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聖の大地 旅するオットー

前田毅

5,280円(税込)

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著者 前田毅
出版社 国書刊行会
判型 A5
頁数 376 頁
ジャンル 専門書
ISBNコード 9784336059987

商品内容

宗教学の古典として名高い『聖なるもの』の著者ルードルフ・オットー(1869-1937)。宗教理論のもっぱら抽象的な解釈が注目されがちであるが、オットーの関心はむしろ「宗教の生ける現実」にあった!

さあ、異界との出会いに心ときめかせるオットーの瑞々しい「旅便り」に耳を傾け、彼とともに船出し、ロバの背に揺られ、<聖の醗酵大地>をめぐる旅に出よう。
オットーは、ときには一年近くにもおよぶ遠く長い旅を繰り返している。これらの旅は「オットー宗教学」を生み出した<母なる大地>であり、オットー宗教学誕生の秘密がここに隠されている。旅のなかでオットーは、宗教の本質理念として知られた独自な「聖」の観念を生み出し、また比較宗教学の具体的な遂行と、さらには宗教的実践活動の展開を打ち出すことになった。
オットーの旅便りは宗教経験の秘義を照射し、19世紀末から20世紀初頭にかけての、植民地化に直面したアフリカ、中東、アジア世界の宗教状況を活写した貴重なフィールドノートでもある。
本書は、主としてオットーが設立した「マールブルク宗教学資料館」所蔵の非公開・未整理の「オットー・アルヒーフ」を駆使し、彼の旅の記録から「聖」の裸像を読み解く、本国ドイツでも成し遂げられていない貴重な試みである。
神学生から宗教学者になりゆくオットーの軌跡を描き出し、「マールブルク宗教学資料館」へと結実してゆく活動を紐解く「オットー小伝」ともいうべき本書は、学術的著作からだけでは見えない生身のオットーに迫り、オットー研究の未踏の地平を切り拓く。

▼目次
◇第1部 旅するオットー--聖の大地
第1章 「旅するオットー」--オットー宗教学の原風景
1‐1 はじめに--「旅するオットー」への問い
1‐2 オットー解釈の問題
1‐3 「旅するオットー」の概要--代表的な旅・旅の資料(オリジナル)
1‐4 旅への序奏--旅立つ前に
第2章 <最初の本格的な旅>--ギリシア旅行
2‐1 「ギリシア旅行」(一八九一年)--資料解題
2‐2 旅の助走
2‐3 旅の起点コルフ島
2‐4 ペロポネソス半島横断
2‐5 中部ギリシア巡り
第3章 <最初の大旅行>--聖地を巡る
3‐1 ふたたび旅立つ前に
3‐2 <最初の大旅行>「エジプト、エルサレム、アトス山への旅」--資料解題
3‐3 旅立ち
3‐4 カイロ--コプトとの出会い
3‐5 カイロ--イスラームとの出会い
3‐6 死海、ヨルダン騎行
3‐7 聖地エルサレム
3‐8 ガリラヤへ
3‐9 聖山アトス
第4章 <二度目の大旅行>--聖の原郷
4‐1‐1 <最初の大旅行>から帰って--「北のアトス」へ
4‐1‐2 <二度目の大旅行>の前に--ゲッティンゲン時代
4‐2‐1 「テネリフェ島と北アフリカへの旅」(一九一一年)--資料解題
4‐2‐2 テネリフェ島へ
4‐2‐3 洞窟聖母崇拝譚--「カンデラリアの聖母マリア」
4‐2‐4 想像の翼ひろげ--宗教の基層
4‐3‐1 「北アフリカ旅行」--イスラーム文化西端の地へ
4‐3‐2 エッサウィーラのマドラサ--イスラーム教育事情
4‐3‐3 マルクトのデルヴィーシュ--宗教の闇
4‐3‐4 ユダヤ人学校--文化植民政策の影
4‐3‐5 安息日のシナゴーグ--「聖なるかな」
4‐3‐6 聖の原体験--宗教の知覚風景
4‐3‐7 タンジールとアルジェで--イスラームの現実
第5章 <二度目の大旅行>--アジア旅行
5‐1アジア旅行--資料解題
5‐2はじめてのインド
5‐3日本訪問
5‐4中国へ、そして帰国の途に
第6章 <三度目の大旅行>--インド・エジプト旅行
6‐1 <三度目の大旅行>へ--概要
6‐2 インドへの旅立ち--セイロン
6‐3‐1 インド歴訪--マドゥライ、マドラス
6‐3‐2 インド歴訪--マイソール侯国
6‐3‐3 インド歴訪--ボンベイなど
6‐4 中東世界へ--エジプト、パレスチナ、コンスタンチノープル
◇第2部 オットーの遺産--「マールブルク宗教学資料館」博物誌
第7章 宗教学資料館の構想
7‐1 はじめに--「マールブルク宗教学資料館」創立六〇周年記念祭
Die "Marburger Religionskundliche Sammlung"その名称
7‐2 宗教学資料館の構想--「宗教史資料集」Quellen der Religions-Geschichte
7‐3 オットーの変容
7‐4 マールブルクのオットー
第8章 宗教学資料館の設立
8‐1 宗教学資料館の設立運動
8‐2 宗教学資料館の設立
8‐3 宗教学資料館の理念と構成
--R. Otto: “Die Marburger Religionskundliche Sammlung”
第9章 宗教学資料館の展開
9‐1 オットーからフリックへ
9‐2 最初の展示会開催と、通信誌の発行
9‐3 「宗教学資料館」から「マールブルク城計画」へ
9‐4 「マールブルク宗教学研究所」構想
--H. Frick: “Marburg Religionskundliches Institut der Philipps-Universitat”
9‐5 漂う「マールブルク城計画」
--H. Frick: “Interne Denkschrift zum Marburger Schlosplan”
9‐6 宗教学資料館、その後
◇註
◇あとがき
◇補遺 ルードルフ・オットー:文献目録
◇人名索引

▼著者プロフィール
前田毅(まえだ つよし)
1938年、姫路生まれ。
1968年、東北大学大学院文学研究科博士課程満期退学。
東北大学文学部(宗教学研究室)助手を経て、1970年より鹿児島大学講師・助教授・教授。
2003年に定年退官し、現在は鹿児島大学名誉教授。
この間1987-88年、マールブルク大学(宗教学資料館)客員研究員。
共著に岡田重精編『宗教学概説』(杉山書店、1991年)がある。

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