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  • カフカスの小さな国 チェチェン独立運動始末

    【著者】林克明

    チェチェンにおける様々な問題は現在の諸問題の縮図であるだけでなく、旧来型の問題群、つまり、主権国家とそれを取り囲む様々な問題(民族、宗教、文化)の象徴でもある。19世紀末と20世紀末にユーゴが世界の注目を集め、まさに世界の問題の象徴とされたが、チェチェンはその以前から、同様の問題を帯びておりより明確な象徴としての要因を数多く持っていた。にも関わらず、ロシア連邦内の問題という誤った認識は多くの人がチェチェン問題を知ることを阻害し、それだけではなく9.11以後のブッシュ大統領のテロとの戦いの中では’イスラム過激派テロ集団’という烙印も押された。現状を知らない我々がメディアという一面を切り張りして報道する媒体によって得た情報を安易に吸収している。事実とは何なのか?テロとの戦いによってテロリストにされている人々はなんなのか?現在の世界にまかり通っている正義やテロとの戦いという概念を見つめ返す一つの契機になる本。(2004/05/05)

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