pope2649さんのページ
レビュー
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彼女と彼 Elle et Lui
ああ懐かしい・・・・
私はゲイではありませんが、
この本を読んだ小学6年生頃は、この本の影響で同級生の男子を好きになりかけましたw
今では笑い話ですが、それくらい訴えるものが強かったのです。
伊東さんのお洒落のセンスや美意識は、今ではかなり旧くなってしまったものも多いでしょうが、
杏里の好きなもの/嫌いなもの、巴露の好きなもの/嫌いなもの、この一説は結構原題でも通用するものが多いのでは。巻末の偽ロシア小説「ネフスキープロスペクト」は冬の日曜日にゆったりと読みたい。(2014/09/07) -
あんりとぱうろ
桃尻娘の元ネタかも・・・
この本を知っている人で、橋本治の「桃尻娘」も同時に好きだと言う人は少なくないはず。
共通しているのはシニカルな笑いというものだけど、
それを登場人物の精神年齢を恐ろしく高く描いている。
この本を読むときは、どこか軽井沢の民宿などで携帯もスマホも放置してタイムスリップしたい。ある程度東京に住んだ経験のある方の方が楽しめるでしょう。(2014/09/07) -
世界で一番奇妙な話
シリーズ全作の復刊を熱望!
「世界で一番奇妙な話」
「世界で一番怖い話」
「世界で一番残酷な話」
新書館のForレディースシリーズのムックとして出たような竹内さんの三部作、もしかしてもう一つ世界で一番ナントカな話があったかもしれません。
宇野亜喜良さんのイラストとマッチしていて、子供の心の中に内震える陶酔感を覚えたものでした。
今読んだらただのノスタルジックなファンタジーにしか思えないかもしれないけど、それでも読んでみたい。
一番覚えている話は、洋館に住む足のない美少年と若く美しく重たいほど甘い愛情の母親と仔犬。
自分にはどうして足がないのかといつも考えていた子供は決して上がってはいけないといわれる二階に昇り秘密の部屋のドアを開けようとするがその時母親が帰ってくる。
慌てて下まで降りようとするところへ丁度母が玄関から入ってくる。
そのときキャンキャン上で鳴いていた子犬が走って口に咥えて来たものは・・・・
この話に何度気絶しそうになったかしれませんw(2014/09/07) -
ISOLA多重人格少女
タイトルに難あり
文字通りに読めばただの多重人格者のお話かと思いきや、
実はあの関西大地震に端を発する非常に異端なSFです。
何しろ大仏の巨人のように街を歩き回るのだからw
読後の感想としては、
本当なら少しは可愛そうに思っていいはずのISOLAが全然可哀相じゃないことが印象的です。
何をさておいても、巨人化して街を歩き回る・・あのシーンさえなければ結構まともなサイコサスペンスなんだけど、荒唐無稽なSFに落ちてしまいました。
ただ、読者をぐいぐい引っ張っていく面白さはあります。一揆読み必須。(2014/09/04) -
黒い家 (Horror comics)
映画とはちょっと違う
先ず黒い家にいるサイコパスは幼い少女の精神を宿した大人の女だということ、そしてその女の過去は小学校の卒業アルバムに載せられていた彼女の拙い詩から判明するというプロセスがこの本の醍醐味です。
どことなく中原中也を彷彿させる詩ですが、
そこからサイコパスの可能性を発見した脇役の女性が面白い。
でも映画の大竹しのぶも全然良い意味で作品を凌駕してましたけどね。
読んで損はないです。(2014/09/04)
復刊リクエスト投票
合言葉は「地獄の天使」で逢おう
【著者】文:伊東杏里 絵:宇野亜喜良
竹内夢二のイラストや日本画は今見て思うのと。
昔見て思ったことが全然感じ方が違うように、
宇野さんのイラストも大人になった今改めてみてみたい気がします。
もし「地獄の天使」が先日存在するとしたら何処だと思いますか?
私は飯倉の丘の上、愛宕神社下近辺、それか案外新宿のゴールデン街で看板のかかっていないドアを開けると階段があって・・・といった想像をよくしています。
タイトルは勿論「ラッフルズで会いましょう!」といったハリウッドの大女優の言葉をもじったものです。(2014/09/07)
オーデュボンの祈り
【著者】伊坂幸太郎
まず登場人物がころころプロットをさまよう筋書きにちょっと疲れます。
喋る案山子は結局何のモチーフだったのか最後まで判りません。
突然国と国が分かれて戦争をしかけて、というのが北朝鮮か何かをパロディーしているのかどうか・・・。
SF好きな人、特にハインラインなどが好きな人には抵抗なく楽しめると思う。
私はだめでした。(2014/09/04)