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著者 | 安達忠夫 |
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出版社 | カナリア書房 |
ジャンル | 実用書 |
ISBNコード | 9784778200022 |
登録日 | 2012/12/22 |
リクエストNo. | 56699 |
リクエスト内容
「声に出して読みたい」「口に出したい」などの言葉を冠した書籍は数多くあるが、たとえば僧侶が読経している時の脳波は、モーツァルトの曲を聴くときと同レベルのアルファ波を出すというデータもある。素読は脳を活性化させると同時に、反復・持続することによって感性を磨き、学問の素地をつくるのに最適であるという。本書はこの素読の価値を学問の見地から検証するほか、古今東西の名文や聖書を取り上げながら、声を出して読むことの意義を説いている。
著者の安達忠夫は埼玉大学教授で、ドイツ・北欧文学と児童文学を専門とする学者である。『ミヒャエル・エンデ』『母と子の漢文語感教育法』などの著書があるほか、詩や童話の翻訳も手掛けている。「音読」が一種のブームになるずっと以前よりその価値を提唱しており、古典を中心とした「音読式素読」の寺子屋を子どもたちのために長年開いている人物でもある。本書も1986年に1度発表し、残念ながら絶版となった講談社現代新書版の復刻である。
日本語の言葉のなりたちや日本の国語教育の歴史、外国語教育との相違など深い学識をもとに語る日本語論は、重厚で読みごたえも大きい。また長いヨーロッパ生活から得た西洋での言葉がもつ役割を体験的に語っていて興味深い。中国文学にも多く言及し、李白や杜甫、聖書などの実例も多彩で、言葉というものの豊かさ、そして著者の言葉への深い愛情がにじむ貴重な1冊だ。
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読後レビュー
NEWS
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2012/12/22
『感性をきたえる素読のすすめ』(安達忠夫)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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