と特異な表現方法
--(3)絵巻物・絵入り冊子本・絵草紙・絵本・マンガ・アニメーションとのつながりを知る
--(4)魅力を発見する-様々なおもしろさ
--(5)いまと異なる価値観を考える
--(6)これから草双紙をどのように読み、活用するか
草双紙の書名の扱い方
I 江戸の絵本=草双紙-本の形と表現方法を知る
【江戸で出版された草双紙とはどのような本だったのでしょうか。草双紙を読む時に知っておきたい用語や表現方法を説明します。】
--1 本の形-版本の形と名称
--(1)表紙、題簽、外題、角書
--(2)丁、版心、匡郭
--(3)初版、再版、改題
--(4)巻、画工・作者、彫師・刷師・版元
--2 登場人物の名前の示し方-袖の文字
--3 キャラクターの描き方-擬人化
--4 時間や場所の示し方-異時同図
--5 流行の取り入れ方-当世化
II 絵入り読み物の歴史を知る
【絵と文の総合的な表現を持つ絵入り読み物の流れを説明します。草双紙にいたるまで、また草双紙以後の歴史もわかります。】
--1 江戸時代以前から江戸時代の前期
--2 江戸時代の中期
--3 江戸時代の後期
--4 明治時代以降
III 草双紙作品の作り方・読み方
【草双紙の作品はどのように作られ、どのように読むことができるでしょうか。絵に注目しながら具体的に説明します。】
--1 キャラクター編
【草双紙作品にはどのようなものが登場するでしょうか。興味深いキャラクターを紹介します】
--1 桃太郎のライバル柿太郎『風流 桃太郎柿太郎 勇力競』
--2 主役は桃太郎?『桃太郎一代記』
--3 変身対決『金平猪熊退治』
--4 鬼には鬼の、暮らしあり『〔つわものてから〕』
--5 江戸時代の人気ヒーロー鎌田又八『鎌田又八化物退治』
--6 小さいからこそ『諸道 まめ介 息才男』
--7 袖の文字から知る秘密『〔源太夫〕』
--8 慳貪爺を描く『花咲爺誉魁』
--9 悪に染まった弟『名将 大江山入』
--10 草双紙に描かれる化物たち『平家化物たいぢ』ほか
--2 生活・文化編
【江戸時代の生活や文化はどのようなものだったのでしょうか。草双紙作品に見られる生活や文化を紹介します。】
--1 雨やあられはどうして降るの?『おにの四季あそび』
--2 江戸の出産『〔鼠よめ入〕』
--3 病鉢巻が示すこと『再板 桃太郎昔語』・『鎌倉金沢 朝比奈切通』ほか
--4 子どもの本音『いろは文字 寺子短歌』
--5 神の力で男が女に『〔男珠取〕』
--6 物好き大臣の驚くべき再現力 『〔しほかま〕』
--7 流行語が大活躍『〔にほいふくろ〕』
--8 ヘンテコ療治『仙伝秘法 趣向気工』
--9 情報ネットワークで金儲け『万民大福帳』
--10 アルファベットも読んでいた?『三国昔噺 和漢蘭雑話』
--11 お出掛け心をくすぐる仕掛け『〔八わたしらす〕』ほか
--12 柳の下には幽霊がいる『雪中濃両敵』ほか
--3 時間と空間の記号編
【草双紙では、時間や空間の移動をどのように表現しているでしょうか。作り手と読者との表現の約束事を説明します】
--1 雲形郭線の効用『清盛一代記』ほか
--2 窓の効用-こっそりと読者に教える方法『和泉式部花鏡』ほか
--4 絵と文のコラボレーション編
【絵と文の総合的な表現は草双紙の特徴の一つです。作り手はどのような工夫をし、読者はどのように読み解いていったのでしょうか。】
--1 まるで動画のような『鎌倉金沢 朝比奈切通』
--2 ページに潜む百人一首『〔猿廻春花壻〕』
--3 源氏物語をリメイク『〔女三宮簾の追風〕』
--4 長編を読み解く『通俗三国志』
--5 一代記を読み解く『義経一代記』
--6 鞍馬山の少年『敵討鞍馬天狗』
--7 草双紙ならではの読み方『鐘銘 道成寺根元記』
--8 殺されたのは『敵討美女窟』
--9 鍵と型で読む『分福 丹頂鶴』
--10 口絵で見せる『忍弾仇汐汲』
--5 芸能とのコラボレーション編
