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著者 | 東 一秀 |
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出版社 | 葦書房 |
ジャンル | 文芸書 |
登録日 | 2008/06/29 |
リクエストNo. | 42625 |
リクエスト内容
小説の舞台は戦前の東京。将来医者になるべく都内の大学で医学を学ぶ青年が三田村家に下宿する。文学(特にギリシャ神話)と音楽をこよなく愛する青年にとって、裕福な三田村家の芸術的な雰囲気は肌に合っていた。
四人の娘の母親なのに、童顔で愛くるしい三田村家の奥さんに、とても気に入られ、父親が仕事で多忙なために寂しい思いをしていた娘たちにも、実の兄のように慕われた。九州の旧家出身で複雑な事情により、肉親の愛情に飢えていた青年にとってそれは幸せなつかの間の日々だった。
戦争の激しさが増して、やがて三田村家にも不幸の陰が忍び寄る…。
戦争の愚かさと人の命の儚さを詩的な文体でつづった美しくも悲しい物語である。
投票コメント
全2件
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作者は内科医として永年地域医療に貢献され、私も小さいころからかかりつけドクターとして大変お世話になった。悩み多き青春時代にはアドバイスをいただき、私の人生の方向付けにも影響を受けた恩人である。昨年4月に永眠されたが、追悼集で著作を知り、是非読みたいと思う次第である。 (2013/08/08)GOOD!1
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葦書房から少数部数の自費出版で発行された本で、以前図書館で読みました。ギリシャ神話が好きだったので主人公の青年が自分のことをギリシャ神話の冒険物語の英雄になぞられて空想にふけったり、物語にギリシャ悲劇のような哀愁が漂っているのに、海外の小説の翻訳を読んでいるような文体で非常に読みやすくて、恋多き主人公が戦後に平和だった下宿先での三田村家での日々を回想している場面は悲しく切ない気持ちが伝わってきます。ラストがとても印象的でした。よい本なのでまだ未読な方にも是非手にとってもらいたいと思いました。 (2008/06/29)GOOD!1
読後レビュー
NEWS
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2008/06/29
『三田村家の人々(副題:麻布桜田町)』(東 一秀)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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hirobo