“記紀伝承の批判的考察”の方法により日本古代国家の特色、古代天皇制の歴史的性格に、著者独自の見解を展開。

アジア的封建制究明の視角を提唱した一人である著者が、代表的地方庄園の一つである九州庄園を具体的考察。

正倉院蔵の天平期正税帳や財政文書等の基礎的研究を通じて、古代国家財政の機構・運用の実態に迫り、その成立・展開から崩壊にいたる全過程を鳥瞰。

古代における宗教と国家権力とのかかわりを一記紀神話の政治的性格のみならず、それを具体的に古代国家においてどのように機能を発揮したを考察。

古代の官職制度について『古事類苑』ほか先行諸研究を参照し、複雑なその内容を簡潔に整理整頓した、古代史・文学研究者に必須の辞典。

天台・真言の中世への展開をあとづけて、古代仏教の日本文化への影響力を述べている。比叡山延暦寺や葛川明王院の史料調査。

本書は浄土教ー専修念仏の実態を実証的に再検討し、浄土教中心史観からの脱却を図り、古代中世仏教史像の組替を企画した意欲作。

日本古代史を網羅すべく、位階・官職をはじめ、史料上に残る人物13,600名を収録する。すべての項目に出典を明記し解説した労作。