二百年も昔に自殺して果てた男の墓…。長い病後の日々を送るアーサー・ローフォードは散歩に疲れて、この墓の前の腰掛で眠りに落ちてしまった。彼が目覚めたのは、すでに夜の帳も降りたころ。不思議と精気に満ちた肉体...

殺人者がへまをするのか？ それとも名探偵の推理がすぐれているのか？ おなじみフレンチ警部を主人公にした珠玉短編集。第一部「二重の物語」は、前半で犯人の完全犯罪を描き、後半でフレンチ警部の推理と捜査を描き...

浅倉久志氏推薦--「アンソロジーはSFの華。選りぬきの秀作ぞろいの本書は極めつけの定番」 SF作家／評論家にして卓越したアンソロジスト、ジュディス・メリル。彼女の名を不動のものとした年次SF傑作選...

浅倉久志氏推薦--「アンソロジーはSFの華。選りぬきの秀作ぞろいの本書は極めつけの定番」 SF作家／評論家であると同時に、卓抜なアンソロジストとして知られるジュディス・メリル。本書は、彼女の名を不...

SFの本道ともいえる宇宙SFの秀作を、有名だが入手困難な作品を中心に集成。60年代に活躍した、いまやクラシック作家とされる人々の名作を中心にした。 本邦初訳が2編（セイバーヘーゲン、マッスン）、既訳再...

犬、猫、駱駝（らくだ）、象、鼬（いたち）…。彼らが人を殺してしまったのには、やはりそこにいたるまでの事情というものがあったのです。 最新式の養鶏場を舞台に悲劇と狂気が描かれる「総決算の日」、滑稽にして...

パラダイン男爵家を脅かす怪現象の数々--- ポルターガイスト、うろつく尼僧の亡霊、外から鍵をかけた部屋で夜ごとひとりでに曲を奏でるハープ。さらに悪いことに、客人が幽霊に襲われた！ 騒動を鎮めるため駆けつ...

20世紀最大の魔術師クロウリーは、創作の分野に於いても膨大な知識の一端を披瀝し、自ら「もっとも繊細にして強力な表現形式のひとつである」と評価する短編の分野では数々の秀作を残している。 駆け出しの女性芸...

夜空をサーチライトが切り裂き、花火が＜ヨシワラ＞の文字を刻みつける。林立する高層建築の屋上では飛行機が発着を繰り返し、地下都市から現れた労働者の群れが＜バベルの塔＞に吸い込まれてゆく。 ここは巨大な機...

銀河系諸国は、すぐれた宇宙航空技術を駆使するテイラン帝国の圧制下にあった。星雲諸国の領主の息子バイロンは帝国転覆の命を受けて地球大学に留学中であった。帝国の強力なスパイ網・逆スパイ網をくぐって窮地を脱し...

歴史に名を残したほどの人物なら、必ずや生涯に一度は難事件に遭遇して推理の腕をふるったにちがいない--- かくして生まれたのが本書である。遠くはアレクサンダー大王、ダ・ヴィンチ、クック艦長から、アフリカ探...

チャドランズ屋敷には、閉ざされた部屋があった。＜灰色の部屋＞と呼ばれるその部屋では過去に二人の人間が不可解な死を遂げていたのだ。外傷もなく何の異常も見いだされずに。そしてまた一人の男が死んだ。部屋の謎を...

人類の中から突然変異的に現出した一握りの超人たちの前に、六十億の人間はとりえのない＜旧人＞として支配されるしかなかった。一介の＜旧人＞である主人公ニックは勤務先の上司につれられ、圧政を打破せんとする地下...

中村融氏--「途方もない奇想を情感たっぷりに語る短編の名手」 スペース・オペラの雄として知られるハミルトンは、奇想SF短編の名手でもある。その代表作としても知られる、カナダ奥地で発見されたゼリー状...

嵐の夜、サリーは、一台の車があとをつけてくるのに気がついた。いったんは無事やりすごせたかに思えたが、折からの暴風に巨木が倒れ、行く手を塞いでしまう。あせった彼女は倒木の向こうで同じ憂き目にあっていた未知...

ガソリンの危険性を除くという化学的大発見の実用化が進められていた。巨万の富を期待する四人の若者と、資金援助をする老人一人。化学会社との契約を目前に、その会社から派遣された調査員が連絡船上から姿を消し、数...