【江戸時代を代表する文化の一つは、人形浄瑠璃や歌舞伎などの芸能です。草双紙の作品中に芸能はどのように反映されているでしょうか。】
--1 赤穂浪士は悪の手先『敵討連理の梅』
--2 役者とキャラを重ねて『菅原伝授手習鑑』
--3 舞台裏を描く 『尾上伊太八局岩藤 帰咲故郷之錦絵』
--6 ヒーローと残酷な表現編
【現代の人々は、ヒーローの描き方や残酷な表現に違和感を抱くかもしれません。現代と異なる価値観を草双紙の中に見てみましょう。】
--1 圧倒的なヒーローをどう読むか 『きんときおさなだち』
--2 残酷な表現をどう読むか 『兎大手柄』
IV 草双紙と現在
【草双紙が持つ要素は今でも生きています。どのように現在とつながっているか、紹介します。】
--1 草双紙から続くもの『風流 魚鳥大合戦』ほか
--2 マンガから見る草双紙『〔つわものてから〕』ほか
--3 子どもたちに草双紙の魅力を伝える
--4 もっと草双紙を楽しむために
--(1)もっと知りたい
--(2)もっと作品にふれたい
--(3)本文(くずし字)を自分で読んでみたい
あとがき
資料
--1 図版の出典情報一覧
--2 主な参考文献一覧
執筆者一覧
今の「絵本」の形式をもった、子どもから大人まで楽しんだ草双紙(くさぞうし)が創り出されたのは、十八~十九世紀。京都・大坂の上方を追いかけ、文化を発展させてきた江戸で、絵と文の総合的な表現による大衆読み物が登場しました。
本書は、その草双紙がどのようなものか、どのような作品があるのか、草双紙から何が読み取れるのか、その世界を味わうための、読解マニュアルです。
全体は4部構成。
「I 江戸の絵本=草双紙 -本の形と表現方法を知る」では本の形と、草双紙を読むうえで基本となる表現方法を説明。
「II 絵入り読み物の歴史を知る」では、絵と文の総合的な表現の歴史を解説。草双紙にいたるまで、また草双紙以後の歴史もわかります。
「III 草双紙作品の作り方・読み方」では、キャラクターや生活・文化などなど、様々な切り口で草双紙がどう作られてきたか、どう読めばいいのかをレクチャー。
最後に「IV 草双紙と現在」。ここでは現在のマンガ・アニメとのつながりや、小学校で草双紙を扱った実践例などを紹介します。
本書一冊で、江戸の絵本の楽しみ方がわかります。
執筆は、黒石陽子、石田智也、内ケ﨑有里子、奥田粋ノ介、加藤康子、佐藤智子、杉本紀子、瀬川結美、手塚翔斗、檜山裕子、細谷敦仁、森節男。
▼目次
【口絵】おかしく、ほほえましい場面、大集合!
1 桃太郞にはライバル柿太郎がいた?
2 漢方薬たちのラブストーリー
3 猫の怖いおはなし
本書の読み方-草双紙の世界へようこそ!
草双紙の世界へようこそ!
本書の読み方
--(1)絵を読み解いてみる
--(2)表現の特徴をつかむ-約束事と特異な表現方法
--(3)絵巻物・絵入り冊子本・絵草紙・絵本・マンガ・アニメーションとのつながりを知る
--(4)魅力を発見する-様々なおもしろさ
--(5)いまと異なる価値観を考える
--(6)これから草双紙をどのように読み、活用するか
草双紙の書名の扱い方
I 江戸の絵本=草双紙-本の形と表現方法を知る
【江戸で出版された草双紙とはどのような本だったのでしょうか。草双紙を読む時に知っておきたい用語や表現方法を説明します。】
--1 本の形-版本の形と名称
--(1)表紙、題簽、外題、角書
--(2)丁、版心、匡郭
--(3)初版、再版、改題
--(4)巻、画工・作者、彫師・刷師・版元
--2 登場人物の名前の示し方-袖の文字
--3 キャラクターの描き方-擬人化
--4 時間や場所の示し方-異時同図
--5 流行の取り入れ方-当世化
II 絵入り読み物の歴史を知る
【絵と文の総合的な表現を持つ絵入り読み物の流れを説明します。草双紙にいたるまで、また草双紙以後の歴史もわかります。】
--1 江戸時代以前から江戸時代の前期
--2 江戸時代の中期
--3 江戸時代の後期
--4 明治時代以降
III 草双紙作品の作り方・読み方
