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著者 | 筆名 高木多馬 |
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出版社 | 教成社出版 |
ジャンル | 専門書 |
登録日 | 2006/03/06 |
リクエストNo. | 32958 |
リクエスト内容
何故か戦時下、それも昭和19年の発行である。カトリック教会が中世から近世にかけて濫発した免罪符(正しくは「贖宥状」や「免償符」であり、免罪符と云う言い方は誤り)について、纏められた数少ない研究書。新教サイドの人が書いた宗教改革に関しての研究書には、免罪符について批判的な意味を込めて書かれている章を含む文献も少々見受けられるが、免罪符そのものについて研究した書は、旧教側では消し去りたい汚点になっているのか、これ以外知らない。本当に黙殺されている様である。「免罪符」と云う言葉は、今でも色んな意味で、多く使用されているが、これ程、有名な言葉にも関わらず、そのモノの実態が殆ど知られていないモノも珍しいと思う。確か日本では早稲田の図書館に、免罪符が一葉あったと記憶しているが、免罪符自体が後世に残る事は極めて珍しく、紙不足の時代に本の装丁に使用されてしまった免罪符を、復元したものが所蔵されていた筈。それにしても、テッツェルなんて云う免罪符売りの説教文句の中の「献金箱に金貨を投げ入れ、チャリンと音がする度、お前さんがたの魂は煉獄から救われる」なんて云うセリフには、ゾクゾクっとしてしまう。宗教家は、たとえ本心では金銭を求めても、それをカモフラージュするものであるが、これ程、宗教が素直に率直に、何等隠し立てする事なく、即物的に金銭を求めているのには、逆に好感を持ってしまう。貧しい者は救われず、献金した裕福な者のみ、魂が救われる、うーん、単純明快で分かり易い、凄い話だ。是非とも、日本唯一の研究書、復刊すべきだ。
序文
免罪符即ち贖宥の本質
悔悛の秘蹟の要素と贖宥に関するルターの言
贖宥の歴史的起源と発展
千五百十四年のレオ十世の回勅の内容
大問題となった真因
反動宗教改革による教理の変更
公平なる訳語について
カトリック教に関する一般的誤解について
参考書
昭和十九年二月十五日発行(1,000部)
ちなみに、英国のThe Alembic Press社から免罪符(Caxton's Indulgence of 1476)が1995年12月31日に少部数復刻されました。羊皮紙・カリグラフィー版は、品切れの様です。
もし宜しければ、当方の他のリクエストも是非御高覧ください。(皇道基督教関係文献多数登録中) ※ 古書店での入手難易度 ★★★★★
投票コメント
全1件
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いつも、蔵書有のものばかりを登録していますが、今回は、いつも目録で見かけても不落の、未だ入手の叶わない古書を登録致します。これが、本来の登録の在り方かも知れませんネ。(不落)GOOD!1
平成21年4月24日、遂に遂に入手致しました。
ちなみに米国では「魔女の鉄槌・魔女の槌(Malleus Maleficarum)」が普通にレア書の再印刷本(このアイデアは凄い・本来とんでもない珍奇書を5ドル位から売っているのだ!!)として売られているのだから、日本も見習って欲しい。余談ですが、カトリック世界では、リシュリュー枢機卿(スウキケイ)が好きですね。ああいう、坊さんなのに、あまり神を信じていないといった、宗教の本質から、とことん外れた処に興味が有ります。 (2006/03/06)
読後レビュー
NEWS
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2006/03/06
『免罪符考』(筆名 高木多馬)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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伊部星鈴