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著者 | ノーマンリンゼイ |
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出版社 | 講談社 |
ジャンル | 児童書・絵本 |
登録日 | 2015/03/13 |
リクエストNo. | 61614 |
リクエスト内容
ーマン・リンゼイ作・絵『まほうのプディング』(小野章訳 講談社)は、オーストラリアで唯一冊古典(初版は1918年)となっているファンタジーである。
魔法のプディングのアルバートは、コックのカレーライスのつくり出した不思議なプディングで、味はお好みしだい、いくら食べてもまたもとに戻り、食べかたが少ないと文句たらたらになる。
コアラでおりにふれ、歌をつくるバニップは旅に出て、船のりビルとペンギンのサムに出会い、ビルのまほうのプディングを馳走になる。三人とプディングはともに旅をしていくが、そこにプディングどろぼうのふくろねずみとふくろぐまがあらわれて、三人組はしてやられたり、またとりかえしたり、知恵くらべの争奪戦を演じていく。ナンセンスなドタバタのなかに、それぞれの登場動物たちの歌が入ってにぎやかである。クライマックスは法廷、なぐる、けるの大騒ぎ。「こんな大さわぎをしていては、さいばんがかたづかないじゃないか。」「かたづかなければ、ちらかしたまんまに、しておけばいいよ。」というわけで、逃げ出してしまい、「だんだん、この本もおわりに近づいてきた。大いそぎでなんとかしないと、本がしりきれとんぼになるぞ。」というビルにパニップは答える。「ぼくたちの旅をおわりにしたら、この物語もおわりになります。旅をやめれば、きょろきょろプディングをさがしている、どろぼうたちにしたって、お手あげですからね。」(224頁)そして菜園経営者のペンジメンのところの木の上に家を建て、たのしいくらしをする。
全くおかしな話で、あほらしい!理想の食べものをめぐってあくなき戦いをするというテーマは、永遠に新しいであろうし、また、毎日、子どもがぶつかっているテーマでもある。オーストラリア特有の動物たちを縦横に活躍させ、かなり下品な言葉でわめく場面をサービスし、歌によってもりあげていくリンゼイの筆力は、表情ある絵の魅力とともに、60年を経過した今も、多数の子どもをひきつけるであろう。
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読後レビュー
NEWS
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2015/03/13
『まほうのプディング』(ノーマンリンゼイ)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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まり