自然と共に生きてきた日本人の繊細な季節感の変遷をたどり、日本人の心の歴史とその骨格を究明する。上巻では万葉の時代から芭蕉までを扱う。

神沢杜口、杉田玄白、上田秋成、小林一茶、良寛、滝沢みち。江戸後期を生きた六人は、各々の病と老いをどのように体験したか。

軍医として日露戦争に従軍した鴎外が新妻しげに宛てた手紙の数々。その文面から明治の文豪の家庭人としての像が浮かびあがる。

死後なおモノホンの天才ぶりを披露する個性派俳優が、ミステリとジャズと映画に溺れる七〇年代の日々を活写する。

自然と文学（井伏鱒二）、「思想のない小説」論議(大江健三郎)、ヤッパリ似た者同士（山下清）他、人間滅亡教祖の終末問答19篇。

化け物屋敷。街中の謎の穴。まがい物の小物数々。好きな物をさがしながらいつしか迷い込むこの世の裏側。人生は怪しい。

本邦最初の文学『古事記』――その千古の文体と『狂風記』の作家との出会い。正確かつ奔放な訳業によって、今新しく蘇る！ 【解説： 西郷信綱 】

西欧の星座神話を日本に根づかせた人、野尻抱影が説く夜空の神秘。四季の天球図、星座図を添え太陽系の神話をも収めた星空の道案内。

マンガ誌｢ガロ｣の灯した火は、大きく燃えあがり驚異的なマンガ文化隆盛へとつながっていった。編集長が語るマンガ出版の哀話。

歌の発生の起源から和歌形式の成立までを、『古事記』『日本書紀』『万葉集』『古今集』、さらには平安期の歌論書などを克明に読み解いてたどる。

民俗学の巨人柳田國男の学問と思想を知る上で貴重な対談集。日本人の神観念についての折口信夫との興味深い対談など九編を収録。

｢二都物語｣などで知られるディケンズの名作。荒涼館をめぐる美しい娘たち、恋、上流婦人の謎。大きな織物にも似た魅力の長篇。

幻想文学・ファンタジー・ＳＦの読者の間でカルト的な人気を誇る山尾悠子の自選傑作集。「夢の棲む街」「月蝕」「ムーンゲイト」「遠近法」「童話・支那風小夜曲集」「透明族に関するエスキス」「私はその男にハンザ街...

昭和の名女優が、下町の暮らしを描いた名随筆が、装いも新たに復刊。浅草に生まれ育った著者が、東京下町の人々の人情あふれる暮らしぶりと、子供たちの生活、四季折々の町の表情、そして亡き父母、兄弟の思い出を細や...