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  • 「やせ願望」の精神病理 摂食障害からのメッセージ

    【著者】水島広子

    摂食障害を社会的要因(痩身崇拝社会)、遺伝的要因(生来の性格)、環境的要因(個人的ストレス)という広い視点からバランスよく解説する書。
    その上で自分で変えてゆけるものと変えられないものにわけて考え、
    「変えられるもの」について努力していく方法を考える、
    という非常に論理的なアプローチが、実践的であり、
    多くの摂食障害に悩む人に希望をもたらすものと思います。

    また本書の冒頭に記されている、今までの摂食障害の「原因」にたいする様々な説、
    「親子関係のゆがみ」「幼児期の虐待」「女性の社会進出」といったものに原因を求める説が、これまでどれほど摂食障害の理解に害をもたらしてきたか、
    という解説については、これまで病を正しく受け止められないが故に必要以上に苦しんできた人たちにとって、とても大きな意味をもたらす分析だと思います。
    摂食障害に対するこのような公平な知識が広く知られることを強く願います。(2007/05/30)
  • みんな、やせることに失敗している

    【著者】森川那智子

    摂食障害について、正確に理解されているといえる書籍が少ない中で、
    女性を取り巻く社会的な状況、ダイエット神話の嘘、過食からの具体的な立ち直り方、科学的な基礎知識、自分自身との付き合い方などについてまで
    実例を交えながら公平な立場できちんとまとめられた本といえます。

    摂食障害について男性の書いた書の中ではとかく「架空の少女性」の中に原因を求められがちである現状にたいし、
    このようにカウンセラーとして食障害に悩む人たちと実際に接してきて、その声をありのまま受け止め聞き取っている女性の手になる良書が広く読まれないのは摂食障害についての理解を広めるためには大変残念なことと感じます。(2007/05/10)

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