古今東西の思想を渉猟し「意味の深みへ」と向かう碩学の思索は、思想のポストモダン的状況において、知の沃野が東洋哲学の世界を通して拡がることを示している。

『ティマイオス』の宇宙論を継承して、現代のプラトニストとも称される哲学者の主著である。時間的なものと永遠なもの、人間の諸経験と宇宙論的観念とを結びつけようとするこの試みは、＜思想のヴァイタリティは冒険の...

ホワイトヘッドはわれわれの時代の最も偉大な哲学者の一人であり、彼の哲学を体系的に叙述した主著『過程と実在』は最も傑れた哲学書の一冊である。 しかし、この書が1929年に刊行されたとき、それは多くの印刷...

整数論の研究で世界的に知られ、日本の数学発展にはかりしれない貢献をした高木博士。文字どおり著者が「数とは何か」を追求した名著。数学者だけでなく、哲学に関心を持つ読者にも深い感銘を与える。

イェーナ大学講義のうち「精神哲学」講義草稿初の完訳。ヘーゲルが自ら抹消した草稿部分を復元しつつ、ヘーゲルの思索の苦闘のドラマを蘇らせる。

現代の合理的意思決定理論の基礎にある哲学的洞察や論理的工夫とはどんなものだろうか。パスカル以来の歴史的展開と現在の論争点という二つの視点から整理する。 ※本書はオンデマンドによる復刊となります。 ...

＜実体＞から＜関数＞へ。数学・自然科学的思惟構造の形成を概念の発展として把握。『シンボル形式の哲学』へと結実する独自の立場を確立した書。

視覚の覇権がいたるところで崩壊の兆しをみせ始めた今、世界は皮膚感覚へ向かう。１９９３年刊の復刊。

大著『コミュニケーション的行為の理論』によって，哲学と社会科学一般に多大な思想的影響を及ぼしたハーバマス．生活世界の植民地化からの解放を求めて理論構築に苦闘するハーバマスが赴いた次のシーンは，倫理と道徳...

本書は、C・G・ユングが行った一連の深層心理学的錬金術研究のうちの一つを翻訳し解説を付したものである。樹木を描くことで、人はそこに何を表そうとするのか、樹木は心理学的に人間といかなる関係をもつのか。ユン...

フランスの科学者ラプラス（1749−1827）は、17世紀に発する確率論の業績に新しい成果を加えて統合し、「古典的確率論」と呼ばれる体系化された 理論にまとめあげた。富くじに期待できる賞金は？　支払われ...

『列子』八篇は『老子』や『荘子』とともに道家思想をつたえる代表的な中国古典であるが、「杞憂」「朝三暮四」「愚公移山」などよく知られた絶妙な寓言・寓話が多く、滋味ゆたかな説話文学の一大宝庫ともなっている。...

『列子』八篇は『老子』や『荘子』とともに道家思想をつたえる代表的な中国古典であるが、「杞憂」「朝三暮四」「愚公移山」などよく知られた絶妙な寓言・寓話が多く、滋味ゆたかな説話文学の一大宝庫ともなっている。...

イギリスの代表的なプラトン研究者R。S。ブラック（一九一九—六三）が、プラトンの生涯をたどり（第一部）、各著作の中心問題を概説する（第二部）。プラトン研究を志す人びとの手引きとしての水準を維持しながら、...

[訳者] 西丸四方「すばらしい、クレペリンをはるかに凌ぐものだ。」これは本書のゲラ刷りを読んだヤスパースの師ニッスル（ハイデルベルク大学精神科教授）の感嘆の言葉であった。1913年に出版された本書は、ま...

現代は情熱を失った時代であり、人々は分別をふりまわすだけで、決して自ら行動に出ようとはしない。さながら二十世紀の現代を予言したともいえる書。読者は読み進むにつれ、その批判の生々しさに、まるでつい昨日書か...