日下三蔵セレクト SFフェア 第1回
日下三蔵セレクト SFフェア 第1回

復刊ドットコムの担当さんから、ネットショップでSFコーナーを作るので、選書を手伝ってくれないか、との依頼が来た。
私は自分の好きな作家、好きな作品を多くの人に読んで欲しいと思って、編集の仕事をしているので、お勧めしたい本は山ほどある。
当初は、週に数冊ずつという依頼だったが、まったく枠が足りないので、無理をいって週に十冊ずつお勧めさせてもらうことにした。自分の編集した本は、当然のことながらすべてお勧めなので、作家別、テーマ別に五~六冊を選び、それ以外のお勧め作家を二人ずつ加える、という方針で、お勧め作家はベテランと新鋭を組み合わせることにした。新鋭枠は二〇一〇年代以降にデビューした人たちです。
今週のメインは、日本SFを代表する作家の一人、筒井康隆だ。私は筒井さんの傑作選を二十冊以上作らせてもらっているので、筒井康隆特集は三回に分けて行います。今回は、その第一弾。
当初は、週に数冊ずつという依頼だったが、まったく枠が足りないので、無理をいって週に十冊ずつお勧めさせてもらうことにした。自分の編集した本は、当然のことながらすべてお勧めなので、作家別、テーマ別に五~六冊を選び、それ以外のお勧め作家を二人ずつ加える、という方針で、お勧め作家はベテランと新鋭を組み合わせることにした。新鋭枠は二〇一〇年代以降にデビューした人たちです。
今週のメインは、日本SFを代表する作家の一人、筒井康隆だ。私は筒井さんの傑作選を二十冊以上作らせてもらっているので、筒井康隆特集は三回に分けて行います。今回は、その第一弾。
- 本体価格:2,800 円(税込円)
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- 本体価格:1,850 円(税込円)
- 本体価格:1,500 円(税込円)
- 本体価格:920 円(税込円)
- 本体価格:3,200 円(税込円)
- 本体価格:820 円(税込円)
筒井康隆 著 / 日下三蔵 編
出版芸術社の《筒井康隆コレクション》は、新刊で買えなくなっていた作品を二、三冊ずつ収め、関連する資料や未収録短篇、エッセイなどを加えたもの。高価な本ですが、二段組で各巻六百ページと、通常の文庫本三冊分以上の作品が入っているので、古本で集めるよりも割安なはずです。
第一巻はテレビ時代を予見した驚異の第一長篇『48億の妄想』、圧倒的なスケールで地球の終末を描く中篇「幻想の未来」、多くの若い読者をSFの沼に引きずり込んだ画期的な入門書『SF教室』を完全収録。
第一巻はテレビ時代を予見した驚異の第一長篇『48億の妄想』、圧倒的なスケールで地球の終末を描く中篇「幻想の未来」、多くの若い読者をSFの沼に引きずり込んだ画期的な入門書『SF教室』を完全収録。
筒井康隆 著 / 日下三蔵 編
第二巻には核戦争勃発が巻き起こす悲喜劇を描いた『霊長類南へ』、実験的な手法を駆使した傑作『脱走と追跡のサンバ』の他、単行本未収録の《マッド社員》シリーズなどを収めた。
筒井康隆 著 / 日下三蔵 編
第三巻にはショートショート、エッセイ、マンガをアイウエオ順に配置した辞典のパロディ『欠陥大百科』と幻の初期作品集『発作的作品群』、いずれも文庫化されなかった二冊を併せて収録。
石山透 著 / 筒井康隆 原作
筒井康隆の「時をかける少女」は1972年にNHK少年ドラマシリーズで「タイム・トラベラー」として初めて映像化されたが、あまりの人気にドラマオリジナルの続篇「続 タイム・トラベラー」が作られるほどであった。当時はマスターテープを上書きしていたため、この作品の映像は残っておらず、視聴者が録画していた「タイム・トラベラー」の最終回がソフト化されたのみである。『タイム・トラベラー』は石山透による二作の脚本を完全収録した一冊。ファンは、これを読みながら、映像を想像するしかないのだ。
筒井康隆 著 / 日下三蔵 編
ハヤカワ文庫の《日本SF傑作選》は、各巻七百~八百ページのボリュームで、日本SF第一世代作家の代表的な業績を振り返るシリーズ。筒井康隆の巻には「東海道戦争」「ベトナム観光公社」「バブリング創世記」など七〇年代までに発表されたSF味の強い短篇二十五篇を収録した。筒井康隆入門に最適の一冊。
筒井康隆 著 / 日下三蔵 編
『筒井康隆、自作を語る』は《筒井康隆コレクション》の奇数巻の発売に合わせて四回開催したトークイベントを再録したもの。筒井康隆個人だけでなく、国産SF黎明期の状況に興味のある人なら、見逃せないエピソード満載の本になっています。付録として詳細な著作リストも掲載。第五十回星雲賞ノンフィクション部門をいただきました。
荒巻義雄
荒巻義雄は六〇年代半ばからSF同人誌で論客として活躍していたが、作家デビューが一九七〇年なので、私の分類では第二世代作家ということになる。筒井康隆も推薦文を寄せている彩流社の《定本 荒巻義雄メタSF全集》は、著者の本格SFを集成した画期的なシリーズ。奇怪なイメージに満ちた作品が満載の初期作品集『柔らかい時計』と幻想SFとサスペンスを融合させた傑作長篇『白き日旅立てば不死』(72年)は断然のお勧め。
後者の続篇『聖シュテファン寺院の鐘の音は』(88年)と完結篇『もはや宇宙は迷宮の鏡のように』(2017年)も彩流社から出ているので、併せてどうぞ。
後者の続篇『聖シュテファン寺院の鐘の音は』(88年)と完結篇『もはや宇宙は迷宮の鏡のように』(2017年)も彩流社から出ているので、併せてどうぞ。
宮内悠介
宮内悠介は二〇一〇年、囲碁SF「盤上の夜」で第一回創元SF短篇賞の山田正紀賞を受賞してデビュー。SF、ミステリ、純文学のすべてのジャンルを横断して面白い作品を書き続けている注目の作家だ。囲碁、麻雀、チェス、将棋などをテーマにしたデビュー作品集『盤上の夜』は、第三十三回日本SF大賞を受賞した。