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ぴこてさんのページ

レビュー

  • ダランベールの夢

    ディドロ

    フランス語会話の練習にも

    ラ・トゥールが描いたダランベールの肖像画が好きなので、題名が気になった。
    感想は、滑稽と当時に、不快な気持になった。ディドロら知識人が語っている話は、現在の科学から見れば、間違っている事ばかり。笑っちゃう。いかにも、物事知っています~、という口調なのに、今読むと、間違っている、というのが、笑えた。18世紀の最高の知識人でも、こんな考えしていたのねぇ~。一般人は、どんな考え方をしていたんだか。
    不快になった理由は、私、頭いいのよ~、っていう感じで、ディドロ達が偉そうに喋っているから。
    このレヴューを書くにあたり、再読してみた。

    気になった箇所。
    「びくびくしている女の想像力ほど騙しやすいものはありませんし、概して、女というものは、実に信じやすく、健康に関しては臆病で、病気になるとひどく迷信深くなるものですからね。」 p、148

    お母さん助けて詐欺だよ。

    『ダランベールとディドロの対話』は、難しくて、1度読んだだけでは、理解できない。その続きが、この本の題名『ダランベールの夢』。その続きが、『対話の続き』。理解するまでに、3回も読む羽目になった。読解力の無さに気付かされる。
    全編対話体形式である。本書の利用法を、1つ思い付いた。フランス語を勉強している人なら、原書も読めば、会話の勉強にもなると思う。

    簡単で、使ってみたいフレーズを、ちょっと抜き出してみた。
    ダランベール:それは、ちょっと考えにくいね。
    D’ALEMBERT :Cela est dur à croire.

    ダ:なに?もう一度言ってくれないか。
    Comment avez-vous dit cela ?

    ダ:自然にとって時間は、ものの数じゃない。
    Le temps n’est rien pour la nature.

    ダ:なに、無だって!無からは何も作れないよ。
    Comment rien? On ne fait rien de rien.
    ディドロ:君はあまりにも、言葉を文字通りに受け取りすぎるよ。
    DIDEROT :Vous prenez les mots trop à la lettre.

    これらを覚えて、いつか使ってみたい!(2014/09/20)

  • プルースト美術館―『失われた時を求めて』の画家たち

    吉川一義

    「失われた時」を読み終えた人向き

    物語中の登場順に、絵画作品が紹介されていない。

    画家別に章が分かれている。
    1章目 :モネ
    2章目:ジョット
    3:フェルメール
    4:エル・グレコ
    5:カルパッチョ
    6:ギュスターヴ・モロー

    興味がある画家の章をだけを読む事が出来る。
    好きではなかった画家の事も、読めば彼の事を知りたくなるだろう。
    巻頭にある、カラーページでは、9作品を見る事が出来る。
    モネ 「睡蓮」
    ジョット 「哀悼」「妬み」「慈愛」 
    フェルメール 「デルフトの眺望」
    エル・グレコ 「オスガス伯の埋葬」
    カルパッチョ 「悪魔に憑かれた男を治癒するグラドの総主教」
    「巡礼団の殉教と聖女ウルスラの葬儀」(部分)
    ギュスターヴ・モロー 「若者と死神」


    それ以降に載っている絵画作品は、残念ながら色は白黒である。
    プルースト作品に登場する絵画作品が多数載っている。
    「失われた」を読んでいて、その絵画を知らなかったとしても、調べた事はない。
    面倒くさがりには、有難い本である。

    「失われた」は鈴木道彦氏の訳を読んでいる。
    ただ今、5巻目。
    この「プルースト美術館」には、各章、かなり詳しく「失われた」と、絵画作品の事が、書かれている。
    5巻以降の話も、もちろん書かれている。
    予習になった、と喜ぶべきか。
    登場人物達に将来何が起こるのかが、分かってしまった、とがっかりしないといけないのか。
    個人的には、「失われた」をすべて読んでから、この本を読むべきだったと思われる。
    知識を得るのは、簡単だ。
    知ってしまったら、それを知らなかった状態には戻せない。

    あの大作を全て読み終えた時に、この本を読み返したい。(2013/12/02)

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