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死者との邂逅 西欧文学は<死>をどうとらえたか

道家英穂

2,640円(税込)

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著者 道家英穂
出版社 作品社
判型 四六判・上製
頁数 320 頁
ジャンル 専門書
ISBNコード 9784861825330

商品内容

古代から現代に至るヨーロッパ文学史上の名作を繙き、そこに現われる彼らの死生観、言及される先行作品などを緻密に読み解く、二十年余の研究の結晶!

本書は、西欧文学史に残る作品に繰り返し描かれてきた、死別の場面や、死者と思いがけず再会する場面に着目し、作品に表された死生観を先行作品との違いや時代思潮との関連において時代順に考察したものである。

古代や中世の文学作品には、主人公が生きたままあの世を訪れて、死別した肉親や恋人と再会するエピソードや、死んだ肉親が亡霊となって主人公の前に姿を現す話があり、そこには悲喜こもごもの感情が表される。近代以降、来世を具体的に描く作品は文学史の表舞台から姿を消すが、現代になっても、故人が夢に出てくる、ふとしたきっかけで故人の生前の思い出がありありとよみがえるなどのかたちで「再会」は描かれ続ける。

そして興味深いのは、各時代の詩人や作家たちがそうした「再会」の場面を描くにあたり、過去の同種の場面を意識し、それを踏まえながら変更を加えていること、それによって過去の時代の死生観を修正し、自らの時代の新しい死生観を呈示していることである。

ウェルギリウスはホメロスを、ダンテはウェルギリウスを意識して死者との邂逅を描いた。二十世紀の小説家ヴァージニア・ウルフは『灯台へ』で、ラムジー氏が夫人と死別する場面を描くとき『アエネーイス』を意識していたものと思われる。同様に、ディケンズは亡霊の登場する『クリスマス・キャロル』において『ハムレット』の亡霊を意識しており、ジョイスは『ユリシーズ』で、主人公ブルームが友人の葬儀に参列するエピソードを述べるにあたって『オデュッセイア』、『アエネーイス』、『ハムレット』を踏まえている。

それゆえ、古代から現代に至る、これらの作品の関連する箇所を比較することによって、それぞれの作品に表されている死生観、ひいてはそれぞれの時代の死生観が浮き彫りにされるのである。(「序」より抜粋)

▼著者紹介
道家英穂(どうけ ひでお)
1958年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。東京大学大学院博士課程単位取得退学。現在、専修大学文学部教授。専門は英文学。共著書に『想像力の変容--イギリス文学の諸相』(高松雄一編)、『逸脱の系譜』(高橋康成編、以上研究社)、『岩波講座文学12--モダンとポストモダン』(小森陽一、富山太佳夫他編、岩波書店)、『ダンテと現代』(米川良夫編著、沖積舎)、『揺るぎなき信念--イギリス・ロマン派論集』(新見肇子、鈴木雅之編著、彩流社)など。共訳書に、ルイ・マクニース『秋の日記』、『ルイ・マクニース詩集』(以上思潮社)。

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