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著者 | ルドウィヒ・ベーメルマンス |
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出版社 | 岩波書店 |
ジャンル | 児童書・絵本 |
ISBNコード | 9784001100334 |
登録日 | 2001/07/18 |
リクエストNo. | 4853 |
リクエスト内容
「岩波の子どもの本」という、小さくて薄めの、シンプルなシリーズの中の一冊。「マドレーヌ」でおなじみのベーメルマンスが初めて書いた、子どものための本です。
ハンシという母子家庭の少年が、クリスマス休暇に初めて一人旅をしてチロルの山高くに住むおじさん一家を訪ね、従妹と一緒に愉快に過ごす、質素でなごやかで穏やかな日々が描かれています。
冷たくキーンとひきしまった山の空気。あたたかい息を吐きかける馬たち。楽しい会話がとびかう山の家の広い台所。古い写真を眺めたり、絵描きゲームをしたりで盛り上がる、家族の素朴な団欒。愉快そうに立ち上る湯気。コンロの中で歌をうたってる焼きリンゴ。そして、子どもたちがやらかすイタズラの数々…。
まだまだ。
圧巻は、星がいちどきに現れて、それからいちばん高い山のてっぺんが真っ赤になり、続いてだんだん紫色になってゆくという美しい夕暮れ…!
そして、星月夜のクリスマス・イブ! 礼拝のために教会へ向かう人々のカンテラの小さな明かりの列が、山の上のほうから幾列も幾列も降りてくる・・・。谷間の青い夜、静かに青白く輝く雪の上に響くクリスマスの歌声。
なにもかもが質素ながらも美しく、愉快で、白い雪の輝きとともに少年ハンシの瞳の輝きまでが見えてきそうです。休暇の終わりにすっかり雪焼けしてひと回りたくましくなったハンシの姿が印象的。
投票コメント
全12件
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昔絵本をたくさん収集していたのですが、引越しの際に処分してしまいその中に、この「山のクリスマス」もあったと思います。気に入っていた記憶があるのですがどんな内容だったかはっきりとは思い出せないので、もう一度読んでみたいのです。 (2001/08/29)GOOD!1
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ハンシの住むインスブルッグの町のにおい、登山電車、そして雲に隠れてしまうような高い山の上にある村での出来事・・・そのひとつ、ひとつの出来事を、とても楽しみながら読みました。そして、冷たく澄んだ夜の空気、おごそかな山のクリスマスの様子・・・どの文章からもチロルの生活が伝わってきて、それを頭に思いめぐらすだけで、心が満たされるような気持ちになれる1冊だと思います。是非、今年のクリスマスには手元に置いて、娘と楽しみたいです。 (2001/07/20)GOOD!1
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「本の内容」にも紹介いたしましたように、日本でもたいへん人気のある「マドレーヌ」の作者が初めて書いた子どものための本です。ベーメルマンス・ファンならば、ノドから手が出るほど手元に置きたくなるのでは? 絵の印象は、なにぶん「初めての」絵本ゆえ、マドレーヌとはちょっと違っているのも見どころかもしれません。GOOD!1
しかし、この本の何よりの魅力は、1934年に初版になったこのお話が、素朴ながらも永遠に変わらない輝かしさを持っているところではないでしょうか。そして、少年ハンシと母親との絆もまたほのぼの。 (2001/07/18) -
(2001/10/11)GOOD!0
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これは名作です。なぜ消えてしまったのでしょう・・・GOOD!0
ぜひ復刊すべき1冊です! (2001/09/19)
読後レビュー
NEWS
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2004/09/24
『山のクリスマス』販売開始しました! -
2001/11/05
『山のクリスマス』販売開始しました! -
2001/07/18
『山のクリスマス』(ルドウィヒ・ベーメルマンス)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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mayt3977