【草双紙の作品はどのように作られ、どのように読むことができるでしょうか。絵に注目しながら具体的に説明します。】
--1 キャラクター編
【草双紙作品にはどのようなものが登場するでしょうか。興味深いキャラクターを紹介します】
--1 桃太郎のライバル柿太郎『風流 桃太郎柿太郎 勇力競』
--2 主役は桃太郎?『桃太郎一代記』
--3 変身対決『金平猪熊退治』
--4 鬼には鬼の、暮らしあり『〔つわものてから〕』
--5 江戸時代の人気ヒーロー鎌田又八『鎌田又八化物退治』
--6 小さいからこそ『諸道 まめ介 息才男』
--7 袖の文字から知る秘密『〔源太夫〕』
--8 慳貪爺を描く『花咲爺誉魁』
--9 悪に染まった弟『名将 大江山入』
--10 草双紙に描かれる化物たち『平家化物たいぢ』ほか
--2 生活・文化編
【江戸時代の生活や文化はどのようなものだったのでしょうか。草双紙作品に見られる生活や文化を紹介します。】
--1 雨やあられはどうして降るの?『おにの四季あそび』
--2 江戸の出産『〔鼠よめ入〕』
--3 病鉢巻が示すこと『再板 桃太郎昔語』・『鎌倉金沢 朝比奈切通』ほか
--4 子どもの本音『いろは文字 寺子短歌』
--5 神の力で男が女に『〔男珠取〕』
--6 物好き大臣の驚くべき再現力 『〔しほかま〕』
--7 流行語が大活躍『〔にほいふくろ〕』
--8 ヘンテコ療治『仙伝秘法 趣向気工』
--9 情報ネットワークで金儲け『万民大福帳』
--10 アルファベットも読んでいた?『三国昔噺 和漢蘭雑話』
--11 お出掛け心をくすぐる仕掛け『〔八わたしらす〕』ほか
--12 柳の下には幽霊がいる『雪中濃両敵』ほか
--3 時間と空間の記号編
【草双紙では、時間や空間の移動をどのように表現しているでしょうか。作り手と読者との表現の約束事を説明します】
--1 雲形郭線の効用『清盛一代記』ほか
--2 窓の効用-こっそりと読者に教える方法『和泉式部花鏡』ほか
--4 絵と文のコラボレーション編
【絵と文の総合的な表現は草双紙の特徴の一つです。作り手はどのような工夫をし、読者はどのように読み解いていったのでしょうか。】
--1 まるで動画のような『鎌倉金沢 朝比奈切通』
--2 ページに潜む百人一首『〔猿廻春花壻〕』
--3 源氏物語をリメイク『〔女三宮簾の追風〕』
--4 長編を読み解く『通俗三国志』
--5 一代記を読み解く『義経一代記』
--6 鞍馬山の少年『敵討鞍馬天狗』
--7 草双紙ならではの読み方『鐘銘 道成寺根元記』
--8 殺されたのは『敵討美女窟』
--9 鍵と型で読む『分福 丹頂鶴』
--10 口絵で見せる『忍弾仇汐汲』
--5 芸能とのコラボレーション編
【江戸時代を代表する文化の一つは、人形浄瑠璃や歌舞伎などの芸能です。草双紙の作品中に芸能はどのように反映されているでしょうか。】
--1 赤穂浪士は悪の手先『敵討連理の梅』
--2 役者とキャラを重ねて『菅原伝授手習鑑』
--3 舞台裏を描く 『尾上伊太八局岩藤 帰咲故郷之錦絵』
--6 ヒーローと残酷な表現編
【現代の人々は、ヒーローの描き方や残酷な表現に違和感を抱くかもしれません。現代と異なる価値観を草双紙の中に見てみましょう。】
--1 圧倒的なヒーローをどう読むか 『きんときおさなだち』
--2 残酷な表現をどう読むか 『兎大手柄』
IV 草双紙と現在
【草双紙が持つ要素は今でも生きています。どのように現在とつながっているか、紹介します。】
--1 草双紙から続くもの『風流 魚鳥大合戦』ほか
--2 マンガから見る草双紙『〔つわものてから〕』ほか
--3 子どもたちに草双紙の魅力を伝える
--4 もっと草双紙を楽しむために
--(1)もっと知りたい
--(2)もっと作品にふれたい
--(3)本文(くずし字)を自分で読んでみたい
あとがき
資料
--1 図版の出典情報一覧
--2 主な参考文献一覧
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