解釈学的研究の方法的立場に立つガダマーがドイツ観念論の最高峰にいどんだヘーゲル研究の古典。ガダマー自身の思想的彷徨を同時に示す興味深い所産。

〈まだ意識されないもの〉の存在論と芸術論により、既成の殻を破砕して新しき生を切りひらく。若きベンヤミン、アドルノに多大な影響を与えた名著。

ソクラテスとの対話形式で、魂が高度の教育によって徳となり善のイデアを認識する理想政治を求めた哲人の生涯と思想を『饗宴』『国家』『法律』などの著作を通じて描く。

「エラン・ヴィタール」というベルグソン哲学の主要な観念の一つは、20世紀前半の主要思潮であった。科学・哲学・宗教に通底するものを探る。

「精神現象学」は哲学史上最も難解な書物の1つとされている。ヘーゲル哲学の土台をなすこの著作をその体系の中にどう位置づけるべきか。

「精神現象学」は哲学史上最も難解な書物の1つとされている。ヘーゲル哲学の土台をなすこの著作をその体系の中にどう位置づけるべきか。

ヘラクレイトスからデリダまで。ドゥルーズの愛弟子が独自の視点で選んだ哲学者１００人の肖像と思考の魅力と核心を詩的に描き出す、いままでになかった哲学／思想への招待。

今こそ全存在の未来を担う「責任という原理」へ。「希望」とは、確実な裏書きもなしに、現在が未来へ向け振り出した約束手形だ。そして「持続可能な開発」などの耳障りのいい決まり文句が示すように、人類はなお「希望...

北軽井沢での教員のための哲学講義をまとめた『哲学の根本問題』は，田辺哲学の全容を理解するための格好の入門書．『数理の歴史主義展開』は，田辺自身により「私の哲学思想の総決算的告白」と位置づけられた論文．数...

ジンメルの死の前年（一九一七）に刊行された，彼の社会学上の最後の著作．内容という根から一切解放された，いわば形式そのもののための活動である「社交」がここに取りあげられ，文学的とも評されるジンメルの社会学...

「自由の要請はいっそう根本的なものである。それはわたしたちの理性が自然の秩序から独立であることを、またしたがって純粋理性の自発性を、前提することだからである。そのようなものとして、自由の要請は、自己の行...

「道徳哲学の歴史に関するロールズの思想の中心にあるもの、それは、わたしたちの伝統がもつ偉大なテキストのなかに、人生をいかに生きるべきかに関する多くの困難きわまりない諸問題に甘んじてかかわろうとする、偉大...

ボスニアでの衝撃的な出来事が連日報じられるなか、オックスフォード大学で公開の連続講座が催された。招聘された7名の講師は、いずれも世界的な哲学者である。国際人権法は、眼前の事態に対してあまりにも無力にみえ...

著者は1909年、当時ロシア帝国領であり、第二次大戦後またもやソヴェト連邦に編入されてしまったラトヴィアの首府リガに生まれた。オックスフォード大学卒業。主著に「マルクス」（1939）、「はりねずみと狐」...

巨人ボルヘスの時間論を中心とした哲学的エッセイ集。宇宙を支配する円環的時間を古今の厖大な書物に分け入って論じ、その思想の根源を示す。

マルクスのテクストを構造論的に把握して画期をなした論集。のちに二分冊化されて刊行された共同研究（一九六五年）の初版形態の完訳。

「歴史なき民」こそが歴史の担い手であり、革命の主体であった。著者の思想史から社会史への転換点を示す記念碑的作品。