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著者 | 黒野耐 |
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出版社 | 総和社 |
ジャンル | 専門書 |
ISBNコード | 9784915486920 |
登録日 | 2011/05/11 |
リクエストNo. | 53348 |
リクエスト内容
日露戦争では様々な準備を行い、確たる目標を持って政府と軍が協調体制(政戦略の一致)を構築して勝利に導いたにもかかわらず、太平洋戦争では各勢力の思惑の統一も出来ず、勝算も戦争終結の成算もないまま開戦をした戦前日本。この事実に対して著者は何故この決断に至ったのかに興味を持ち、明治から終戦までの国家戦略や国防政策決定の思想的背景となる国防思想の展開を明らかにされた。その際に手掛かりにしたのが四回策定された書名にもある「帝国国防方針」という文書である。本書によって戦前日本の各時期の政軍首脳の政戦略観やその政戦略がどのように調整され、あるいは調整されずに国家運営が進められていたのかが克明に理解できる。筆者は自衛官出身ならではの軍事に関する理解・感覚の深さに加えて、日本軍研究にとって貴重な史料を数多く所蔵する防衛研究所戦史部に所属して本書を執筆されており、極めて学術的価値の高い研究書といえる。
投票コメント
全1件
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本書は戦前日本の政軍首脳の国防思想・政策が如何なるものであったのか、それがどのように展開されて国家運営が進められていったのかを明らかにされた労作である。各時期の国防思想の対立や、政府と軍が十分に政策や方針を調整することなく国家運営をなしていった事実がわかる。一般人や地方在住者が利用しにくい東京の防衛研究所の所蔵史料をふんだんに活用されており、研究書で敷居が高いように思われるかもしれないが軍事に関心がある方には是非読んで頂きたい書籍である。本書によって戦前日本の問題点の一つが浮き彫りになるであろう。GOOD!1
著者は本書以外にも内容を簡略化した新書を著しておりそちらは現在も入手できる状況であるが、本書は殆ど目にする機会がない。市町村の図書館はもとより大学の図書館でも本書を所蔵しているところは少ない。一般の方のみならず大学などで軍事を学ばれる学生の人々が利用できない状況は非常にもったいない。類似内容の新書はあるが、逐一、註に典拠や補足説明が記され、より詳細で学術性の高い本書の復刊を強く希望する。 (2011/05/11)
読後レビュー
NEWS
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2011/05/11
『帝国国防方針の研究―陸海軍国防思想の展開と特徴』(黒野耐)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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