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著者 | 緑川洋一 |
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出版社 | 美術出版社 |
ジャンル | エンタメ |
登録日 | 2004/08/23 |
リクエストNo. | 25633 |
リクエスト内容
多重露光やフィルター操作を駆使した華麗な画面で光の魔術師と呼ばれた写真家、緑川洋一氏が生涯愛しつづけた瀬戸内海を捉えた畢生の写真集。美しい風物としての瀬戸内、原爆禍や毒ガス島、廃墟と化した地下要塞などの戦争の傷痕が残る瀬戸内、戦後興隆を遂げた工業地区としての瀬戸内など、さまざまな切り口で瀬戸内を捉え、エンターテインメント性とシリアスな問題追求性とが見事に結びついた、多層的で非常に完成度の高い芸術作品です。
原色版20葉、単色版40葉、138頁、判型330mm×250mm。箱つきで1962年出版。出版当時の定価は3900円。
本書は日本批評家協会作家賞、中国文化賞、日本写真協会年度賞、岡山県文化賞と、4つもの賞を受けています。
この後、氏は撮影技法をより華麗に発展させていきますが、すでに本書にそれらの方法論のすべてが提示されていると言っても良く、氏が打ちたてた金字塔と呼ぶに相応しい写真集です。
登録者の評価★★★★★★★★★★
【目次】
はじめに/緑川洋一
■口絵
「入陽の海」 「春の出港」 「金色の夕凪」 「直島の山」 「干潮の新舞子海岸」 「月と海」ほか
■海の表情
「夜の鳴門急潮」 「門崎の渦潮」 「春の凪」 「孤舟」 「嵐の日」
■灯台
「灯台と釣り船」 「灯台の休息」 「島と船と灯台と」 「嵐のきざし」 「夜の釣り船」 「浮灯台」ほか
■島の風物詩
「忠の海の汽車」 「入陽の巡礼」 「魚島の鯉のぼり」 「蛍の乱舞」 「精霊流し」 「鳥と海照」ほか
■島とその周辺
「港の夕暮れ」 「モザイクの島」 「犬島の石切場」 「名残」 「精油所の夜」 「水島干拓地」ほか
■瀬戸の傷痕
「ある廃墟」 「ドームの落書」 「長島の潜水艦」 「毒ガス島」 「火の山地下要塞」 「呉工廠跡」ほか
■夜の海
「干潟の原野」 「港の月蝕」 「夜の鷲羽山」 「四国富士の月」 「与島沖の航灯」 「海辺の家灯」ほか
緑川洋一の世界(伊藤逸平)作品解説・略歴・あとがき(緑川洋一)
※作品の題はオーナーが本書を愛するあまり勝手につけてしまったものもあります。なにとぞご了承を…。
投票コメント
全2件
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日本三景の宮島があるのに、いまいちマイナーな感のある(?)瀬戸内海。写真集も東京在住のせいかほとんど見かけません。なぜ瀬戸内海なのか、それは私が広島出身だからです。子供のころに浮き輪で揺られた、ゆりかごのような穏やかな波の瀬戸内海の写真集を見て、癒されたい。 (2006/03/04)GOOD!1
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持てる才能のすべてを注ぎ込んだ、まさに緑川氏の代表作!!!GOOD!1
本書の方法論をさらに華麗に展開させた同テーマの「瀬戸内海 THE INLAND SEA」や「海のメルヘン」も素晴らしいですが、本書こそが永遠のマスター・ピースであると信じています。今観ても全く色褪せていないばかりか、現在では失われてしまった瀬戸内の美しさの多くがここには残っており、撮影において随所にみられる様々な試みも今なお新鮮、印刷も実に素晴らしく、宝石のような原色版以上に、単色版頁がことのほか美しい。これは是非オリジナルの内容での復刊を望みます。
これほどの名著には一生のうちに何度も出遭えるものではないと確信します。写真が好きな方全てにお薦め。 (2004/08/23)
読後レビュー
NEWS
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2004/08/23
『瀬戸内海』(緑川洋一)の復刊リクエスト受付を開始しました。
復刊実現の投票はあなたの投票から。
復刊リクエスト投票であなたの思いを形にしましょう!
ぷーちゃん