インド哲学史上、最大の哲学者としばしば賞賛される8世紀前半のシャンカラ。彼以前のヴェーダーンタ哲学史を論じた初期ヴェーダーンタ哲学史を構成するシリーズ4巻本に続く最終巻として、シャンカラの思想に真正面か...

初期ヴェーダーンタ哲学史の最後を飾るシリーズ第4巻は、インド最大の言語哲学者と考えられている5世紀後半のバルトリハリを中心とした考究。バルトリハリの著作はもちろんのこと、仏教書に紹介されるものまで、サン...

「ブラフマ・スートラ」の成立（5世紀前半）からシャンカラ（8世紀前半）に至るまでの、諸哲学者の思想を究明する、シリーズ第3巻。従来暗黒時代と目されていたこの期間の思想史の概略を、後世の諸学派の書の中に言...

ヴェーダーンタ哲学の根本経典「ブラフマ・スートラ」の真趣意の把握は、インド哲学史研究のために不可欠の手続きである。この聖典の、語句を極度に省略する「スートラ」という特殊な文体が持つ原意を、後代の哲人たち...

シャンカラに至る以前のインドの諸哲学学派を組織的系統的に考察することを試みた『インド哲学思想』シリーズの第1巻。ヴェーダーンタ哲学の源泉となったウパニシャッドの思想や成立年代を分析し、仏教やジャイナ教な...

インド哲学、仏教、比較思想の分野において膨大かつ多彩な著作群を誇る中村元博士の主著として世界的な評価を受けたヴェーダーンタ哲学研究の精華『インド哲学思想』全5巻。 インド哲学史の主流をなす思想体系の歴...

18世紀半ばを起点とする巨大な社会変動、幕藩制国家の解体過程を「世直し状況」と捉える視点から、商品生産の展開・藩政改革・騒動・国家論にわたり積み重ねた実証成果を総合して書下し、豊かな幕末史像を提示する。...

近代朝鮮で最大の民衆運動、東学。その農民層を主軸とする下からの変革運動は、国土を農民戦争の舞台にし、日本軍と朝鮮軍の鎮圧によって甚大な犠牲を伴った。しかしその「一君万民」的ユートピア思想は、国民国家の論...

戦時体制とは何だったのか。戦後体制は、戦時体制の何と決別し、何を継承して形成されたのか。戦前・戦中・戦後それぞれの時代的特質と移行過程を、政治・経済・社会の諸側面から、独自の規範的方法を用いて解明する。...

1931年の満洲事変以来、日本国民は挙げて大陸進攻に熱狂した。翌年作られた満洲国は日本帝国の心臓部に結合され、この新しい帝国はやがて日本の物的・文化的資源を総動員してゆく。満洲国を組み込んだ日本帝国の成...

150年に及ぶ日米関係史のなかで、太平洋戦争につながる契機となった1924年の米国排日移民法成立についての総合的な研究。米日未公刊資料を含む原資料の渉猟に基づいて政治的な要素を詳細に分析し、成立過程の歴...

天文学や天体物理学は、天文現象の解析に留まらず、新たな発見や解明が現代物理学の発展を促すという側面をもつ。諸種の天体は、超高温、高密・高エネルギー、強磁場など地上の実験室では実現しにくい極限環境にあるか...

くりこみ群は、物性論における相転移の普遍的特徴から素粒子論の相互作用の漸近的自由性まで、今日の物理学の核心をえぐりだす強力な方法である。本書では、これを単なる計算の手段として扱うのではなく、理論物理学の...

代数幾何学は、ザリスキーなどの研究の進展により現代的な基礎づけがなされ、理論が精密化した。本書は対象の幾何的意味も見えるように配慮しながら、多様な手法をコンパクトに整理する。初めて学ぶ際の入門書。