[未設定]さんのページ
レビュー
-
魔術妖術大図鑑 復刻版
──見よ! この絢爛たる妖気に満ちた伝説の歴史的禁断の書を!
時は1970〜80年代。
世は心霊・UFO・宇宙人・UMA・終末論・超能力・超常現象・都市伝説などのオカルトブーム(Wikipediaより)の最中、当時の子供たちを震え上がらせた怪奇系児童書群があった。
立風書房のジャガーバックスや、講談社のドラゴンブックスなどのレーベルである。
石原豪人が描く写実的でおどろおどろしい絵──とりわけ『いちばんくわしい地獄大図鑑』における酸鼻をきわめる阿鼻叫喚の世界。
男児の性の萌芽にもなった女性(の妖怪)のなまめかしさ。
学術的な正確さはないにしろ、ぐいぐい読ませる佐藤有文らによる詳しい解説。
「その存在」があたかも実在するかのごときフレーズ。例えば、「いまから100年ほど前、イギリスのクルックル博士が写したという幽霊の写真」などだ。
(それが映画の写真とは知らなかった子供も多かったと思われるが)ドラキュラなどのホラー映画から転載したスチール写真。
映画の写真だと知っていても、世にレンタルビデオ店はまだほぼなく、ゆえに家庭にビデオデッキの普及もなく、インターネットもない時代であり、(映画の)モンスターたちに「いつでも」会えるのは、本の静止画しかなかった。
時代は、後に世を席巻するファミリーコンピュータ登場の前夜であり、少年ジャンプの黄金期はまだ先である。もちろんスマホもなければYouTubeもない。
すなわち、当時流行して増刷され続けた怪奇系児童書は、子供たちが異世界に入り、トラウマ級の異形の者たちと出会うことにきわめて大きな役割を果たした。
結論はこうだ。
もう二度と、こんな怪奇系児童書は現れない。
孤高の絵師である石原豪人らは、もういない。あの絵は誰にも真似できない。
現在はゴア表現やエロスに関わる規制もある。
著作権のリテラシーが広く社会に普及したため、映画の写真は勝手に使えず、また勝手に解説もできない。
あの時代だからこそ存在しえた歴史的傑作が、ついに復刊したのだ。
価格が高い?
発行部数の少なさや上質の印刷水準など、この価格でなければ到底復刊はできまい。
すでに完売している物もあるが、今ならまだ、禁断の世界への扉は開かれている。
価格の高さに躊躇せず、行っとくべし!(2021/01/28)
復刊リクエスト投票
火の鳥 ハードカバー(愛蔵版) 角川版 全12巻
【著者】手塚治虫
作中の可愛らしいタッチの登場人物とは180度異なる写実的な表紙の人物像は、読後の余韻を強烈に深める唯一無二の存在感である。
古書で見かけるものは、時の年月でボロボロであり、もう一度ぜひとも新刊で手に取り、表紙の絵とハードカバーの手触りを堪能しながら、時間を忘れて火の鳥ワールドに浸りたい。(2021/02/12)
日本の妖怪大図鑑 (フタミのなんでも大博士)
【著者】中岡俊哉
石原豪人による妖怪たちは冴えわたり、とりわけ「火車」の妖艶さは群を抜いており、唯一無二のビジュアル!
ジャガーバックスの日本妖怪図鑑と同等に語られるべき、歴史に埋もれた傑作!
ぜひとももう一度、この世に!(2021/02/12)
柳柊二怪奇画帖
【著者】柳柊二
石原豪人と並ぶ伝説の画伯による珠玉の傑作を、ぜひもう一度この世に・・・!(2021/02/12)
世界怪奇シリーズ
【著者】中岡俊哉 南山宏 佐藤有文 ほか
画家陣の描く唯一無二の「ホンモノ」の絵は、令和になっても類似なく、いまの子供たちにぜひ見せたい。
何卒復刊を………!
大人買いします!(2021/01/23)
講談社ドラゴンブックス 全11巻
【著者】佐藤有文 黒岩学了 寺ノ門栄 古谷多津夫 志水健太郎 武内孝夫 ほか
画家陣の描く唯一無二の「ホンモノ」の絵は、令和になっても類似なく、いまの子供たちにぜひ見せたい。
何卒復刊を………!
大人買いします!(2021/01/23)
もっと見る