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  • イルカ放送

    【著者】レオ・シラード

    火星人と呼ばれた天才が予想した、もうひとつのポスト冷戦の世界史

    著者レオ・シラード(1898~1964)はアメリカのユダヤ系物理学者で、アインシュタインと共に原子爆弾の開発を大統領に進言した科学者。戦後は核開発に関わったことを後悔し、核抑止と平和運動に身を捧げた。冷戦の最中ソ連のフルシチョフと会談し、米ソトップのホットライン設立のきっかけを作った。

    シラードは1959年に癌を患い病室で小説『イルカ放送』を口述した。人類以上の高い知能があるイルカたちが、人類の科学者たちと共にウィーン研究所を設立し技術革新を起こし、世界を変えていく未来SFだった。

    『イルカ放送』とその他の短編が描く未来予想は当たった部分もあるが大きく外した部分もある。中国の成長、東西ドイツの統一、中東の宗教革命は予想が当たったが、それ以外は大きく外した。まったく違う形のドイツや日本がある。国連で拒否権を連発するのはソ連ではなくアメリカという設定である。インドは中国に習って社会主義化失敗している。今読むと外した部分が異世界モノとして面白い。(2023/02/21)

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